『魔弾戦記リュウケンドー』あの白組がCGを手掛けた今は珍しい非東映・非円谷特撮番組についての感想 後編

はじめに

 本記事は後編になるので、ぜひ前編を先に読んで頂きたい。というか主な内容が前回入りきらなかった気になった点と総評になるので『魔弾戦記リュウケンドー』を知らない人が後編だけ見たら意味が分からなくて全く楽しくない可能性があるので前編を読むことをお勧めする。

気になった点

SHOT(味方組織)のキャラ

 「前回の記事でキャラ褒めてるくせにどういうことだよ」と思われた方もいると思うが、ヒーロー三人組やヒロイン、町の人と比べるとSHOTのメンバー(と言っても司令官と博士枠の青年位だが)のキャラは正直薄い。
 博士枠の青年はキャラが薄いだけで鍵のチューニング等の役割もあるし、メイン回で非戦闘員なりに一応の活躍もあったのでまだしも、司令官は正直微妙だと思う。制作陣としてはおそらく普段はふざけているが意外と役に立つ、締める所は締める上司をイメージしていたのだろうが、彼が真っ当に活躍したシーンがあまり思い当たらない。何か素晴らしい作戦を立て、攻略の鍵になったという印象はなく(自分が忘れていただけなら申し訳ない)、『特捜戦隊デカレンジャー』のドギークルーガーのように変身して滅茶苦茶強いという訳ではなく、かといって『ヘルシング』のペンウッド卿のように弱者なりに誇りやプライドを見せると言った印象もない。ここまで書くと「さぞ気に障ったのだろう」と思う人もいるかもしれないが、そうではない。別に足を引っ張るわけでも高圧的なわけでもないので、別に嫌いではない。ある意味リュウケンドーらしい緩い雰囲気を感じるキャラなのかもしれないが、個人的には残念なキャラ。

戦闘の脚本が適当

 こればっかりは多くの特撮ヒーローでありがちだから指摘するのも野暮だが、それでも気になってしまった。
 苦戦したがよくわからないまま勝つ、みたいな戦闘が結構多めで、作戦で勝つ、弱点を突くといった戦闘時における工夫はあまり見られなかった。火水雷の属性フォームチェンジを活かす戦闘もあるにはあった(熱された鍋を冷やすための水属性など)のでいつでも脳筋バトルという訳ではないがどちらかと言えば大雑把な印象を持った。ただ属性フォームの中でも、雷が別格扱いなのは熱かった。仮面ライダークウガのタイタンフォームもそうだが、並列属性フォームの中で明確に切り札、別格扱いのフォームがあるのは個人的に好み。
 町民の戦闘力に関しても少し気になった。戦闘員に勝てる回もあれば負ける回があるのはある意味特撮あるある(戦闘員の強さブレブレがち)なので置いておくとしても、戦闘機を所有・運用できるのはギャグだとしても少々やり過ぎじゃないか笑。しかもその回以外で戦闘機の設定ほぼ使われなかったし笑。

総評

 キャラ、デザイン、合成、ドラマ等なかなかクオリティの高い要素が多く、根強いファンがいるのも納得な作品。
 最近あまり見なくなった非東映・円谷の子供向け特撮番組に興味のある方はオススメ。また、ガラケー、冬のソナタのパロディ、町の空気感、服装、キャラ造形から薫る平成の感じ・00年代の雰囲気は当時物心があった人々にはどこか懐かしい気持ちになれると思うので、あの頃を振り返りたい!という人にも意外とオススメかもしれない。



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