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社畜が骨折したら、引きこもりになった件。②

まずは、なぜ事故を起こしてしまったのか、振りかえることから始めてみる。ただし、事故当日の行動ではない。その当時の話は、当事者である私だけではなく、私に声をかけてくれた同僚、同じ作業をしていた仲間、直属の上司、さらにその上の・・・・・・ それこそ私が会社に復帰してから、どれだけ謝罪をすればいいのかわからなくなるぐらいの人数に対して執拗に行われたからだ。

ん? 何を大げさな・・・って?

それは症状の経過報告ために会社を訪れたとき渡された調書を読んでから反論して欲しい。”従業員が受傷した事象”ひとつに対して、A4用紙で10枚のレポート、しかもまだ中間報告だからと、その場で事実確認をさせられた私に成り代わって、吐き出してもらいたい。

正直、甘くみていた。
入社当初から洗脳のごとく安全第一、労災ゼロを掲げ、些細な事故でさえ大げさに取り上げ、受傷者に対してキズに塩を塗るような対応を垣間見てきたとはいえ、何もない身からすれば他人事だったのだと、後悔している。

では、なぜ、ここまで会社の規定が厳しいのか?
理由は簡単。
エッセンシャルワーカーだからだ。

「感染リスクがある中でも、私達の生活を維持するために現場で働き続けなくてはいけない方々」への感謝・敬意を込めて「エッセンシャルワーカー」という名称が使われるようになりました。(英語で「essential worker」は「essential(必要不可欠な)」と「worker(労働者)」を組み合わせた言葉)

https://www.job-terminal.com/

仮に、ある日の始業直前、突発的な欠勤が発生したとしよう。ひとりふたりであれば、人事を入れ替えることで対応できるが、十人単位でいなくなれば、間違いなく業務が破綻するだろう。
会社は、その時、どう判断するのか?
臨時休業、一部休業、強引に営業・・・経営陣の決断によるが、社内だけで被害が収まるように動くはずだ。

しかし、エッセンシャルワーカーの場合、その影響が確実に社会、全く関係のない人たちに及んでしまう。医療関係者や病院の不足でコロナを患った大勢の人が診察を受けられなかったり、運転手の不足でバスの本数が減ったのは、その典型例だ。そのようなリスクを回避するために、国や地方自治体は特定の企業や団体を監督し、問題があった時は容赦なく追及、断罪してくる。そのための特定の法律も存在する。

だからなのか、未曾有の災害があったとしても働き続けなくてはいけない義務はあっても、通常の業務内において従業員への応対は手厚い。給与に対して業務内容がキツいという噂を耳にするが、メディアで騒がれるブラック企業のようなサービス残業がないどころか、1分単位で手当が支払われている。

なので、前述の”従業員が受傷した事象”の報告書は、社内どころか、都道府県庁を通り抜けて、とある省庁に保管される・・・・・・運命にあるらしい。
そういえば、直属の大先輩が口にしていたっけ。

「業務中のミスは一生残る、決して消せないから」

至言すぎて何も言えないまま、次回につづく。


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