IT社長と過ごす夜〜きもおじにブスを添えて〜
R.I.P 時価総額1億のIT社長(通常:R氏)
孤高の独身ちゃん2020−2024の恋愛を飾ったRさんから久しぶりの連絡。自宅のパーティールームを貸し切って、しゃぶしゃぶをするから野菜を切りに来い、ということだった。
ちなみにRさんは創業社長で、作ったひとつ目の会社で大成功を収めた新進気鋭のスタートアップ 代表取締役である。そんなRさんはしゃぶしゃぶへのこだわりも尋常じゃない。
・ポン酢は旭ポン酢しか許されない
・だしパック+だし昆布はダブルで必須
・大根おろしは大量のもみじおろしで
・きのこは大量に5種類ないと許されない
・きのこは一番最初に火にかけてだしを出さなければならない
・肉は豚と牛を、高島屋か伊勢丹で準備しなければならない
こういったとおりである。
それにしても新宿はラトゥールが多すぎる。建物名で間違えて、15分も寒空の下を歩かされた。
ゲストはハレンチクラブダンサー
給食当番と化して、ひたすら白菜とねぎを切り、きのこを割いていたのだが、ゲストが誰かは興味もなかったし知らされていたなかった。直前で、関西方面からやってくる夜のクラブダンサーであることがわかった。
男性メンバーは芸能事務所関係者や東南アジアからのゲストたちだ。そんな中で、ブローカー役に集められたハレンチクラブダンサーや大学生がどこからともなく数人やってきた。ブサイク揃いで腰を抜かしかけた。
夜の出勤前にRさんへのおひねりアピールに来たらしかったが、とにかくよく食べること食べること。野菜も肉もあっという間に消え、給食現場はてんてこまいであった。
ただハレンチクラブダンサーは、出勤に備えて早めに帰ったが給食当番の拙者に「ごちそうさまでした。ありがとうございました」と丁寧に挨拶して帰っていき、かなりイメージはよかった。
ブスの無礼は許されない
極めて迷惑だったのは、どこからか湧いてきたブスな大学生。ちやほやされていないと表情は曇るわ、食べ終わった大量の生ゴミをまったく処理しないわ、準備している側への感謝も配慮もへったくれもない。
ブスなのに無礼とは。いったいどんな家庭環境で育ってきたのか、いささか不思議な気持ちだった。自分で食った皿くらい自分で洗え、クソブス女子大学生め。
とうのRさんはブスにまみれながら、楽しそうにテキーラだのシャンパンだとイェガーだの、ウイスキーだのを飲んでベロベロにつぶれていった。出会ったころよりも幾分品性の失われた、GIVENCYのスタジャン姿だった。
Rさん 〜ブスまみれきもおじエディション〜
大好きだったRさん、あの頃はH&Mの白Tだったのに。今やGIVENCY。
未来の事業展開に向けてキラキラとした表情で語っていた姿は今でも美しい思い出として拙者の心のなかに残り続けている。
しかしあの頃のRさんはもういない。業界の方々に毒され、ずいぶんと醜い姿に変わっていた。業界での成功を手に入れる代わりに、品性を失っていく姿、実に人間らしい生き様だ。
Rさん〜ブスまみれきもおじエディション〜はこれからも変化と進化を続けていくだろう。それがどんな結末を迎えるのかは誰にもわからない。それにこれはRさんに限った話ではない。拙者も2020年に比べたら、だいぶ変化したと思う。
変わらないために、人間は変わり続ける。