夫の体験談【お墓にいたおばあちゃんの話】
「疲れてるのに寝れない」
と、毎晩のように言う夫。
昨日は天井を見つめても寝られなかったのか、
思い出したように高校時代のことを話しだした。
学校の建物とか、野球部の格好とか、
話を聞いていると私の頭の中にも
かんたんにその様子が想像できた。
というのも夫とは高校の同級生で、
なんなら実家同士も車で7分くらいの距離だ。
だから夫の話す学校内の建物とか、
学校周辺の様子とかははっきりとわかる。
夫は高校までずっと野球をしていた。
野球部の泊まり込み合宿を
学校の敷地内にある建物でしていたらしい。
それを踏まえて、ここからは
夫の語り口調で聞いてもらいたい。
高校1年生の春休みのときかな?
野球部の合宿があったんだよ。
学校の中で合宿するってなって
練習して、飯食って、夜練して。
飯はマネージャーが作ってくれるんだよ。
必ず5杯は食べなきゃいけなかったんだけど
俺足りなかったから、8杯食べたんだよな。
夜練したあと、育ち盛りだから
また腹減ったんだよ。
だから22:00過ぎくらい?
先生がいない隙に3人くらいでさ
裏門からでてさ
近くのコンビニまで走って行って
でさ、そのコンビニに行く途中、
コンビニの裏に
ちっちゃい墓があるんだよな。
墓地が。
そこの横の歩道を歩いていくんだけど、
その歩道のところに、なんか立ってんだよ。
そんでどんどんコンビニに近づいて行くんだけど、なんか、おばあちゃんみたいな人が立ってて。
ほんとに全く動かなくて、その人。
で、通り過ぎて。
「あれ?なんか俺だけ見えちゃってるパターンだ」
と思って。
で、コンビニで飯買って。
今度怖かったから逆側の歩道から
歩いて帰ったんだよ。
そしたら一緒に行った先輩に
「お前あれ見えてる?」
って言われたから
「あ、やっぱ見えてますか?いますよね?」
いやこわくね?とかって話になって、
ちょっと小走りで帰って。
でそのあと、その次の日に
朝練習始まる前に
ランニングするんだよ。
校門からでて、昨日のコンビニ通り過ぎて
ずーっと走って行くんだけどさ。
その途中に、俺の中学の同級生で
一緒に塾通ってたやつの家があるんだけど
走ってたらたまたまそいつが家からでてきて
おー!なんて話したら
そいつのうしろに
昨日のおばあちゃん立ってるんだよ。
あれ?やべぇやつじゃん
と思って
お前、あれ…後ろに立ってるおばあちゃん誰?
ってその友達に聞いたら、
あ、あれ俺のおばあちゃん
その友達のおばあちゃん、5年くらい墓に通うのが日課になってるらしい。
おわり
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