見出し画像

まりあ、初めてのコスプレ

武德です。
性別不合(性同一性障害)の面白いところはやはり、
「自分は男なんだけど身体は女」
「自分は女なんだけど身体は男」
漫画のようなことが実際に起こることだと思う。

自分≠自分の身体。

MTFの方の「女なのに身体は男性」という状態は、想像を絶する苦痛があるので、面白いなんて言うのは失礼だが、「男なのに身体は女性」のFTMの場合は、人によっては身体違和が薄く、女性の身体を楽しむ人さえいる。

私もその一人だ。
自分の身体を自分だと認識できないお陰で、身体違和を感じることはほとんどない。女性の身体は私のものではなく、もう一人の女の子の方の私のものなのである。

去年、ムサビ通信に入学する前の話である。
夏のコミケの出展を最後に3年間続けていた同人活動が終了させた後、次は何をやろうかと考えていた。
そんな中、2022年の夏に初めてワンダーフェスティバルに来場。
イベント内で凝った造形のコスプレを目にし漠然と「コスプレの衣装製作がしたい」という気持ちが湧いてきたのである。

男の方の私は、別に自分がコスプレをしたいとは思わない。
コスプレの衣装を自分で手掛けてみたいのである。

男の方の私が私が衣装を考え、
女の子の私がその衣装を着る

これでいこう!と思った(笑)

男だって人形が好き!

本当は男の子の私だが、子供の頃、自身が性別不合であることに自分も周囲も気づかなかったため、女の子に分類され、女の子の遊びを与えられていた。

その中の一つに、ジェニー人形の衣装作りがあった。
これが大変面白い。
服をつくるための素材を集め、その素材を組み合わせて自分だけのオリジナルの衣装を作ることができるのだ。
小学3年生くらいのとき、ジェニーの服作りに異様に熱中している時期があった。子供なので大したものは作れなかったが、ミシンも使いそれなりに本格的にのめり込んでいた。
この経験があって、「女の子の服を作る」ことの魅力に目覚めてしまったのである。

はじめてのコスプレ衣装が完成!

衣装にウィッグに小物。
全部はじめてやることな上、いろいろ欲張り過ぎてしまい、「作ることを楽しむ」といういちばん大事なところがおろそかになってしまったという反省はあるが、一応コスプレ衣装が完成した。

いろいろな通販で服のもととなる部分を買い、それらを組み合わせて作っていった。特にSHEINむちゃくちゃ使える。
小物は、当初は電子工作をしようと思っていたが、いきなりはハードルが高かったので、既存のおもちゃを改造して小物に仕立てた。

SHEINはコスプレ材料の宝庫!
パーツとして買ったアイテムを組み合わせて一つの衣装をつくる

実際に作ってみて、まず自分の想像力の乏しさにびっくりした。
ずっとウェブ関係の仕事をしていたため、手で何かを作る機会がほとんどなかった。ムサビ通信へ入学し、モノづくりの感覚を思い出した今ならもっといいものが作れると思う……。

ウィッグに紫のエクステンションをつけたもの


光るLEDフラフープ。
黒い部分はビニールテープを貼っている。


今回使用しなかったもの。
豆電球LEDライトはいろんなところで使えそう。


まずはやってみよう!

コスプレ衣装つくりたい、でもどうやって?
というところから始まりました。
実際に着て外に出るわけだし、完成度を上げなくてはいけないのような思い込みがあった。

大事なのはそこではない。
衣装制作を楽しむこと、そしてそれを着て楽しむことだ!

そして、初めてで完璧なんてことはないし、ここがうまくいかなかったから次はもっとこうしようみたいな、最初はなかった欲がどんどん湧いてくる。

次回のコスプレ制作は未定だが、既に次はどうしたいというイメージがあるので、それを膨らませつつ、タイミングを見計らってチャレンジ!である。

手術しないままの性別不合って、こういうとき便利だよね

今回、実際にコスプレ制作してみて、自分のつくったものをすぐ試着できるというのがとても効率よく感じた。
制作の時は男性寄り、衣装を着るときは女性寄りになるニューハーフさんと同じような状況だと思うけど、こういう時は性別不合って便利だなって思う。

28歳の時「ゴメン、本当の性別女じゃなくて男だった」を食らった性別不合の当事者です。日常的に男女の性別使い分けを強いられそのまま根付いてしまった奇妙な人生。サポートや紹介していただけるメディアさんも募集しています。