僕҉

言語や英語学習についての世界最先端の論文を噛み砕いて説明します。 執筆者はMIT出版を…

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言語や英語学習についての世界最先端の論文を噛み砕いて説明します。 執筆者はMIT出版をはじめ、国内外の出版社から論文や共著本を出版している若手言語学者です!

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  • 英語習得②-○○語っぽい日本人の英語文法編-

  • 研究論文から知るガチ雑学✍️

    僕が興味をもった日常の疑問に関して研究論文を読み、それをシェアするマガジンです!

  • 英語習得 ー動詞の屈折編ー

    英語習得の研究をめちゃくちゃ噛み砕いて説明してます

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プロフィール

名前:僕҉ 専門分野:第二言語習得(文法,意味が中心),理論言語学(英語,日本語の文構造) 理論言語学研究 → 主に,英語と日本語のさまざまな構文の構造を研究し,それらの言語を知ることで,「言語とはなにか」という大きな問いへの答えを模索しています. 第二言語習得 → 理論言語学研究でわかったことを基盤にして,日本人が英語を習得するときに,「なにが難しいのか」,「どのような文法知識をもっているのか」などを研究しています. 国際・国内学会での発表は30件以上。 理論言語

    • 雑学001. 「"一夜漬け"の実力は"アル中"並み?!」

      記念すべき第1回目🎊の雑学投稿は、非アカデミアの人にも知られている名雑誌,Nature誌の論文から! テーマ テーマはズバリ!「人は寝ないとどれくらいの実力を発揮できるのか?!」 実験の概要 この実験では、28時間(8:00から翌日12:00まで)寝ていない被験者と、夜8時から12時まで30分ごとに一定量お酒を飲むように言われた被験者の2グループの作業効率を比較しています。

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      • 主語 vs. 目的語: どっちが落ちやすい?#006

        前回の記事で,学習者による英語の主語の扱いについて書きましたが,今回は,日本人英語学習者の主語と目的語の脱落を比較した論文を紹介したいと思います. 英語では,文法的に,主語や目的語は省略することができません. 一方,日本語では,理解に支障がでない限り,比較的自由に主語や目的語を省略することができます.例えば, 生徒「(先生が)来たぞ!」 のように,主語を落とすことができますし, 先生「おい,ノビ.宿題をやったのか?」 ノビ「はい,先生.(宿題を)やりましたよ!」

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        • 屈折は苦手,でも主語は得意。子どもとの比較で第二言語の本質に迫る #005

          これまでの記事で,何度か第二言語学習者は屈折が苦手であることを紹介しました. 屈折まわりのトピックは,実は第二言語習得ではもっとも盛んに研究されています.今回は,その先駆けとなり,今でも頻繁に言及される重要な研究をご紹介します. 子どもの言語獲得における主語と屈折1990年代初頭,Nina Hyams,Luigi Rizzi,Kenneth Wexlerといった欧米の大御所研究者たちが,子どもの言語獲得における主語と屈折の関係性について盛んに研究していました. 英語では

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        • 雑学001. 「"一夜漬け"の実力は"アル中"並み?!」

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        • 主語 vs. 目的語: どっちが落ちやすい?#006

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        • 屈折は苦手,でも主語は得意。子どもとの比較で第二言語の本質に迫る #005

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        • 英語習得②-○○語っぽい日本人の英語文法編-
          0本
        • 研究論文から知るガチ雑学✍️
          1本
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        • 英語習得 ー動詞の屈折編ー
          4本
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          邪魔が入ると落ちやすい三単現-s #004

          以前の記事で,学習者は三単現-sをよく落としてしまうという話をしました. 今回は,三単現-sを落とす場合について,さらに面白い発見をした研究を紹介していきたいと思います. 三単現-sの脱落以下の文では,主語が三人称単数なので,動詞には三単現-sがくっつく必要があります. The child speaks English very well. しかし,第二言語学習者は,日本人に限らず,-sを非常によくつけ忘れてしまいます. 単純な文でも-sはつけ忘れがちなのですが,ど

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          邪魔が入ると落ちやすい三単現-s #004

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          "I ate the apples"からわかる深イイ英文法習得のはなし #003

          できごとの完結性さて,突然ですが,下の画像をご覧下さい.あなたはリンゴを一口食べたけど,すっぱくて食べるのをやめたとします.その時, I ate an apple. と言えるでしょうか? 実は,英語ではそのような状況では,I ate an apple.とは言えません.そのように言うには,下のように,1コのリンゴは完全に食べ切られていないといけないんです.

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          "I ate the apples"からわかる深イイ英文法習得のはなし #003

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          英語では「私のカバンが盗まれ」ない?!日本人の英語受け身習得の話 #002

          突然ですが,カバンを盗まれた時,英語でなんて言うでしょうか? I was stolen my bag. ですよね? 突然雨が降ってきて,濡れてしまった時は? I was rained. でしょうか・・・? 赤ちゃんにニッコリと微笑みかけたら号泣してしまったら・・・? I was cried by a baby. です・・・よね・・・・・? 実は,上の英文はすべて誤りなんです!

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          英語では「私のカバンが盗まれ」ない?!日本人の英語受け身習得の話 #002

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          実は英語習得には決まった順序がある?!#001

          記念すべき初の記事投稿です.今回は「英語習得には決まった習得順序がある」という話をしたいと思います. 前回のイントロでも紹介した入門書の中にわかりやすくまとめた表があるので,参考に使わせて頂きたいと思います(私はその本の筆者ではないので,本の宣伝目的ではありません...!). 英語圏の子供における習得順序まず最初に,英語圏で生まれ育った子供の英語習得にも,決まった順序があるという話を紹介したいと思います.1970年代,ハーバード大学のRoger Brownらは子供の文法項

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          実は英語習得には決まった順序がある?!#001

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          日本人の英語は◯◯語?!#000

          今や世界で15億人が英語を話すと言われる時代.日本でも英語力の需要が高まる一方ですが・・・ このnoteでは,日本人にとって英語の文法の何がそんなに難しいのかといった話題に加えて,日本人(や全世界の学習者)が英語を勉強する時に起こる不思議な現象について書いていきたいと思います. このnoteのねらい昨今の英語ブームで「個人の経験談」はたくさん読める時代になりましたが,このnoteで紹介するのは,そういった主観的なものではなく,世界の専門家達によって認められ,研究論文に掲載

          日本人の英語は◯◯語?!#000