8月31日の夜に

医者にiga腎症だと伝えられた15歳の夏

時はとまり、この世の全てが悲しみに溢れかえった。

難病指定されているその病気は

いまだに解明されていなく

完治するのが難しいと言われている。

私の場合、末期といわれ

このまま腎不全になり命の危険すら

と言われた。

命までとはいかずとも

だいすきなサッカーは絶対にもうできないし

ジョギングも、歩くことすら難しいかもしれないと。

結論、ステロイドの治療を2年半行い

いまでは完治したのだが。

これを医者は奇跡といった。

あのころは必死で特に思わなかったが

死ななくてよかった。

本当に良かった。


そう感じてから私は大切な人は必ず大切にし

どうでもいい人との無駄な付き合いはやめることにした。

感謝の気持ちを表現するには時間が要る

無駄な時間など使ってる場合ではない。

私には恩返ししなければならない大切な人がたくさんいるのだ。


病気というものは体よりも心を蝕む。

私は、毎晩夢の中で1人の女性に殺されていた。

どんな夢を見ていてもその女が現れ、必ず殺される。

死にかけた状態でその女をみると、死にゆく私を指差しゲラゲラと笑っている。

いまでも私はその女の顔を鮮明に覚えている。

あるとき病院で寝ているとき夢の中で殺されそうになり、飛び起きた。

それを心配して見にきた看護婦が

その女で、ゲラゲラ笑いだし殺されるという夢の夢をみたこともある。

死にたい気持ちなどひとつとしてなかったが

暗い未来は死へと直結していた。


8月31日の夜に

というのはnoteの公式アカウントで

ハッシュタグをつけて投稿しようというお題のものだ

どうも8月末は10代の自殺が一番多い時期らしいのだ。

10代に向けてメッセージを

と綴ってあった。


死にたいと思ったことはないが

死にそうな経験をしたものとして

伝えたいことはただ一つ

本当に生きていて良かった。


あのころよりも家族が大事になって

運命の人と出会えて

かけがえのない友人ができた。


10代の頃は世界が狭く

暗い未来が浮かぶかもしれないけど

大人になるにつれて

選択する権利が増えて

明るい未来を自分で切り開くことができる。


もし死にたいと思うなら

夏の終わりに

8月31日の夜に

人を思い出す。

大切な人には恩返しを

憎いやつには復讐を誓う

その約束を果たすために生きる選択を。

生きて返す。

#8月31日の夜に

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