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異世界魔王ライフ、第10話。 魔法国家ディールのお祭り(中編)

(前回までのあらすじ)

女神の陰謀で、異世界転生魔王になった俺。

色んな事があって、(1~9話参照)

農作業中に、ねこまんま亭の店主が、
「魔法国家の、お祭りに、行ってきなさい。」
って、提案してきた。

アルファ(以下α)は、乗り気ではなくて、
店主と一緒に、
ねこまんま亭の中に、入っていった

キール(以下俺)と、ベータ(以下β)。
そして、新規加入の、
ガンマ(以下γ)とレディ(以下女神)は、
いかにして、アルファの、機嫌を直そうかと、
試行錯誤をしていた……。

………………ねこまんま亭の外………………

俺『……って事なんだ。』

俺は、ガンマとレディに、今の状況を説明した。
(9話前編参照)

γ「そりゃー。面倒臭い話し、だなぁ……」

女神『アルファちゃんは、
魔法国家に、行きたくないって、訳ね。』

β「まだ、断定は、出来てないんですが、
あの感じだと……。乗り気では、無かったです。」

俺『俺は、
まだ、行ったことが、無いから、行ってみたい。
……けどなぁ、どうせなら、
みんなで、お祭りに、行きたい。と思ってる。」

悩む俺達、なんか、良い方法は、無いのか?

γ「いっその事、魔王様の権限で、
無理矢理にでも、連れて行くとか?」

俺『それじゃあ、アルファが、可哀想だ。
それに、以前、無理矢理に、連れて行って、
酷い目に、あったしなぁ。(7話参照)』

β「いっその事。
アルファ殿を、置いて行く、ってのは?」

俺『それだと、
残されたアルファに、俺が、
魔法で、焼かれるかもしれん。恐いから、パス。』

女神『あの……。隠し事なんか、しないで、
アルファさんに、
説明したら、宜しいのでは?』

俺『だよなぁ……。それしか無いか。』

俺達は、重い足取りで、
ねこまんま亭に、向かって行った……。

………………ねこまんま亭、室内………………

エーベ村の宿屋。ねこまんま亭に着いた、俺ら。

俺『なんか、緊張してきた。』

β「大丈夫ですよ。
何も、取って食われる。
って、わけじゃ無いんですから。多分。」

多分って、何だよ!?
まぁ、ここで、引く訳には、行かないな。

俺『お~い。アルファ~。居るのか~?
居たら返事しろ~。』

α「もうチョットで、完成するから、待って~。」

ねこまんま亭の奥から、アルファの声が聞こえた

俺『おい。完成って、何だ??』

α「今、忙しいの~!あと10分待って~!!」

俺『……何やってんだ?アルファは??。』

女神『多分、女性の、身だしなみよ。
そういう時は、急がせないの。相手に失礼よ。』

γ「だな。少し、待っててやろうぜ。
どうせ、俺ら、暇なんだし。」

β「そうですね。急ぎでは、無いので。」

俺『……そうするか。』

…………10分後。ねこまんま亭の外で。…………

α「おまたせ~。どう?似合う似合う??」

そこには、可愛い浴衣姿の、アルファがいた。

β「ほう。これはこれで、なかなか良いですね
可愛いですよ。アルファさん。」

γ「馬子にも衣装か。でも、良いんじゃないか。」

女神『あら、素敵な浴衣。じゃない。
とっても、似合ってますわ。』

俺『どうしたんだ?その格好??
アルファ、お前。
魔法国家の、お祭りに、行くのか?』

α「うん!魔法国家に行くわよ!!
……Σ( ̄ロ ̄lll)ゲッ!!ガンマ!?いたの!?
……それと、この女は、ダレなのよ!?」

アルファは、混乱していた。
そりゃそうか、今までの流れ(9話前編参照)を
知らなかったんだからな。当たり前だ。

γ「あぁ、色々と、訳があってな。
俺様は、今日から、お前達の、仲間になったぜ。
よろしくな。アルファ。」

女神『初めまして。私はレディ。
今日から、仲間になったわ。
キールとは、昔からの、知り合いよ。』

レディ。元女神って事を、隠す気だな。
まぁ、俺にとっては、好都合。なんだが……。

α「……とりあえず、ガンマの話しとか、
色々と、聞きたい事が、あるんだけれど……。
まず、この女は何なのよ!?
なんか、昔からの、知り合いって言ってるけど。
どういう、知り合い、なのかしら!!
説明しなさい!!レディ!!
返答次第では、タダでは、済まないわよ!!」

アルファは、レディに詰め寄った。
一触即発状態だな。こりゃぁ。
今までで、1番ヤバい状況だ。

女神『それは……。

キールの、身体の、ホクロの位置を、全部。
知ってる位の、仲よ。』

……なんて事を、言いやがるんだ!コイツ!!
もう少し、言い方って、あんだろ!!

やはりと言うか、やっぱり。
アルファの、矛先は、俺に向けられた。

α「キール様…………。最っ低!!??」

アルファは魔法詠唱を始めた。

俺『そんな、誤解だぁぁぁぁ!!』

ちゅどーん。

俺は、丸焦げになった。俺は、冤罪なのに……。

…………20分後。ねこまんま亭。室内…………

丸焦げになった俺、ベータ、ガンマで、
今までの事を、説明した。もちろん、
レディが、元女神って事は、俺は伏せてるが。

α「つまり、ガンマは、
キール様の、特殊能力で、フリーになって。
レディは、キール様の、幼なじみで、
ホクロの位置が、分かるのは、
小さい頃に、
一緒に、お風呂に、入ったから。って事ね。
ホント、紛らわしいわ。」

どうやら、アルファの、機嫌が、戻ったようだ。

俺『だから、誤解だって、言っただろう……。
俺の話しを、聞かないんだからだぞ……。』

俺は、ブツブツと、文句を言い始めた。

β「……キール様が、いつも、
誤解させるような、行動を、してるからです。」

γ「……それと、早とちりした、アルファ、
誤解するような、発言した、レディ。
お前達も、キール様で、遊ばない様にしろ。
これでも、一応、魔王様。なんだからな。」

ベータ……。ガンマ……。
俺のフォローに、なって無いぞ。

店主「あら。全員、揃ったわね。」

そこに、店主が、やってきた。

店主「(-ω-;)アレ?以前に、来てくれた、
ガンマちゃんは、分かるけど……。(6話参照)
こちらの、美しい女性は、誰ですかな??」

今度は、店主が混乱した。
今日は、みんな、混乱する日なのか?

γ「よう!店主。久し振りだなぁ~。
今日から、俺達、仲間に、なったんだ。
この、嬢ちゃんは、
キール様の、幼なじみ。なんだぜ。」

女神『初めまして。店主様。
私は、レディと、申します。
これからも、宜しく、御願い致します。』

そういうと、レディは、店主に、一礼した。

店主「こちらこそ、宜しくね。レディちゃん。
なんか、どことなく、気品があるわね。
どこかの、ご令嬢か、何か。かい?」

女神『まぁ、似たような、感じですわね(ニッコリ)』

どうやらレディも、
元女神。ってのは、隠すみたいだな。
俺としたら、好都合では、あるけどな。

店主「アルファちゃん!、
ちょっとこっち、来て!!」

α「なぁに?おばあちゃん。」

そう言うと、二人で、コソコソと、話し出した。

店主「あなた、大丈夫なの??」

α「え?なにが?」

店主「このまま、うかうかしてると、
あなたが、狙ってる、キールちゃんを、
レディちゃんに、取られるわよ!!」

α「えっ!(;゚Д゚)
べ、別に、狙ってないわよ!!
あんな、ヘタレで、面倒くさがりの奴……。」

店主「まぁ、狙って無いんだったら、
良いんだけどねぇ……。
いつまでも、そんな感じだと、
きっと、ずっと、付き合えないで、
後悔するわよ。(´Д`)ハァ…」

なんだ?俺達に、隠し事か??
俺は、二人を呼んだ。

俺『オ~イ?。二人で、何を話してんだぁ??』

α「な、なんでもないわよ!!」

店主「アルファちゃん。ファイト(*•̀ㅂ•́)و✧」

α「おばあちゃん!。違うからね~~!!。」

γ「……ったく、本当。
女性に、デリカシーってのが、全く無いな。
キール様は。」

β「……同感です。」

女神『(。'-')(。,_,)ウンウン。私も、そう思うわ。』

俺『何だよ~。
なんか、俺が、悪いみたい。じゃないか。』

β、γ、女神「悪いから、言ってんだよ。
キール様。」

俺、なんか、したか!?
ただ、アルファを、呼んだだけ。なんだけど?

店主「さぁさぁ、男性陣は、
あっちの部屋で、甚平(じんべい)に、着替えて。
私と、アルファちゃんは、
レディちゃんの、浴衣選びを、するから。」

俺『分かった。
んじゃ、俺達は、甚平に、着替えるか。』

β、γ「了解。」

…………ねこまんま亭、男性陣の着替え室…………

γ「……なぁ、キール様。」

俺『何だ?ガンマ??』

γ「お前、どっちの女性と付き合うんだ??」

β「私も気になります。」

俺『はぁぁぁ?何言ってんの、お前ら??。』

魔法で、丸焦げにさせる奴と、
ゴキブリ以下の、レディ(1話、9話参照)と、
どっちを選んでも、罰ゲームじゃないか!?

γ「俺の、見立てだと。お前に、気があるぜ。
両方とも、な。」

β「気づいていないのは、キール様。だけかと。」

俺『いやいやいや。(ヾノ・ω・`)ナイナイ。
好きな奴に、酷いことするか~。普通。』

γ「……本当に、分かってねーわ。キール様。」

β「……そうですね。」

ベータと、ガンマは、
深い深い、ため息をついた。

俺『俺が、どっちかを、
好きになるとか、無いわぁ~。(ヾノ・ω・`)ナイナイ』

γ「じゃあ、好みは、どっちだ??」

β「幼なじみか、デートした相手か。」

γ「おいおいおい。初耳なんだが!?
お前、アルファと、ついに、デートしたのか!」

俺『まぁ、俺の記憶には、無いから。
デートは、ノーカウント。だけどな。(7話参照)
ってか、ベータ!
お前、知ってて、隠してたな!!』

β「おっと、つい、口が、滑りました。
すまんな、キール様」

ベータ。絶対、俺に、謝る気は、無いだろ。

γ「で、どっちが、好きなんだ?(ニヤニヤ)」

ガンマの奴。他人事だと思って、楽しんでるな!

俺『黙秘します。』

正確には、どっちも、嫌なんだがな!!

β、γ「!?工エエェ(゚〇゚ ;)ェエエ工!?
つまんない男だな。お前は。
もっと、盛り上がろうぜ~。」

俺『因みに、お前らは、どっちが好みだ?』

俺は、速攻で、話題を変える事にした。

γ「俺様かぁ……。アルファを、女として、
見てなかったからなぁ……。」

β「そうですね……。レディさんは、なんか、
うさんくさい印象が、ありますからねぇ……。」

つまり、消去法で、
ガンマは、レディを。
ベータは、アルファが、気になる。ってわけね。
つまり……。

俺『今の俺達は、
女性陣に、興味が無い。って事だな。』

β「そうですね。」

γ「だな。」

お互いに、
これ以上、話を突っ込むのは、止めておこう。

俺『んじゃ、着替えようぜ。』

β、γ「了解。」


俺らが、こうして、無言で着替えてる一方……。


…………ねこまんま亭、女性陣の着替え室…………

店主「そうねぇ……
レディちゃんに、似合う浴衣は……っと。」

店主は、レディに合う浴衣を、探してた。

α「ねぇ。レディさん。」

女神『はい。何でしょう?アルファさん。』

α「あなた、
私達が、魔王軍と知ってて、加入したの?。」

女神『はい。存じ上げてますわ。』

α「あなたの、その雰囲気。
キール様と、同等なのよ。
いったい何者なのよ。レディ。」

女神『私も、キールと同じく、
異世界転生者なのよ。だから、
力が、同等なのは、当然の事ですわ。』

α「私達は、あなたの素性を、何も知らないわ。
何を企んでるの?教えなさい。レディ!!」

女神『それは、あなたも、同じではないの?
アルファ。……それはそうと、
あなた、キール様が、好きでしょ?』

α「なっ!!何故、それを、知ってる!!」

女神『分かるわよ~。女性の感よ。
だって、私も、好きだから。キールの事。』

α「そっか……。レディも、好きなんだ……。」

女神『でも、きっと、キール、鈍感だから、
この事に、気づいてないわよ。(ニヤニヤ)』

α「だいぶ、お詳しいんですね。
キール様の事が。私以上に。」

女神『それは~。
転生前からの、腐れ縁。だからかなぁ~?。
ホント、長い、付き合いだったわ。』

α「転生前は……その……
恋人……。だったんですか?」

女神『違うわ。
強いて言うなら、高嶺の花、だったのよ。私は。
だから、キールと、釣り合わなかったのよ。』

α「それって……。叶わない恋。だったんですね。」

女神『そうね。
だから、私は、転生して、追いかけて来た。
……って、感じ、かしらね。』

α「そうだったのですか……。
先程の発言。疑って、ごめんなさい。」

女神『別に、良いのよ。
お互いに、知らなかった訳、なんだし。
仲直り、しましょう。』

α「そうね。仲直りしましょ。」

アルファと、女神は、お互いに、握手をした。

α「でも、私は。キール様が好き!!
だから、手加減は、しないわよ!!」

女神『それはこっちのセリフよ!!
アルファ!!』

お互いの握手の力が、強くなった。

店主「はいはい。挨拶は、それくらいにして。
レディちゃん。浴衣に、着替えるわよ。
アルファちゃん、手伝って。」

α「……はぁ~い。おばあちゃん。」

女神『……あなたの事、利用させてもらったわ。
キール。』

α「なんか、言った?レディ?」

女神『ただの、独り言ですわ。ヾ(  ̄▽)ゞオホホホ』

店主「さぁ、ちゃちゃっと、着替えるわよ!!」

α、女神『ハーイ。』


……こうして、俺達全員(店主は除く)は、
甚平や、浴衣に、着替え。
魔法国家の、お祭りに、行く事になった。

γ「お祭り会場まで、
俺様の、転送魔法で、送ってやるぜ。
行くぜ!魔法国家、ディール!!
ウオオオオアアアア\( 'ω')/アアアアアッッッッ!!!!!」

俺達は、魔法の光に包まれて、
新天地、魔法国家に、向かった……

…………追伸…………

レディに、浴衣を、着せてる最中……

店主「(-ω-;)アレ?この浴衣……
胸の部分が、チョット、はみ出るわねぇ……」

α「私の時は、ピッタリだったのに……。」

女神『少しぐらいなら、
胸が、出てても、別に、良いわよ。それに、
アルファだって、成長期。なんだから、
スグに、大きくなるわよ♡』

α「グッ!愛の力に、胸の大きさなんて、
全然、関係ないんだからね!?」

女神『そうね。
胸の小さい子が好き。って人も居るから、
頑張ってね~。アルファ♡』

α「クソ~!覚えとけよ~~!!
この、牛乳(うしちち)女!?」

女神『なんか、前にも、
同じような事を、聞いた気が……(1話参照)
まぁ、良いわ。気のせいよね。うん。』

α「絶対!
キール様を、振り向かせるんだから!!
あんな、ホルスタイン女なんかに、
私が、負けるかぁ~!!」


第10話中編 終 制作・著作  ━━━━━ きぃえぁ


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