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異世界魔王ライフ、第17話。エーベ村の町おこし(後編)

(前回までのあらすじ)

女神の陰謀で、異世界転生魔王な俺。

色々あって、(1話~16話参照)
俺達は、法教国家、
エーベ村の、町おこしをしていた。

キール(以下俺)と仲間達、
アルファ(以下α)、ベータ(以下β)、
ガンマ(以下γ)、レディ(以下女神)、
シグマ(以下∑)の力を借りて、
村は、昔より、だいぶ良くなった。

後は、この村に、住んで貰える様な、
プレゼンしないとな。

各国のVIPが、視察にくる当日、
ようやく、エーベ村の、改装が終わった。

果たして、上手くいくのだろうか……。


………………エーベ村。特別会議室。………………

各国のVIPが集まる中、
俺と、ベータと、ガンマは、
この村のアピールする為、プレゼンをしていた。

俺『…………と、言うことで、この村の地場産業。
及び、インフラ整備も、整ったので、
皆様。人選を、よろしくお願い致します。』

俺達は、地場産業として、林業、農業栽培。
観光地と、本を作るのに、人材が必要な事。
本を作るにあたって、小説家の著作権問題。
本を、大量生産出来る、機械の、他国への輸出。
その他、こまごました話しを、VIPにしてた。
(16話参照)

VIP「にわかには、信じられませんが……。」

VIP「村が、ここまで、発展してたとは……。
もはや、一大国家並の、街並みだったな。」

VIP「消滅集落を、ここまでやるとは……。
魔王国家、末恐ろしいな。」

VIP「町おこしと聞いて、冷やかしに来たのに。
逆に、来る所を、間違えたかと思ったよ……。」

VIP「これは、我が国家でも、話さないと、
私の、一存では、了解が、出来ませんな……。」

VIPの皆様は、悲喜こもごも、会議してた。

そりゃあそうだ。壊滅寸前の村が、数ヶ月で、
一つの国家の、街並みになったんだから。

そして、今居る、特別会議室も、レディの力で、
出来上がった訳、なんだが。
細かい模様まで、綺麗に仕上がってる。
手抜き一切ナシの、凄い会議室だった。

β「お疲れ様でした。キール様。」

γ「まぁ、初回にしては、上出来だな。」

二人は、俺に話しかけた。

俺『ありがとう。ベータ、ガンマ。
とりあえず、俺の説明は、終わったから、
あとは任せて、
ちょっと、街並みを、見てきて良いか?』

γ「あぁ!キール様は、ずっと、
仕事をしっぱなし、だったからな。
ここは、俺様達に任せて、息抜きしろよ。」

β「そうですよ。
後は、私達で、大丈夫ですから。
他の方の、様子でも見てくれば、良いですよ。
良い気晴らしに、なりますからね。」

お前ら……。最高かよ~!!
これなら、任せられるやんか。

俺『後始末で、申し訳ないけど、
しっかり頼むよ。
後で、美味しい、新作スイーツでも奢るよ。
んじゃ、行ってくる。
なにかあったら、遠慮なく呼んでくれ。』

γ「了解!!」

β「分かりました!!」

こうして、俺は、特別会議室を、後にした……。


………………エーベ村。外の街並み………………

俺『……しかしまぁ、確かに、俺。
町おこしする。とは言ったけどさぁ……。
町おこしの範疇(はんちゅう)を越えてないか?』

なんというか、以前行った、
騎士国家や、魔法国家より、凄い街並みだなぁ。
語彙力(ごいりょく)弱い俺が、例えるなら、
(騎士国家+魔法国家)×2+日本の街並みって感じ
イコール、この村……?。
いや、もはや、村とは言えないだろ?
って街並みだからなぁ。

さて、ブラブラしつつ、
キール散歩と、行くか!!

…………エーベ村(?)大聖堂………………

とりあえず、見える範囲で、
1番大きな建物に、向かった俺。

なんじゃ?この建物は??

なんか、狛犬やら、阿吽(あうん)像やら、
シーサーやら、大仏やら、鳥居やら、
ミロのヴィーナスやら、真実の口やら、
キリスト像やら、スフィンクスやら、
地球上の、有り難い物を寄せ集めたって感じだ。
……センス悪っ!!なんだココは!!

女神『あら、キールじゃない?どうしたの?
そんなに、驚いた顔して、突っ立ってて。』

急に、レディに話しかけられた。

俺『お前さぁ……。なに、この博物館は??』

女神『失礼ね!ここは、私を崇(あが)め称える、
大聖堂に、決まってるじゃない!!
全知全能の私が、
地球にある、崇拝(すうはい)物を持ってきて、
何が、悪いのよ!!』

俺『物にも、限度ってあるだろ!!
これじゃあ、和洋折衷(わようせっちゅう)だろ
とりあえず、博物館とか美術館として、
入場料を取った方が、儲かるんじゃないか?』

女神『そうねぇ……。
本来なら、私を称える大聖堂なんだけど……。
とりあえずは、資金回収の為に、
入場料も、ありよね。(。'-')(。,_,)ウンウン』

資金回収って……。
お前の特殊能力で、作ったんだろうが!!
資金も、クソもあるか!!

女神『んじゃ、私、
今から、富士山を作って来るから。
……そうそう。アルファが、
新作スイーツを、ねこまんま亭で売ってるから、
寄って行きなさい。』

俺『分かったよ。んじゃ行ってくる。』

レディが富士山を作る?
なんか引っかかったが。
俺は、アルファが居る、
宿屋、ねこまんま亭に向かった。

…………エーベ村。ねこまんま亭…………

俺『ここは、今まで通りの所だな。
なんか、実家に帰ってきた様な、安心感がある』

ここは、宿屋、ねこまんま亭。
俺が最初に、たどり着いた村で、
唯一、経営してた宿屋だった。

こうして、良く見てみると、
確かに、建物は古いが、
逆にノスタルジックで、
老舗(しにせ)感が、半端ないな。
コレはコレで、アリだな。
レディの富士山が出来たら、露天風呂で、
眺(なが)めながら、ゆったり入れるな。
アレ?ココって、日本だっけ?(違います)

長話は、この位にして、室内に入るか……。

カランコロンカランコロン♪

ねこまんま亭の扉を開けると、懐かしい音が、
俺の鼓膜(こまく)を、心地よくしてくれた。

α「いらっしゃ~い!!あ、キール様!!
VIPとの会合は、終わったのですか??」

そこに、アルファが、出迎えてくれた。

俺『あぁ、俺の仕事は終わった。あとは、
ベータと、ガンマが、やってくれるってさ。』

α「そうなんだ~。
せっかくだから、食べていってよ。
コレ、自信作なんだ(*`・ω・´)」

そう言うと、数あるメニューの中から、
あるメニューを、指さした。

俺『なるほど、コレかぁ……。
んじゃ、コレひとつ。
あと、適当な飲み物も追加で。』

α「毎度あり~!オーダー入りま~す!!」

そう言うと、厨房に入って行った。

しかしまぁ、内装は、かなり改善してあるな。
古さの中に、新しい内装。
これらが、上手く融合し合って、
良い感じを、醸(かもし)し出してるなぁ。

?「うめーな!!コレもアレも、最高だぜ!!」

なんか、遠くの席が騒がしいな。
しかも、聞き覚えがある声だ。

?「いやぁ~。魔王城から、抜け出してきた、
甲斐(かい)が、あったってもんよ♡
美味い、美味い。( ゚д゚)ンマッ!」

俺『……。をい!コピーガンマ(以下コピーγ)!。
魔王城の管理は、どうしたんだよ!?』

コピーγ「キール様!……あぁ。いやな。今日、
ここに、VIPが集まる、って聞いてよォ……。
さすがに、VIP不在では、
魔王城に、攻めこもうって奴も、居ないし、
仮に居ても、部下達なら、対処出来るから、
任せてきた。( •̀ω•́ )✧(*´༥`*)ウマウマ」

俺『なんで、俺の部下達は、
こんなに、自分勝手なんだろ……?』

コピーγ「それは(モグモグ)魔王様が(モグモグ)
自分勝手に(モグモグ)動いてるから(モグモグ)。
じゃないか?(モグモグ)自業自得だぜ?(モグモグ)」

……クソッ!当たってるだけに、言い返せない。

俺『この事は、他のヤツら(特にシグマ)には、
黙っておいてやるから、
食ったあと、露天風呂入って、土産買って、
魔王城に、帰れ。(・∀・)カエレ!!』

コピーγ「あぁ、元より、そのつもりだよ。
この村を、たっぷり堪能(たんのう)したら、
魔王城に、戻るさ(モグモグ)」

俺『それじゃあな。
俺は、あっちの席で、オーダーを待ってるから、魔王城に、なんかあったら、連絡しろよ?』

コピーγ「ふぁ~い。(モグモグ)」

そう言うと、俺は、さっき居た席に戻って、
オーダーを待っていた。

α「おまたせ~!
ジャンボ、デラックス、MAX、デリシャス、
スーパー、ハイパー、ミラクル
マシマシ、パフェ。お待ちどうさま!!
あと、追加の、クリームソーダです。
ごゆっくりどうぞ~!!」

俺の前に、異様なデカさのパフェが出てきた。
中身は……。俺の知る限りの、甘い食べ物や、
果物とかが、沢山入ってるなぁ。

食いきれるかなぁ……。コレ。

俺はジャンボ(以下略)パフェに、闘いを挑んだ。

α「あっ。そういえば、キール様。」

アルファが、突然聞いてきた。

俺『なんだ?(モグモグ格闘中)』

α「シグマが、地下整備が、終わったって。」

俺『そうか、それは大変だったな(モグモグ)』

?「フォッフォッフォ。
ワシにかかれば、動作もない事よ。」

俺、α「シグマ!?」

気がつくと、俺の目の前に、シグマが座ってた。

∑「ワシに、渋いお茶と、和菓子とやらを、
持ってきてくれんかのぉ?アルファ。」

α「分かったわ。今作るから、待っててね。」

そう言うと、アルファは、厨房に去っていった。

∑「こうやって、面と向かって話しをするのは、
魔王城以来、でしょうかのぅ。キール様。」

俺『そうだな。アレ以来だな(1、2話参照)』

∑「キール様が、旅立ってから、
色々と、変化が、起こりましたなぁ。」

そう言うと、シグマが語り出した。

∑「アルファは、男勝りの強気な奴だったが、
最近は、女らしくイキイキしてる。」

∑「ベータは、内気で、
動物と、話ししか、しなかったが、
最近では、キール殿のサポートまで、
任させる様になった。」

∑「ガンマはガンマで、一人で、勝気な性格は、元々あったが、今は、仲間と協力し合える程、
成長してる。」

∑「コピーガンマも、魔王城の場内の仕事を、
完璧にこなしておる。
……まぁ、今回、逃げ出した事には、
目を瞑(つむ)るがのぅ(笑)」

バレてるゾ!コピーガンマ!!
早く逃げろ!!

∑「……そして、キール殿。あなた様は、
魔王城に居た時よりも、ずっと成長しておる。
昔は、ヤル気が、無かったのが、
今では、自(みずか)ら、動いてなさってる。」

∑「かく言うワシも、
そんな、みんなに、感化されて、
魔王様の、最高幹部なのに、
町おこしを、した訳なんじゃがな(笑)」

俺『シグマ……。』

∑「これも全部、キール殿の責任ですぞ!!
責任をもって、ワシら幹部を、
もっと楽しませるのじゃ!!(^ ▽︎ ^)」

楽しませるって……。俺、何もしてないけど……。

俺『分かった。
俺が、責任をもって、仲間達を、楽しませよう。
だから、旅は、続けて良いよな??。』

∑「ワシが、ダメと言っても、抜け出すじゃろ?それでは、部下への示しが、つかなくなるから、黙認(もくにん)で良いな?キール殿。」

俺『それで良い。ありがとうな。シグマ。』

∑「まったく、
このキール様には、苦労が、絶えませんなぁ。
魔王城は、ワシに任せて、行ってくるが良い!」

俺『よし。これで、フリーになったゾ。』

∑「んじゃ、ワシは、
露天風呂に行って、土産買って、
魔王城に戻りますかのぅ。
では、先に失礼するゾ。」

そう言うと、シグマは、去っていった。

α「和菓子と、お茶、お待ちどう……。
って、シグマは?どこ行ったの??」

俺『魔王城に、帰るってよ。(モグモグ格闘中)』

α「えー!!んじゃ、この和菓子も、
キール様が、食べてください!!
私からの、サービスって事で。」

……このジャンボ(以下略)パフェと、和菓子かぁ。本当に、食い切れるのか?俺。
それとも、お腹が、ギブアップか?
負けられない闘いが、今、始まった(笑)


こうして、エーベ村の、町おこしは、
見事な大成功に終わった。
後に、食べきれなくて、ぶっ倒れる俺。
そして、その、ほとんど残ってたパフェを、
ペロリと平らげた、アルファ。
あと、露天風呂で、ばったり出くわして、
シグマに、大目玉を食らう、コピーガンマ。
三者三様。
それぞれが、この長い1日を過ごしたそうな。

次は、久しぶりに、
魔王城にでも戻って、ゆっくりするか。


…………追記…………

…………特別会議室。会議終了…………

γ「やっと´Д`)ヤット‥終わったぜ~!!
おつかれ~!ベータ。」

β「……終わりましたね。お疲れ様でした。
ガンマ。キール様が、ある程度、
話しを進めたから、
私達は、後始末だけでしたね。」

γ「……にしても、VIPなだけあって、
堅物な奴ばかりだったな。俺様も、疲れたぜ~。」

β「それは、仕方ないでしょう。
町おこしだと、来てみたら、
実は、一大プロジェクト。だったんですから。
VIPの人達も、返答に困るでしょうな。」

γ「あぁ、逆の立場だったら、恐い話しだよな。」

β「そうですよ。
でも、まぁ、成功したんだから、
良いじゃないですか。
今夜は、打ち上げでも、しませんか?
キール様も、誘って。」

γ「それ良いね~。どうせなら、みんな誘って、
派手に、ぶちかまそうぜ!!」

β「分かりました。
動物を使って、皆様に連絡します。」

γ「……なぁ、以前も、動物を使って、
連絡した時が、あったよなぁ。」

β「えぇ。高速鳩の事ですか?(7話参照)」

γ「お前、あの時、鳩に、
手紙を括(くく)り付けただろ?
アレなぁ、紙がちぎれて、読めなかったゾ。
仕方ないから、鳩の後を、付いていったから、
法廷に、遅れたんだよ。」

β「そういう事だったんですね。
どうりで、転送魔法で、
すぐ来なかったか、理由が分かりました。」

γ「おかげで、俺様は、疲れて、汗びっしょり。
法廷の内容は、何となく、空気で察したから、
キール様達に、任せたけどな。(8話参照)」

β「あれは、ヤル気が、無かったのでは無くて、
疲れ、だったんですね。それは申し訳ない。」

γ「まぁ、おかげで、
ピンチに現れる、ヒーローになれたから。
俺様的には、満足だぜ。( ¯﹀¯ )」

β「結果オーライでしたね。でも、アレ、
本当に、間に合わなかったら、最悪でしたよ。」

γ「そんときは、ベータのせいにして、
逃げるつもり、だったんだがな(笑)」

β「それはヒドイですね(笑)
元より、逃げる気など、無かったクセに。」

γ「あぁ。キール様を助ける。
これが、幹部である、俺達の仕事だからな。」

β「……ですね。それじゃあ、打ち上げ会場は、
ねこまんま亭で、やりますか!!」

β、γ「( ̄0 ̄)/ オォー!!」

こうして、夜中、ねこまんま亭にて、
みんな揃って、打ち上げをするのであった……。

第17話 終 制作・著作  ━━━━━    きぃえぁ


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