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異世界魔王ライフ。第二章。第一話、勇者誕生?

??『……きなさい。起きなさい、勇者よ。』

?「う……うーん……。」

私は目を覚まし、ゆっくりと起き上がった。

??『ようやく、目覚めましたね……。
……アレ?居ないわねぇ??』

?「下、下だよ!!目線下げて!!」

目の前の人が、目線を下げると、

??『……あら、失礼。気が付きませんでした。』

?「背が小さくて、悪かったな!!
……それより、ココは、どこなんだ??」

??『ココは、人間界で言う所の、天界です。
そして、私は、女神です。
ご理解頂けましたか?納豆菌さん。』

?「納豆菌じゃない!!
私の名前は、夏刻(ナツトキ)だ!!」

女神『納豆菌でも、ナットーキンでも、
この際、どうでも良いのですよ。』

夏刻「どうでも良くない!!」

私はツッコミをしたが、女神の話しは続いた。

女神『貴方は前世で、良い行いをしました。
しかし、不慮(ふりょ)の事故によって、
短い人生が、終わりました。』

夏刻「私は、幼い子供をかばって、
そのまま死んだのか……。」

女神『本来なら、天国へ行って、
死後の、ゆっくりライフを、
楽しんで頂きたい。のですが……。』

夏刻「が?」

女神『予定が、変わりました。
貴方には、異世界転生勇者に、なって頂きます。』

夏刻「……え?」

女神『異世界フロンティアでは、
先に、魔王となったキールが、
騎士国家と魔法国家のVIPとのパイプを持ち、
法教国家の裏組織との不可侵条約を結びました。
この事で、魔王国家一強時代になったのです。』

夏刻「……凄いな、キールって魔王は。」

女神『そこで、貴方の出番です。
騎士国家と魔法国家とのパイプ役になり、
両国家の安定を持たらし、
法教国家を、魔王国家から取り戻して下さい。』

夏刻「ずいぶん、スケールの大きい話しだな。
それって、魔王を倒せば済むんじゃないのか?」

女神『……それは、ほぼ不可能です。
魔王軍配下に、龍族。強力な幹部達。
……そして、オリジナル女神も居ますし。(コッソリ)
とにかく、魔王国家との対立だけは、
絶対、ゼーッタイ、やめてください!!』

今、サラッと、何か言わなかったか??
……ってかラスボス倒さない勇者って何なんよ。

女神『って訳で、貴方は魔王国家の妨害専門。
として、異世界に行って頂きます。』

夏刻「魔王国家への嫌がらせ……。
何か、嫌なんですけど、私。」

女神『勇者って存在自体が、
魔王への嫌がらせだから、良いのよ。
普通の人なら、勇者。って言われた時点で、
ヒャッハアアアァァァァァアア!!!!!って喜ぶ所よ。普通は。』

夏刻「そうなんだ。興味無いなぁ。
プロ野球選手とか、地方公務員の方が嬉しい。」

女神『そんな貴方に、特別に私から、
特殊能力をプレゼントするわよ。
その名は「スイッチジョブ」!!
異世界で好きな職業になれる、
超便利な特殊能力。
今なら、初期状態「魔法騎士」も、
オマケで、付いて来ます!!』

夏刻「そんな、
深夜の通販番組のテンションで言われても……。」

女神『さらにさらに!!今、お申し込みすると、
守護獣「モコナ」も付いてくる!!
お電話は今すぐ!!電話番号は、070……』

夏刻「それ、私の携帯番号!!
分かった、分かったから。
勇者でも、何でもやるから勘弁して。」

女神『最初っから、そう言えば良いのよ。』

夏刻「女神が、民間人を脅してるクセに……。」

女神『何か言った??』

夏刻「……なんでも無いです。」

これ以上、反論したら、
何言われるか、分かったモンじゃない。
悔しいが、黙っておこう。

女神『何か質問ある??』

夏刻「質問が、あり過ぎて、
困ってるんだけど……。」

女神『困った時は、
モコナか、私に聞くと良いわ。』

夏刻「守護獣、付いてくるのか。
てっきり、通販番組のノリかと思ってた。」

女神『返品不可です。ちゃんと面倒見る様に。』

夏刻「……ちなみに、どんな守護獣なんだ??」

ワンチャンスで、
強い守護獣なら、戦闘が楽になる。
そんな、淡い期待をしてたけど……。

女神『ペンギン。』

夏刻「……は?」

女神『ペンギンよ、ペ・ン・ギ・ン!!
もしかして、知らないの!!』

夏刻「知ってるよ!!
ってか、異世界ペンギンなんて聞いた事無いぞ。
使えんのか、コイツ。」

女神『使えるわよ!癒し系マスコットとしてね。』

夏刻「異世界に、癒しを求めるなぁ~~!!!」

この時点で、異世界ペンギンが、
戦力にならない事が、証明された。

女神『それと、勇者って、職業じゃないから。
魔法騎士として、頑張りなさい。』

夏刻「そうなんだ。初めて知った。」

女神『勇者とか英雄って、
周りの人が勝手に呼ぶ名称で、職業では無いわ。』

夏刻「んじゃ、ド〇クエの勇者って、
フリーターだったんだ……。」

女神『そうなるわね。』

フリーターが世界を救う。
それはそれで、凄い話しになりそうだけど。

女神『あと、他人の家の壺を壊したり、
タンス開けたりして、窃盗しない事。
モンスターは仲間じゃない。
スライムは雑魚じゃない。これくらいかしら。』

夏刻「ドラ〇エファンから、怒られろ。」

女神『なによ。これくらい常識じゃない。
あと、教会に行っても生き返らないし、
宿屋で一晩寝ても、全回復しないわよ。』

夏刻「それ以上は、やめてあげて……。
ドラク〇ファンから、嫌われる……。」

女神『もっと、言いたい事あるのに……。
あとね~……。』

夏刻「そ、それよりも、
異世界の世界観は、どうなってるんだ?」

私は、話しを変える事にした。

女神『そうねぇ……。大きな国家は四つ。
騎士国家と魔法国家、法教国家と魔王国家ね。
騎士国家と魔法国家は、互いに毛嫌いしてて、
法教国家は、富と権力の所。
魔王国家は、キールを魔王とした一強国家よ。』

夏刻「なるほろー。」

女神『最初は、魔王国家に魔王が居なくて、
国を守るので手一杯だった。
しかし、異世界転生魔王キールが来てから、
状況が一変して、最大勢力になったわ。』

夏刻「ちょっと待って、
キールって、異世界転生者だったのか。」

女神『そうよ。オリジナル女神が送り出した、
異世界転生魔王よ。』

夏刻「えっ?貴方が送ったの??」

女神『正確には違うわ。私はコピー。
本物の女神は、異世界で、楽しく過ごしてるわ。
なんて羨ましい……じゃなくて、職務怠慢よ!!
こんな大変な仕事、押し付けやがって!!!
だから、私、誓ったのよ。
こんな世界、壊してやる~~~!!って。』

夏刻「だから、勇者を送り込むのか……。
普通、逆じゃね??
魔物を送り込むなら、分かるけど。」

女神『魔物を送り込んだって、
今の魔王国家を潰すのは、不可能なの。
それくらい、相手は強力なカードが揃ってるわ。
魔王国家には。だから、勇者の力が必要なのよ。』

夏刻「女神の痴話喧嘩に、私を巻き込むな。
勝手にやってろ。」

女神『そうは行かないわ!!
貴方を強制的に、異世界に飛ばします!!
そして、私の力に、なりなさい~~!!』

そう言うと、私は、異世界に飛ばされた。

夏刻「拒否権無しかよ~~…………。!!!」

私の声は、むなしく響いた。

女神『……オリジナル女神。
雌雄(しゆう)を決する時が、来たわよ。』

女神は、ひとり、呟いた。

こうして、無理やり異世界に飛ばされた私。

女神同士の闘いは、キールと私という、

代理戦争となっていった。のであった……。

第二章。第一話 終 制作・著作  ━━━  きぃえぁ





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