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異世界魔王ライフ。第36話。魔王と、アルファの里帰り(後編)

(前回のあらすじ)

異世界魔王になった、キール(以下俺)。

色々あって(35話まで参照)、
俺と、アルファ(以下α)は、
アルファの故郷、
魔法国家ディールに、里帰りした。

しかし、メイド長(以下ケーキ)の策略で、
アルファは負傷し、気絶した。

その後、俺と、コピーガンマ(以下コピーγ)と、
シルバー・アルセーヌ(以下シルバー)
の即席チームと魔物達との、
三対三の、バトルになったのだった。

…………イーデン家。アルファの部屋…………

コピーγ「いくぜ!オラオラァ!!」

俺『ちょ……。邪魔……。』

シルバー「私の、邪魔をしないで下さい。」

コピーγ「お前らが、邪魔なんだよ!!」

個々の力は、確かに強い。
ただ、お互いに初絡みのせいで、力が出せない。

メイド長(以下ケーキ)「どうしましたか?
その程度では、私達には、勝てませんよ!!」

一方の魔物達は、メイド長をリーダーとして、
連携プレーで、攻めてくる。

俺『グハッ!!』

コピーγ「ガハッ!!」

シルバー「グッ!!」

俺達の攻撃の隙(すき)を付いて、
敵の攻撃が、皆に当たった。

俺『……参ったなぁ、こりゃあ。』

コピーγ「あんな、雑魚相手に……。」

シルバー「敵ながら見事な、連携プレーです。」

みんな、分かっていた。
個人プレーで、勝てる相手では無いと。

しかし、各人のプライドというか、
信頼関係が無い状態で、連携して闘え。
ってのは、なかなか難しい問題なんだよ。

ケーキ「ホラホラ!!まだまだ行きますよ!!」

魔物達の攻撃が、じわじわと、
俺達を、追い詰めていた。

コピーγ「マズイなぁ……。」

シルバー「このままだと……。」

俺『俺達が、負けr……。』

その時だった。

α「みんな、負けないで!!
特殊能力「言わざる者〈改〉」!!」

アルファは、人にあらず者に姿を変え、
魔物達を飲み込んた。

α「……忘れないで、
あなた達の倒す相手は、仲間じゃなくて、
目の前の魔物達だ。って事を……。」

アルファの、捨て身の攻撃は、
みんなの目を覚ますのには、十分だった。

コピーγ「……そうだったな。」

シルバー「女性1人、守れずに……。」

俺『言い争ってる場合じゃないな……。』

俺達の心は、一つになった。

コピーγ「先手は、俺様が行くぜ!
特殊能力「見えざる者〈呪〉」!!」

コピーガンマの特殊能力で、
魔物達の動きが止まった。

コピーγ「後は、任せたぞ!!」

シルバー「次は、私が行きます!!
特殊能力「ドレインタッチ」!!」

シルバー・アルセーヌの特殊能力で、
魔物達の攻撃を無力化した。

シルバー「美味しい所を持って行かれるのは、
悔しいですが、任せましたよ!!」

俺『みんなの気持ちは、確かに受け取った!!
特殊能力「発案者」!魔物達を、消しされ~!』

ケーキ達「そ、そんなバカなぁ~~!!」

俺の特殊能力「発案者」が、
魔物達を、全て消し去った。

俺『や、やった……か……?』

コピーγ「やった……」

シルバー「みたい……ですね……。」

俺達は、勝利した事で緊張が取れ、
そのまま、気絶した……。

…………イーデン家。客人の間…………

俺『……う、うーん。』

俺は、目を覚ました。
先程の、闘った場所では無い、違う部屋だった。

コピーγ「おっ。ようやく起きたか。」

シルバー「あなたが、最後に起きましたか。」

他の二人は、既に、目を覚まして居た様だ。

俺『丁度いい。二人に、色々聞きたかったんだ。
まずは、コピーガンマ、何でココに居るんだ?』

コピーγ「全ては、
シグマ(以下∑)の、仮定から始まったんだよ。
キール様が、過去を変えた事による、
弊害(へいがい)が、起きるのではないか?てな。」

俺『弊害?』

コピーγ「あぁ。本来なら、
生きてない人達が生きてる事の、
過去からの、改ざんよ。」

俺『つまり、アルファの両親、
及び、アルファの人生か……。』

コピーγ「そういう事だ。
野盗に襲われた事で、アルファが存在してる。
逆を言えば、襲われてないなら、
アルファは、存在しない。」

シルバー「しかし、彼女は、存在してる……と。」

コピーγ「だからシグマから、秘密裏で、
この事の調査を、依頼されていたんだよ。」

シルバー「この先は、私が説明しましょう。
私は、時の宝珠について、調べていました。」

俺『時の宝珠?』

シルバー「えぇ。あなたが壊した時の宝珠です。
以前、祖父ゴールド・アルセーヌが、
時の歪(ゆが)みを倒せなかった。
と、言いましたよね?」

俺『言ってたな。』

シルバー「それだと、矛盾が起きるのです。」

コピーγ「時の宝珠を二回使った。って事か……。」

俺『でも、アレって、
一回使いっきりの、アイテムだったよな?』

シルバー「そうなんですよ。
その事実を知ったのは、
前回の闘い(34話参照)の後、なんです。
それで私は、もう一度、時の宝珠を調べました。」

コピーγ「どっちかが、偽物なんじゃないか?」

シルバー「それは無いです。
ゴールド・アルセーヌが、
時の宝珠を使った理由は、私なんですから。」

俺『どういう事だ?』

シルバー「祖父ゴールド・アルセーヌが、
過去をさかのぼり、私を助けたからです。
そして、時の歪みに負けて、他界したのです。」

コピーγ「だから、
時の宝珠に、執着があったのか。」

シルバー「えぇ。
同じ過ちを、繰り返さない様にね。」

俺『そうだったのか……。』

シルバー「話しを戻しますと、
時の宝珠は、一つしか存在しない。
しかし、二回使われてる。その事を調べました。
その結果、一つの結論が出ました。
対(つい)となる、もうひとつの宝珠の存在に。」

俺、コピーγ『もうひとつの宝珠??』

シルバー「その名前は「夢魔の宝珠」。
願った者の「欲望」を喰らい、
叶えた者の「希望」を喰らう宝珠です。」

コピーγ『それって、呪われたアイテムだよな。
使う人って、居るのか?』

シルバー「確かに呪われてますが、
その力は、時の宝珠以上と言われてます。
姿形は、時の宝珠と同じなので、
一見しただけでは分からない。との事でした。」

俺『つまり、
俺か、ゴールド・アルセーヌが使ったのが、
その、夢魔の宝珠って事か。』

シルバー「……そうなりますね。
しかし、今回の事で、ハッキリしました。
夢魔の宝珠を使ったのは……


……あなたですよ。キール。」

俺は、突然の言葉に、固まった。

コピーγ「なんで、そうなるんだ!?」

シルバー「夢魔の宝珠は、
願う人、叶った人に被害が及びます。
しかし、この世界には干渉しないんです。
だから、彼女が存在するのです。」

コピーγ「だから、アルファが存在したのか……。」

シルバー「時の宝珠なら、それは不可能です。
時の干渉によって、
彼女の存在自体が、消えますからね。
しかし、
夢魔の宝珠が、時の干渉が無いとはいえ、
過去を変える事には、変わりありません。
過去の因果を、先延ばしにした。
って言い方が、正しいのかもしれないですね。」

俺『俺達は、ソイツらを倒した。って事は……。』

コピーγ「……呪いは、無くなった。って事か。」

シルバー「……そういう事に、なりますね。」

俺『……逆に良かったわ。
俺が、夢魔の宝珠を使って。』

シルバー「……そうですね。」

コピーγ「……俺達だから、
呪いに、勝てたんだもんなぁ。」

俺達は、互いの顔を見合って笑った。
盛大に笑った。

シルバー「……さて、私は、
彼女の両親を、連れてきます。
では、また会いましょう。」

そう言い残すと、シルバー・アルセーヌは、
風と共に去っていった。

俺『そういえば……、
アルファは、どうなったんだ??』

コピーγ「アイツは無事だよ。
まだ寝てると思うから、
キール様のKissで、起こして来いよ。(ニヤニヤ)」

俺『なんで、そうなるんだよ~!!』

α「……なんか言った??」

俺の後ろに、アルファが居て、びっくりした!!

コピーγ「あのなぁ……。(ヒソヒソ)」

コピーガンマは、アルファに耳打ちした。

α「……うんうん。なるほど。なるほど。
私、今から寝てくるから、Kissで起こしてね♡」

俺『しねーよ!!!!絶対!!!』

……こうして、魔物達を倒し、
この後、アルファの両親と、色々あった事は、
また、次の機会があったら、話す……のか、俺?

まぁ、アルファと両親が、無事だったし、
義賊シルバー・アルセーヌとは、
まだ何かで、出会えそうな気がするし、
とりあえずは、一件落着。って事で。

……そういえば、コピーガンマのヤツ。
俺が、アルファの両親と揉めてたのに、
さっさと帰りやがったな。後で覚えてろよ!!

……てな感じで、
これからも続くと思うので、よろしくな。
読者のみんな。またな~!!

36話。後編 終 制作・著作  ━━━━━   きぃえぁ



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