異世界魔王ライフ。第35話。魔王と、アルファの里帰り(前編)
(前回までのあらすじ)
異世界魔王をやってるキール(以下俺)。
色々あって(34まで参照)、
俺達は魔王城で、マッタリと過ごしていた。
そんな、ある日のこと……。
…………魔王城。幹部達の間…………
アルファ(以下α)「……ねぇねぇ。キール様。」
魔王軍幹部のアルファが、俺に声をかけてきた。
俺『ん?どうした?アルファ。』
α「これから、
ディールに、里帰りしたいんだけど。」
俺『魔法国家ディールか。(11話参照)
どうせヒマなんだし、行ってきな。
お土産、待ってるよ。』
俺が、そう言うと、何故かムッとした顔をして、
α「キール様の鈍感!!そうじゃなくて!!
キール様も、付いてきてください~!!」
って、怒られた。
俺『はぁ?なんでだよ。1人で行けるだろ??。』
俺は、言い返した。
α「キール様のおかげで、
両親が、生き返った訳だし。
お礼がしたいのよ~!!それに……。」
俺『それに?』
α「1人では、帰れないのよ……。(ボソッ)」
俺『なんでだよ。
転送魔法で、パパッ。と行ってくるだけだろ?』
α「とにかく!キール様も、来てください~!。」
コピー魔王(以下元魔王)「……さっきっから、
痴話喧嘩してんじゃねーよ。うるさいなぁ。」
俺の隣りで座ってる、コピー魔王が言った。
俺『痴話喧嘩ちゃうわ!!』
俺はツッこんだ。が、
元魔王「以前、アルファに助けて貰ったんだろ?罪滅ぼしに、行ってやれよ。ブラザー。」
俺『それは、そうなんだが……。』
確かに、夢の世界(32話参照)では、
アルファに、助けて貰った。けどなぁ……。
元魔王「アルファだって、お願いしてるんだぞ。ブラザーが行かないと、うるさくて、たまらん。」
その言葉に、他の幹部達は、
ガンマ(以下γ)「行ってこいよ!キール様。」
シグマ(以下∑)「コピー魔王も、居る事じゃし。」
ベータ(以下β)「魔王城は、
私達で、大丈夫ですから。行ってらっしゃい。」
と、誰も、俺の味方を、してくれなかった。
α「みんなも、ああ言ってるんだし、
行きましょ!!キール様~!!」
アルファも、ヤル気満々で言ってきた。
俺『はぁ……。分かった、分かったよ!!。
行けば良いんだろ!行けば!!。』
俺は、白旗を上げて、叫んだ。
α「ヤッター!!
んじゃ、キール様を、連れてくねー。」
元魔王&幹部達「お土産、待ってるぞー。」
俺『お前ら、覚えとけよ~!!』
俺は、アルファに、首根っこを掴まれて、
転送魔法で、しぶしぶ、
魔法国家ディールに、やって来た。
…………魔法国家ディール…………
α「着いたわ。懐かしいわね~。」
俺『コレが、普段の、魔法国家ディールか……。』
前に来た時は、
お祭りだったから分からなかったが、
なんて言うか、普段の生活に魔法を取り込んだ。
そんな感じの街だった。
α「私の実家は、コッチよ。早く行きましょ!」
アルファは、俺の手を掴み、引っ張ってく。
俺『お、おい。まだ、心の準備が……。』
α「そんなモン、どうでも良いのよ!!
行くわよ~!!」
俺の気持ちが、そんなモン扱いされながら、
足早に、アルファの実家に向かった。
…………イーデン家。玄関…………
そこには、立派なお屋敷って感じの、
でっかい建物が建っていた。
α「着いたわ!!」
俺『……お前ん家、凄かったんだな。』
α「当たり前よ!イーデン家と言えば、
有名な、上流貴族だからね!!」
アルファは、胸を張った。
相変わらずアルファって、胸が無いよなぁ……。
とか考えてると、
?「お帰りなさいませ。キメラファエルお嬢様。」
?「ワンワン!!」
家から、メイド服の人と、大きな犬が出てきた。
大きな犬は、アルファの顔をペロペロ舐めてる。
α「紹介するわ。メイド長のケーキと、
ブリリアントハスキーコリーの、ミィよ。」
俺『ブリ……何だって?』
長ったらしくて、覚えられない。
α「ケーキと、ミィで良いわよ。
こちら、私が世話になってる、キール様よ。」
メイド長(以下ケーキ)「初めまして、キール様。
私はメイド長をしています、ケーキと申します。」
犬(以下ミィ)「ワンワン!!」
どうやら、
メイド長と犬は、俺を歓迎してる様だ。
俺『あ、初めまして。俺は、キールと言います。
よろしく、お願いいたします。』
俺も、釣られて丁寧な挨拶をした。
α「さぁ、行きましょ!キール様!!」
こうして、また、アルファに引っ張られて、
屋敷内に、入って行った。
…………イーデン家。廊下…………
α「ここが私の部屋よ。入って!!」
そう言うと、ドアを豪快に開けた。
?「あら?お客様かしら?
ケーキ。扉は、静かに開けなさい。」
そこには、既に先客が居た。
α「えっ……?」
?「えっ……?」
俺は、驚いた。
だって、目の前には……。
α「あなたは、誰なのよ!?」
?「それは、こっちのセリフですわ!!
あなたは、誰なんですの!?」
もう1人の、アルファが、居たからだ。
ケーキ「私から、説明しますわ。」
メイド長が、俺の後ろから現れた。
ケーキ「過去にイーデン家が野盗に襲われた時、
何者かの手により、未遂に終わりました。」
俺『それって、俺が、助けたヤツか……。』
確か、時の宝珠で、過去をさかのぼり、
俺が、野盗を退治したんだっけ(30話参照)。
ケーキ「そうです。
あの時は、失敗しましたが……。」
そう言うと、メイド長は表情を変え、
ケーキ「全てのピースが揃った今、
あの時の恨みを、返して頂きます!!」
メイド長の鋭い攻撃が、俺を狙った!!
?「おっと。そうは、させないぜ!!」
何者かが、俺を守った。
俺『コピーガンマ(以下コピーγ)!何故ココに。』
コピーγ「間に合ったぜ。
シグマのジジイの、言う通りだったな。
説明は後だ!!コイツらを、やっつけるぞ!!」
ケーキ「また、邪魔をするか!!
お前ら、殺ってしまいなさい!!」
そう言うと、大きな犬は魔獣となり、
もう1人の偽アルファは、化け物に変化して、
それぞれ、襲いかかった。
俺は、魔獣の攻撃をかわしたが、
アルファは、思考が追いつかないのか、
化け物の攻撃を、避け切れなかった。
α「ガハッ!!」
アルファは、モロにダメージを食らった。
俺『アルファ~~!!』
俺は、大声で叫んだ。
α「だい……じょうぶよ……。
魔王軍の幹部が……これぐらいで……。」
アルファは、何とか持ちこたえてはいるが、
重症なのは、見て分かる。
ケーキ「アハハハハ!!
これで、イーデン家は滅亡するわ。
後は、あなたよ!キール!!」
マズイ。数の上では不利だ。
ましてや、
アルファを、かばいながらの闘いとなると……。
俺とコピーガンマは、敵の攻撃を払い、
アルファを助けようとしたが、間に合わない!!
化け物の攻撃が、アルファに来る!!
しかし、
?「やはり、そうでしたか。」
第三者の手により、その攻撃は当たらなかった。
ケーキ「お前は、誰だ!?」
俺達も、見覚えが無い。
ただ、雰囲気は、どこかで知ってるヤツだった。
?「ご挨拶が、遅れました。
私は、シルバー・アルセーヌ(以下シルバー)。
キメラファエル穣。両親は、無事ですよ。」
そう言うとアルファは、安心した顔をして、
α「それは……良かった……。(パタリ)」
アルファは、気絶した。
ケーキ「ど、どうして、
義賊シルバー・アルセーヌが、
ここに居るのよ!!」
俺達も、それは思った。
シルバー「色々と調べましたら、
ココに、行き着きましてね。
それに、シルバー家には、
個人的な、借りも有りましたし。」
理由はともかく、コレで、人数的には五分五分。
コピー魔王と同等の強さがある、
シルバー・アルセーヌなら、
アルファを、任せられるな。
俺『なんか分からないけど、
次は、こっちのターンだ!!
行くぞ!お前ら!!。』
コピーγ「おおよ!!や~ってやるぜ~!!」
シルバー「足でまといに、ならないで下さいね。」
俺『誰に言ってんだ!やってやるぜ!!』
こうして、即席チームとなった俺達と、
魔物達による、三対三の闘いが始まった……。
35話。前編 終 制作・著作 ━━━━━ きぃえぁ
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