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異世界魔王ライフ、第8話。シーズの街裁判(後編)

(前日までのあらすじ)

女神の陰謀で、異世界転生魔王になった俺。
色々あって、(1話~6話参照)
ベータ(以下β)の故郷。
騎士国家、シーズの街に着いた。

そこで、使ってはいけない、魔法を、
不可抗力とはいえ、使ってしまった事で、
アルファ(以下α)が、
魔女裁判に、かけられる事になった。

もし、魔女裁判に負ければ、極刑もあるらしい。

魔女裁判に、負ける訳にはいかない。
そこで、キール(以下俺)と、ベータは、
ガンマ(以下γ)に、弁護を依頼した。
しかし、まだ、ガンマは、着いていない。
頼む。判決が決まる前に、間に合ってくれ!!

…………シーズの街、裁判所。裁判当日。……………

俺『ついに、この日が来たか。』

β「来ましたね。とうとうこの日が。」

α「来たわね。魔女裁判の日が。」

とりあえず、今居るのは、
俺、アルファ、ベータの3人だけか。

俺『ガンマとの連絡は、どうなってるんだ?』

β「こちらに向かってる。との事。
それまでは、
私達で、乗り越えないと、いけません。」

α「最悪、極刑でも、逃げればセーフだよね?」

β「その場合は、騎士国家が、大義名分で、
魔王国家を、潰しに掛かる。でしょうな。」

α「こっちだって、不可抗力なんだから、
殺っちゃって、良いよね?キール様。」

俺『止めろ。アルファのせいで、
無駄な死者を、出したくない。
ここは、全力で、無罪を、勝ち取るぞ!!』

α、β「オオォォォ!!(゚ロ゚*)(゚ロ゚*)」

………………シーズの街。法廷。………………

裁判長「では、これより、
被告人アルファ氏の、魔女裁判を、行う!」

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裁判長「静粛に!!被告人、前に、出なさい。」

α「何か、裁判長。ムカつくから、殺って良い?」

アルファは、今にも、魔法を打とうとしてた。

β「それだけは、止めてください!。
ただでさえ、魔王国家って事で、裁判長の、
心象(しんしょう)が、悪いんですから。」

俺『コレ以上、状況を、悪化させるなよ。
頼むから。魔法は、止めろよ。』

α「……(´Д`)ハァ…分かったわ。」

アルファは、しぶしぶ、納得してくれた様だ。
魔法を打つのを、やめた。

裁判長「被告人!、前へ!!」

α「ハイハイ。分かりましたよ~。
行けば良いんでしょ!行けば!!」

そう言うと、アルファは、
裁判長の前、被告人の場所に行った。

裁判長「返事は1回です!
……被告人は、馬車に、火の魔法を放った。
間違い、ありませんね。」

α「それは、不可抗力(ふかこうりょく)で……」

裁判長「私は、馬車に、火の魔法を、
放ったのかを、聞いています。
間違い、ありませんか?」

α「はい。間違い、ありません……。」

この言葉を言って、不機嫌な顔で、
アルファは、黙ってしまった。
どうやら、この場は、
俺とベータに、任せる様だ。

裁判長「聞く所によると、
あなたは、魔王国家の幹部。
だったそうですね?」

β『\(・_・)異議あり!!
それは、今回の事件とは、関係ありません!!』

ベータが、発言した。

なるほど、この流れは、
転生前の、日本の法廷に似てる。
確か、転生前に、やってたゲームに、似てるな。
これなら、多分、参加出来るな。
ダメ元で、俺も、
チャンスがあったら、やってみるか。

裁判長「異議を、却下します。
魔王国家と、騎士国家は、対立しています。
国家転覆罪の可能性が、あるからです。」

俺「\(・_・)異議あり!!
魔王国家が、騎士国家を、
国家転覆させる理由が、ありません!!」

発言したけど、多分。合ってるよな?
俺は、横にいる、ベータを見た。
ベータは、無言で、うなづいた。大丈夫そうだ。

裁判長「国家転覆罪の理由ですか。
それは、馬車を運転してた、
大富豪。アクドイ・カネスキー氏の、息子を、
火の魔法で、殺害しようとしたから。です。」

β『\(・_・)異議あり!!
それは、被害者が、暴走馬車で、
被告人を、轢(ひ)き殺そうとした為、
とっさの判断で、自分の命を、守った事なので、
正当防衛です!!』

裁判長「そうなのですかな?
被害人。アクドイ・スネオ(以下被害人)氏。」

被害人「そんな事は無い!被告人が!アイツが!
いきなり、俺に、魔法を放ったんだ!!」

被害人は、アルファを指さした。

アルファは、ムスッとして、黙ってた。
魔法を打たないように、我慢をしてるんだろう。
多分。

俺『被告人は、暴走馬車を、回避する為に、
火の魔法を放った。これは、正当防衛です!!』

俺は、すかさず、反論した。

裁判長「ふむ……水掛け論。ですな……。」

α「ねぇ。水掛け論。って何?」

アルファは、口を開いた。

β「子供の遊びで、水をかけ合う事が由来で、
そう呼ばれてます。」

俺『つまり、被害者がやった。加害者がやった。
って、不毛(ふもう)な議論(ぎろん)をしてる。
って事だよ。』

α「ふーん。そうなんた。」

それだけ言うと、アルファは、また黙り込んだ。
いつもの、不機嫌な顔で。

やっぱり、
俺が、思ってた通り、最悪な感じになったな。
このままでは、こっちが、かなり不利だな……。

これが、続くとなると、遠くの、魔王国家より、
近くの、アクドイ・カネスキーの権力の力で、
被害人側の、勝利確定に、なるだろうな……。

水掛け論も、ただ、時間を消耗させるだけ。
決定的な証拠を、こちらは、提出が、出来ない。

もはや、これまでか………………。



?「ちょっと待った~~~!!!」

裁判長「誰ですかな!?
急に、法廷内で、大きな声を、出したのは!?」

この声は!間違い無い。ガンマだ!!

γ「待たせたなぁ!、キール様!、みんなぁ!。
被告人の、弁護士として、参加するぜぇ~!!」

キタワァ━━━━━━(n'∀')η━━━━━━ !!!!
俺達は、ギリギリで、持ちこたえたぜ!ガンマ!

裁判長「あ、あなたは……。
この騎士国家で、
無敗の伝説と言われた、元敏腕弁護士。
オドロキ・ナルホドー氏!!。
あなたは、既に、弁護士を、
引退されたのでは、なかったのでは!?」

γ「そんな名前で、呼ばれてた頃も、
昔、確かに、あったなぁ……。
だが、今は!魔王国家幹部の、ガンマ様だぁ!。」

( ;゚д)ザワ(;゚д゚;)ザワ(д゚; )( ;゚д)ザワ(;゚д゚;)ザワ(д゚; )
( ;゚д)ザワ(;゚д゚;)ザワ(д゚; )( ;゚д)ザワ(;゚д゚;)ザワ(д゚; )

裁判長「静粛に、静粛に!!」

俺『ガンマって、
そんなに、有名な弁護士、だったんだ!?。
知らなかったよ。( ̄▽ ̄;)』

α「キール様。もしかしてだけど、
アイツが、元有名敏腕弁護士って、
全然知らないで、依頼した。って事なの!?。」

β「おそらく、
ガンマとの、心理戦(6話参照)が、無ければ、
連絡を、しなかったでしょうね……。」

α「なるほどね。分かったわ。」

アルファは、また黙り込んだ。
ガンマが来て、余計に、不機嫌な顔になった。

γ「待たせたな。よく頑張ったなぁ。みんな!。
さぁ、こっからは、大逆転の始まりだぁ!!」

ガンマは、おそらく、法廷の内容は、
ベータの高速鳩で、内容を把握してるのだろう。
ガンマの力が無いと、
この法廷は、勝てないからな。
意気揚々としているなぁ。いつもの事だけど。

被害人「こっちには、大富豪のパパが居る!
ナルホドーだか、ナルトだか、知らないが、
魔王国家のヤツには、変わらない!!
大富豪の息子の、俺が、負ける事は、無い!!」

γ「おっと、被告人!。火遊びは、そこまでだ!
いくぞ!!「言わざる者」発動ぉ~~~!!」

俺は、コレを待っていた!。
ベータから、前日、聞いた話しだと、
この特殊能力は、通用するハズ、だからな!!

被害人「な、何が起きた?」

γ「説明してやるよ。ここに居るみんなぁ!!。
今、この法廷では、誰も、ウソを付けないぜ!。
ウソを付いた時点で、
ソイツは、ノックアウトさ!!。」

裁判長「これが、噂に名高い、伝説の、
「言わざる者」。ですか。初めて見ましたが、
魔法では無く、特殊能力なので、受理します。」

γ「こっからだぜ!。キール様!みんな!!。
まずは、被害者のウソを、見抜くんだ!!!。」

俺『あぁ、分かったよ!。ガンマ!!。』

β「ご協力、感謝する!!」

γ「これで、前回の負け分は、チャラだな。
せいぜい、頑張りなよ!被害人さんよぉ!!」

被害人「グッ!魔王国家のくせに、生意気な!」

被害人は、歯ぎしりした。
ガンマの、追い込みが、効いてるようだ。

これで、役者が揃って、風向きが変わった!
ここから、俺達の、反撃開始だ!!。

β『裁判長!。被害者に、再度、
事件当日の、状況説明を、お願いします!!』

裁判長「申し出を、受理します。
被害人。状況説明を、しなさい。」

被害人「も……黙秘するぞ!!。」

γ「おっと、そいつは、無駄な作戦だぜ!
被告人。黙秘するって事は、
自分の非を、認める様なもんだぜ!!
なぁ、裁判長。」

ガンマが、俺達に、助け舟を出した。
さすが、元弁護士だ。抜け目ないな。

裁判長「その通りです。
この法廷は、真実が、正義です。
黙秘しても、被告人側が真実で、証言があれば、
被害人側の、負けとなって、
被告人の無罪と、なります。
その場合は、被害人に、罰則を与えます。
それでも、黙秘しますかな。被害人。」

裁判長は、公正に判決するみたいだな。
やっと、この発言で、
被害人を、だいぶ追い詰めた!
あとは、被告人のウソと、証言だけだ!!

被害人「グッ……まさか、魔王国家ごときに、
大富豪の息子の、俺が、追いつめられるとは…。
ただなぁ、残念だったな!お前ら、魔王国家に、
証言を、話す奴など、居ないはずだ!!。
いいぜ!話してやるよ!あの日の事をなぁ!!。」

ついに、逆上したな。被害人が話さないと、
ウソの立証が出来ないからな。良い流れだ。

裁判長「分かりました。では、被害人。
事件当日の、状況を、話しなさい。」

裁判長の、この言葉に、被害人は、
事件当日の、状況説明が、始まった。

被害人「俺は、あの日、
馬車で、夜道を、走っていたんだ。」

合ってんなぁ。暴走馬車。だったけどなぁ。

被害人「そしたら、目の前で、
コイツが、いきなり、
俺に、魔法を打ってきたんだ!!」

と、被告人アルファを、指さした。

アルファの、不機嫌な顔が、更に深くなった。
このままだと、ブチ切れて、暴走しかけないな。
俺は、無言で、アルファを、なだめた。

しかしまぁ、さっきの被害人の証言。
正確には、俺達に、突っ込んで来た。だけどな。
なんか引っかかる。

大事な部分は、ウソになるから、言わない気か?
ここで、被害者を、ゆさぶるか……?。

β「ここは、勝負ですよ。キール様。」

ガンマも、無言で、うなづいてる。

ベータも、ガンマも、分かってるようだな。
よし、勝負してやるよ!!。

俺『ちょっと、待った~!!。被害人。
目の前に、被告人が、いた事を、
もっと、詳しく、話して下さい!!』

裁判長『受理します。被害人。
目の前に、被告人が、いた事を、
もっと詳しく、分かりやすく、話しなさい。』

被害人「詳しくって、言われてもなぁ……。」

被告人は、ゆっくりと、
言葉を選びながら、話した。

被害人「被告人が、アイツが、
急に、俺様の、目の前を、
横切って、魔法を打ったから……
アビャビャビャーーー。」

被害人に、「言わざる者」の電撃が、走った!
被害人のウソが証明された!!
ここからは、俺にしか出来ない、
最後の、追い込みだ!!

俺『裁判長。彼の発言は、矛盾してる!
被告人が、
馬車の目の前を、横切ったんじゃない!!
被害者が、暴走馬車で、
被告人の前に、突っ込んできた!!
被告人の、すぐ横にいた、俺の、証言です!!』

俺に、「言わざる者」の電撃は、
当然、流れてない。これは、その場にいた、
俺にしか出来ない、正論であり、証言だ!!

裁判長「ふむ……。
あなたは、シビレてませんね。
ガンマ氏。「言わざる者」の、効果範囲は?」

γ「この法廷、全部でございます。裁判長。」

……しれっと、涼しい顔で、ウソつきやがった。
どうやら、法廷が既に、決着ついていたからか。
それとも、「言わざる者」の範囲を、
俺と、被害人だけに、したのか。
……敵に回すと、恐ろしいな。ガンマは。

裁判長「分かりました。被害人、
アクドイ・スネオ氏は、ウソの供述をしました。
つまり、被害人の発言には、
真実であるという、信ぴょう性が、ありません。」

裁判長「そして、被告人側は、真実と証言を、
見事な方法で、私に、証明しました。」

裁判長「主文は、後まわしにして、
結論から、先に、申しましょう。
被告人アルファ。無罪!!」

オオォォォ(゚ロ゚*)(゚ロ゚*)オオォォォ(゚ロ゚*)(゚ロ゚*)
オオォォォ(゚ロ゚*)(゚ロ゚*)オオォォォ(゚ロ゚*)(゚ロ゚*)

γ「やってくれたな、キール様!。みんな!!。
初勝利、おめでとう!!。」

α「ありがとう!キール様。ベータ。
……それと、ガンマ。」

β「やりましたね。キール様。アルファ殿。
ありがとう。ガンマ」

俺『ありがとう。
みんなの力が、無かったら、勝てなかったよ。
特にガンマ、ありがとう。』

こうして、魔女裁判は、
無罪で、無事に終わった。

この後、ガンマは、というと……

γ「俺様は、まだ、シグマのジジイを、
説得が、出来てないから、また来るぜ!!
アバヨッ(`Д´)ノ」

って去っていった。

色んな意味で、頼りになる男。
だって事が、分かった。

さて、しばらく、ゆっくり休んで、また、
アルファと、ベータ、
そして、説教ジジイを説得出来たら、ガンマと、
旅の続きでも、するか~。

俺達は、法教国家の、エーベ村に戻った……。

…………追伸…………

裁判長「私も、長い事、裁判長をやってたが、
伝説の弁護士が来るとは、思ってませんでした。」

γ「ああ、困ってる人を助ける。
ヒーローみたいで、カッコイイだろ?。
ヒーローってのは、遅れてやって来るのものさ。」

裁判長「どうですか。もう一度、
弁護士として、復帰するつもりは、
無いんですか?。あなたなら、
弁護士として、復帰できるでしょう。」

γ「それは、無いな。
今、魔王国家に居て、幸せな気分なんだ。
……それに。」

裁判長「それに?」

γ「若い芽を、育てるのも、大事な仕事だって、
最近、気づいちまったからな。」

裁判長「それは、キール氏の事。ですかな?。
あの人は、若い頃の、あなたに似ていますから。」

γ「さぁな。ただひとつ、言えるとするなら、
キール様は、この世界を、良くしてくれる。
そんな気が、何となく、するんだ。」

裁判長「なるほど。
あなたが、目を付ける理由が、分かりました。
キール氏の、今後の活動に、期待しましょう。」

γ「そうだな。」


第8話後編。終。制作・著作  ━━━━きぃえぁ

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