見出し画像

減損会計について

減損損失会計の仕訳の復習をします。まず、減損損失とは何か、また簿記1級ではどのような流れで仕訳をするか、頭の中の整理と出力をします。

目次
・減損損失とは
・減損損失の認識の判定
・減損損失の測定

◎減損損失とは
投資に見合った金額の回収が見込めない資産の価値を減少させる会計処理。
具体的には、固定資産の収益性が低下し、投資額の回収が見込めなくなった際に、その資産の帳簿価額に価値の下落分を反映させる処理を行います。

減損損失は、減損会計で計上された損失を示す勘定科目になり、損益計算書上では特別損失として表示します。

◎減損損失の認識の判定
「割引前将来キャッシュフロー」と「帳簿価格」を比較する
減損の兆候があると判定された資産グループについて、その資産グループが稼ぎ出す割引前将来キャッシュ・フロー(※1)の総額が帳簿価額を下回っていないかを確認します。
割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価格を下回っていないことが確認できれば、その資産グループは減損損失計上の対象とはなりません。

(※1)割引前将来キャッシュ・フローとは、資産グループを継続して使用することによる資金収支と、資産グループの処分による資金収支を合わせた金額です。

将来キャッシュ・フローとは
将来キャッシュ・フローとは、固定資産を将来にわたって使用することにより事業で回収できるキャッシュと、資産の使用見込み経過後に資産を処分したときのキャッシュの総額をいいます。

減損の兆候がある固定資産については、減損損失を認識する段階と減損損失を測定する段階で将来キャッシュ・フローを用います。

◎減損損失の測定
割引前将来キャッシュ・フローの総額を測定し、その金額が帳簿価格を下回り、減損損失を認識すると判定された資産グループについて、使用価値と正味売却価額のどちらか高い方の価額まで帳簿価額を切り下げます。この切り下げた金額を、減損損失として当期の損失に計上します。

減損損失の計算方法

減損損失額=固定資産の簿価-回収可能価額(※)

1.回収可能価額とは、資産又は資産グループの正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額をいう。

(固定資産の減損に係る会計基準(注1))


(※2)使用価値
使用価値とは資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キ ャッシュ・フローの現在価値をいう。

(固定資産の減損に係る会計基準(注1))

(※3)正味売却価額

正味売却価額とは、資産又は資産グループの時価から処分費用見込額を控除して算定される金額をいう。

(固定資産の減損に係る会計基準(注1))

使用価値は、割引率を使って計算します。正味売却価額では、明確な時価がある場合やない場合に応じて、適切な金額を算定する必要があります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?