心の傷と信じる気持ち①

人のことを心から信じられなくなったのはいつからだろう。

人の言葉をなんでも信じる子どもだった。疑うということを知らなかった。大人がいうことは全部正しいと思ってたし嘘をつく人がいるなんて知らなかった。

あんまり記憶はないけど小学生とか中学生とかの時は今思うとよく騙されてたんだと思う。なんか言いくるめられてレアカードとかゲームとかをタダであげちゃってたような気がする。

自分に自信がないから他人がいうことの方が正しいって考えてしまう。これは今でも同じだ。

大学生になって初めて人を好きになり、初めての彼女ができた。その子は気が合って面白くてよく喋るいい子だった。お互い実家暮らしだったけど1年のうち少なくとも300日以上は朝から晩までずっと一緒にいてひたすらずっと喋っていた。ほんとに仲良しだった。

付き合って数年目にぼくの就活があまりにも上手くいかず、今思うとうつ状態になってた時があり「もう何やっても上手くいかなくてほんとにつらい どうすればいいんだろう」って初めて彼女に弱音を吐いたことがあった。その答えが「そんなこと言っても仕方ないでしょ 努力が足りないんじゃない?もっと頑張りなさいよ」確かそんな内容だった。その瞬間に目の前が真っ暗になって打ちのめされて何も考えられなくなったことを覚えてる。絶望ってこのことをいうんだなって。「あぁ、ぼくの味方はこの世の中に誰もいないんだな。」その時そう思った。

就活は苦しみに苦しんだけど何とか内定をもらえた。でもあの時言われた言葉がぼくの中で大きな傷となり段々と会う回数も減っていった。最終的に7年付き合ったが向こうから切り出され別れた。最後の方は普通に男友達と飲み行くことを何回か言ってきてたし、多分ほかに好きな人ができたんだと思う。

就活も苦しかったが就職してからもずっと苦しかった。仕事を上手くこなせなかったり、怒られたり、陰口言われたり。でも悩みとか苦しみを誰にも相談ができなかった。「あなたが悪いんじゃないの?頑張りが足りないんじゃない?」そんなことを言われる気がして怖かった。あの時の彼女に言われた言葉がトラウマになっていた。もうその頃は誰のことも信じられなくなっていた。

5年目にうつ病の診断を受け休職した。

1回目の復職したあたりで地下アイドルに通うようになった。心の闇を抱えている子が多くて居心地が良く、自分のことを話しても受け入れられる気がした。少しづつ人に心を開けるようになっていった。

そんな中で推していたグループを辞めた子からふとしたきっかけで連絡をもらうことがあった。「ずっと好きだった」「付き合って」そんな感じな事を言われて付き合った。

彼女は静岡に住んでいたから1年くらい遠距離で付き合った。「奨学金返さなきゃいけなくて困ってるの」「会いに行けるお金が無くて困っているの」そんなことをよく言われて結構なお金を工面してあげたりした。

向こうのSNSは見ていなかったがグループの時のオタクが「よくホストに通っている」「男との飲み会によく行っている」など言っていたのは知っていた。

知り合いのオタクがその子のインスタを特定してURLをTwitterに貼った。見るか悩んだが意を決して見たところ男との飲み会の画像が上がっていた。

そのことをLINEで聞いてみた。すると「勝手に見るなんてありえない 私の事信じられないの?ほんと最低」そんな内容が帰ってきた。

逆ギレされてなんか心の糸がブチって切れてしまい連絡を取るのをやめた。お金に困っていたから工面したお金もホストとかで遊ぶ金に使われていたんだろうし、他に男もいたんだろうな。

その数ヵ月後に他人伝えで妊娠して別の男と結婚したことを知った。

怒りというよりも悲しかった。あの時言ってくれた「だいすき」の言葉も書いてくれたお手紙も全てが嘘だったのかな。ぼくのことはお金としか見てなかったのかな。信じようと決めた人に裏切られたことがほんとにショックだった。

途中から薄々わかっていたさ。でもそれでも信じたかった。ぼくのことを好きって言ってくれたことだけは信じたかった。でもきっとそれも嘘だったんだよね。

人を信じること人を好きになることって傷つくことなのかもな。好きな気持ちなんて利用されるだけなんだ。恋なんてもう一生しない。もうこれ以上傷つきたくないよ。


この頃から常に心の中がからっぽになっていた。ただただぼんやりと時間を潰すように生きた。何度もうつになり何度も仕事を休んだ。もう誰の言葉も響かなくなっていた。

ずっとずっと苦しかった。助けてと言うけどかけられる言葉を受け止めきれなかった。心から人を信じることが出来なくなっていたから。

仕事も辞めて転職した。なんのために生きるかが無いなかで、支えなんてない中で生きるなんて苦痛でしかなかったけど死ぬことができなかったから生きるしかなかった。

人生に絶望しか無かった。もう全てを諦めていた。あなたという光が現れるまでは。(②に続く)

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