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夏のおと。

道をみると、かげろうがゆらゆら。
家の周囲は誰一人歩く人もおらず、ジリジリと暑い太陽が照りつけていた。

蝉の声のシャワー。

それ以外は静かで、ひたすら蝉の声。

扇風機を回して、日本文学全集の中の薄い一冊をとる。何がおもしろいのか、最初はよくわからなかったけど、読み始めると、その時代のその場所にタイムスリップする感覚。

本の隙間には、入道雲と青い空。

日が暮れ始めると、うっすらと秋の虫の声が聞こえはじめる。

帰宅する人の音。
父が帰ってくるバイクの音。

そういえば、妹はその音が聞こえると、ガレージに迎えにいってた。

そして、夜は蛙の大合唱。
家の前でする花火の音。

線香花火のパチパチの音。


大人になって、都会にでてから、その音が聞けなくなった。
聞こえなくなってしまったのか、と時々立ち止まる。

蝉の声は聞こえるが、あの夏の入道雲はみえない。


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