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社会人Dr.コースで学位を取得した話(3)

㊗️ 入 学

「学位とは、足の裏の米粒である。
その心は…… “取っても食えない“」
なんて事を先輩が言っていた。言い得て妙である。学位は資格のようなものだ、と思う。昔で言う「免許皆伝」みたいな事だろう。皆が皆、食うために運転免許を取るわけでもないし、気にせずに粛々と手続きを進めた。

入学の書類を何枚か送り、わざわざ年休を使って大学指定の銀行に口座を開いて、入学金と授業料1年分を送金した。その時窓口の方に、大学の学費送金のための口座である旨を説明すると「学費って、息子さんのですか?」と聞かれたので、いえ自分のですヨ!と答えると「会社員のまま大学生ってどういう事ですか??」と興味津々に聞かれた。他にお客さんがいなかったこともあり、えー、社会人ドクターコースというのがありまして…と、15分ほどだろうか、しばし雑談をした。
私は知らない人と進んで話す方ではなかったが、入学が決まって心が豊かになっていたんだと思う。

そして、しばらくして学生証が届いた。特に入学式があった訳でも無かったが、晴れて学生になったんだな、という実感が湧いてきた。学生証、と言っても、大学の図書館に入館する時に使ったのと、あとは飲食店などの学割で使った位なのだが…

論文二報目

話が前後するが、入学(10月)のだいぶ前から、二報目論文に取り掛かっていた。なにせ通常の社会人ドクターコース(3年)であれば「最終年度」なのである。時間的余裕はない。入学前後に執筆・作成すべきものは、下記したように山ほどある。これを1年で、仕事と並行して進めなくてはならないのである(白目)

〈やる事リスト〉
(1)ASAP 二報目の論文 投稿
(2)8月 院試(特定専門試験)プレゼン
(10月に入学)
(3)三報目の論文 投稿
(4)3月 中間発表 プレゼン
(5)6月 予備審査 プレゼン
(6)7月 本審査 プレゼン
(7)9月始 学位論文 提出
概ねこんなところである。
6と7が、言わば卒業試験みたいなものであり、認められれば9月末に学位授与式となる。

二報目論文は、前述したように、前報で検討したやり方でデータを取り、そのデータが示唆する事を考察する、という内容で書き始めた。
考察内容は、例によって既に技術相談で先生のお墨付きを貰っているし、図表も概ね作ってある。あとは、1本の論文として完結するよう筋道を立てて、読み物として成立させればよいのである。
英語と、考察のところで論拠となる参考文献を探すのに手間取ったものの、なんとか書き上げた。添削会社に英文チェックを依頼して、先生に原稿を確認いただいて投稿した。

ここで大幅に端折るが、続いて三報目論文も同様に投稿した。上のリストでは入学後投稿と書いたが、受理通知の日を確認したら8月下旬になってた。この頃は頑張ってたんだなぁ……

(つづく)

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