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すばらしい空の世界 【025 神戸三宮〜小豆島・その1】


つい最近の報道によると、大阪の金剛バスが事業継続を断念し廃業を決定した。 それからまるで堰を切ったように、全国各地で公共交通機関の路線縮少や廃止が相次いでいる。 高齢ドライバーに運転免許証を返納する様呼びかけておきながら、それに応じた方の移動手段を奪うというのは…なんとも腹立たしい話しである。
そんな中2023年11月末をもって運航休止となるフェリーがある。 岡山県の日生(ひなせ)と小豆島の大部を結ぶ『瀬戸内観光汽船』である。 休止の発表は同年5月であったが、その時点ではあまり実感が湧かなかったかもしれない。
12月になってしまうと、乗りたくとも乗れなくなってしまう…大慌てで小豆島へ行く計画を立てたが、個人で行くとなると小豆島を効率よく観光することはなかなか難しい。 ということで今回も神姫バスのツアーに参加することにした。 時間さえ守れば、要所をしっかり案内してもらえるので安心できる。

集合はJR三ノ宮駅近くの、高架下。 前日の日中は
雨が降り、寒冷前線が通過したため若干寒い朝となった。

バス乗り場には7時10分集合・7時20分出発…団体行動なので、遅刻は許されない。

ツアーバスの乗り場は、高速バス乗り場の先。
JRの駅前ロータリーにもバス停があるので、要注意。

三ノ宮駅の次は名谷駅でツアーに参加する方を乗せた後、龍野西サービスエリアまで山陽自動車道を西へ進む。

山陽自動車道・姫路西インターチェンジ付近より。
ここまで来ると、青空も見え気持ち良く晴れている。
龍野西サービスエリアで休憩。 日生港までは一般道を
経由するため、お手洗いが済み次第出発するとのこと。

尼子山トンネルの復旧工事のため、播磨ジャンクションより日生港までは一般道経由。 今まで高速道路を走っていた車両が一般道に降りるので、断続的な渋滞…日生港よりフェリーを利用するため、出港に間に合う様進めなければならない。 

瀬戸内観光汽船『フェリーひなせ』が、日生港に
停泊中。 この光景が見られるのも、11月まで。

途中で渋滞より抜け出せたものの、刻々と出港の時間が迫る。 運転手さんのプレッシャーは、計り知れない。 日生港には、出航5分前に到着…
そのままバスは車両甲板に入り、ガイドさんのアナウンスの後に船内客室へ移動となった。

『フェリーひなせ』のデッキより望む、日生港周辺。
後述の『日生カキオコ』で知られる、静かな漁師町。

出航の様子を撮影した後、大急ぎで売店へ…この機会を逃すと、いわゆる船の御朱印と呼ばれる『御船印』を確保出来なくなる。

『フェリーひなせ』の御船印は、スタイリッシュ。
その後運航終了前に、完売となってしまった。

貴重な『御船印』を確保した後は、船内をチェック…長きに亘り活躍したその勇姿を、記録に留めたい。

フェリーに乗る時は、必ずチェックしておきたい避難
ルート。 併せて船の構造も、この表で分かる。
車両甲板より階段を上がると、長椅子がズラリ。
扉を開けてすぐのところに、売店がある。
最上階にある『一等室』…一般の客室は、ほぼ満席。
普段より一定数の乗客がいれば、休止は免れたか…。
一等室前の通路を出ると、解放感のあるデッキへ。
写真を撮ったり、談笑したり…思い思いの時間を。
乗船時間60〜70分で小豆島・大部港に到着する。
個人で行く場合、日生経由は意外と小豆島に近い。

ガイドさんより『大部港に到着の放送が流れたら、バスに戻り着席して下さい。』との事前のアナウンスがあった。 港に到着したした後にバスに乗るパターンがほとんどなので『車両甲板に降りて良いのか!?』と思ったのだが…。

流石は乗り慣れているのか…全員が着岸前にバスに戻り
着席。 小豆島に上陸したという実感が未だ湧かない。

小豆島への第一歩が、昼食会場のホテルになるとは思わなかったが…何はともあれ無事に上陸した。
ガイドさんの放送が進むにつれ、小豆島をバスで走っているのを実感する。

昼食会場に到着する直前のバスの車窓より。 オリーブの
イメージの強い小豆島…みかんの産地でもある。

大部港を出発して20分程で、昼食会場の『オリビアン小豆島 夕陽ヶ丘ホテル』に到着。 入口すぐにフロントとお土産の売店、その向こうには見晴らしの良いロビー…その先にある宴会場が、昼食会場となる。

ホテルの入口…結婚式のためのチャペルもある。
小豆島屈指の眺望を誇る、露天風呂もある。 
やはり気になる『ボンネットバス』…いすゞ製の、
独特の前面。 車検も通っていて、今でも走れる。
ホテルのロビーより。 屋外にはプール・ドッグラン・
いちご園・グラウンド・テニスコートなどがある。
昼食のラインナップ。 オリーブで有名な小豆島で
あるがゆえか…地中海を想起させる逸品の数々。
中でも特筆すべきは『オリーブの素麺』…目隠しをされ
ると分からないが、言われてみれば確かに味がする。

昼食が済んだ後、バスツアーは寒霞渓(かんかけい)の紅葉をロープウェイから眺め…『二十四の瞳映画村』の見学へと続く。 その続きは、またの機会にご紹介したい。 

日生では降車出来なかったので、『日生カキオコ』を
東京・御徒町の『ふわとろ工房 上野アメ横店』で頂く。
『何もかけずに、そのままで…』とのこと。 仰せの
通りに。 今まで経験したことのない、深い味わい。
時間をかけてしっかりと蒸し焼きにするので…牡蠣や野菜
などの素材の持っている味が、口の中いっぱいに広がる。

◆日生(ひなせ)は岡山県の南東部…備前市に位置し、『忠臣蔵』で有名な兵庫県赤穂市と接しております。
牡蠣の養殖が盛んで、元々は売り物としての規格に合わない小振りの牡蠣をお好み焼きに入れて作ったのが『日生カキオコ』の始まりの様です。 
本編で触れた東京・御徒町のお店のスタッフの方が『作り方はお店によって違うから…』と仰ってました。 こちらで頂いた、ソースを一切使わない『カキオコ』は斬新で衝撃的でした。 ただソースと牡蠣の相性も良いので、現地ではソースを使って作るお店も存在します。 
ちなみに東京の郷土料理である『深川めし』も、『味噌のぶっかけ』と『醤油の炊き込み』の複数の作り方があります。 『日生カキオコ』も同様に、複数の作り方があって然るべきであるというのが私の考えです。
一度は現地を訪ねて、じっくりと色々なお店を訪ねて『日生カキオコ』を存分に体感してみたいと…次の計画を立てております。

参考文献等:『日生カキオコ』            
(日生カキオコまちづくりの会・公式ホームページ)


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