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航空大学校2次試験 航空身体検査 ― 現役医師による直前期対策の考察 [改訂版]

今回は、間もなく始まる令和7年度入学試験の身体検査を踏まえ、直前期に有効と考えられる対策を考察します。
私の大学の後輩から例年この相談を受けるため、そこで伝えた内容を振り返りつつ記事にまとめました。

なお、筆者は令和三年度航大合格者、且つ日本国内の医学部医学科を卒業し医籍登録を受けた現役医師ですので、他の記事よりは幾分信用に足るかと思います。航空身体検査指定医ではありませんので、対策を考察/助言するに留めています。受験生それぞれ現時点での状況や対策、またそもそも体質にも大きな個人差があることと思いますので、なるべく様々な方を想定して記載するよう心がけています。参考にしていただければ幸いです。

本当に医師かと疑われる方もいらっしゃるかと思いますが、無資格で医師と名乗ることは医師法18条によりアウトです。



1. まずは本番の検査内容を把握する

まずは航大が例年どのような検査を実施しているのか把握することが最重要です。
航大の募集要項の再読→航空身体検査マニュアルの一読をします。ご自身の既往歴を踏まえて航空身体検査マニュアルに記載されている各項目と比較し、心配な点がある場合はお近くの航空身体検査指定医に早めに相談された方が良いかと思います。これまで健診含め異常の指摘のない方は問題ないでしょう。

航空身体検査マニュアルはあくまで第一種の基準が記載されているものであり、航空大がその通り実施しているわけではありません。
航空大の実際の検査内容や各検査での細かい注意点については、令和3年度受験の経験を元に以下の記事で詳細に解説しています。リンクを貼り付けてありますので、熟読されると当日のイメージを掴めるかと思います。3年前の記事ですが随時加筆を行っています。

上記の記事の冒頭にも記していますが、十分リラックスして当日の検査に臨むため、加えて不必要で無意味な対策に走らないために、具体的な検査内容を把握することが非常に重要と考えています。熟読の上お役立ていただければと思います。

また手っ取り早い方法として、(非常に有名ですが)永田町つばさクリニックで航空大学校の模擬身体検査を受けてみる方法があります。筆者も実際受けたことがありますが、ここで受けるメリットとしては、血液検査やアレルギー検査、脳波、また航空大の試験内容そのままの遮眼書字検査や平衡機能検査を実施してもらうことができる点です。クリニックが航空大の内容に精通しており、ほぼ同じ内容の検査を事前に受けられます。アレルギー検査等は国の第一種基準の検査では必須ではないため、多くの航空身体検査指定医のクリニックで省略されてしまいますが、漏れなく検査を受けられる手軽さが魅力です。デメリットは高額な費用、また枠が少なく直前期は予約が取りにくい(クリニックのFBによると2023年9月の枠も予約が殺到したとのこと)、心理検査に加えフライテストやプリズムテストは実施されなかった点、また、直前期にほぼ全項目検査して、万が一 自身の航空身体検査上の異常項目がわかっても必ずしも対策の余地があるとは限らない点、などが挙げられます。1次試験を1年後に控えている場合などは、先天的に諦めざるを得ない異常が見つかるかもしれませんし全項目検査してもいいと思いますが、直前期に受けることは個人的にはおすすめしていません。あくまで練習のために高額な費用を惜しまず出せる人は受けてみてもいいと思います。
直前期にお金を払ってお近くの開業医などで検査する価値があると考えられる項目については、次の章でまとめて解説します。


2. 直前期に医療機関で受ける価値のある/ない検査の考察

ここでは、2次試験の直前期に受けてみる価値があると考えられる検査項目を紹介します。例えば、出願し1次試験を突破した今、脳波検査で異常が見つかっても対策のしようがなく時間とお金の無駄となります。極論すればどの検査項目も対策が難しいことになってしまいますが、それでもこの時期に有意義と考えられるものについて順に考察してみます。
なお、過去約1年以内に模擬身体検査などを受けている方は無理に受け直す必要はありません。

これまで医学部受験、航大受験を経験してきた一人として、私は受験は情報戦であると考えており、ここから一部有料とさせていただいております。同期、後輩への無償の愛をパイロットの美徳と考えられている方には申し訳ありません。訓練と受験は全くの別物です。昼下がりに喫茶店で話すくらいの文量ですので、一回のお茶代程度に設定しています。
昨今様々なネット記事がある中で、ご自身の受験経験を公開されるのは当然自由なのですが、専門知識もなく身体検査の対策を有料記事で販売している方には正直驚きます。そのような記事には皆さま手を出されませんよう願ってやみません。。

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