令和ドミニオンの正体
皆さんは「令和ドミニオン」という言葉をご存じでしょうか?昨今のドミニオンが昔のドミニオンと比べて大きく変わったことを表す言葉で、昔からは考えられないような突拍子もないプレイができた試合を「令和ドミニオンだったね」と表現したりします。
最近よく言葉ですがそもそも「令和ドミニオン」とは一体何なのかを言語化してみた記事になります。
ドミニオンはインフレする
ドミニオンはすでに10年以上販売され続け、基本も含めると15種類の拡張セットが販売されています(今秋には16個目も発売される予定です)。そうして販売されていく中で少しづつですが確実にドミニオンのカードの効果はインフレしていっています。
今年は昔に出たカードパワーの低いカード達をリメイクする第二版ラッシュもありインフレは疑う余地はありません。ドミニオンはインフレしてもあまり問題のないシステムなのでいまだに面白さは健在です。ただインフレしなくても問題ないシステムなので私個人としてはインフレ傾向はあまり好ましくないのですが。
このインフレはドミニオンの終了ターン数からもわかります。オンライン上でプレイできるDominion Onlineでデータ集計されているのですが拡張が出るたびに終了ターン数は短くなっています。
インフレした結果の令和ドミニオン
令和ドミニオン以外のドミニオン(平成ドミニオンとか昭和ドミニオンとか言われる。昭和には販売してないのに)では古き良き拡大再生産がターン数をかけて行われていました。少しずつデッキを成長させていき最終的に勝利点を買ってデッキパワーを下げつつゲーム終了を迎えるのが典型的な展開で15ターン前後で終わることが多いです。
しかしドミニオンのインフレの結果、連続性がないほどの急成長して一気に終わるデッキが組めたり、
そもそも三山終了が一瞬すぎてデッキを強化せずに最初から点数を稼いだ方が勝てる試合が増えてきました。
このようなインフレの結果、昔とは考えられないデッキ成長をする試合全般を指して令和ドミニオンと称します。
令和ドミニオンで起こった現象
ここからは令和ドミニオンの特徴を書いていきます。令和ドミニオンの試合が増えたことで私のカード評価※もかなり影響を受けました
※下記サイトで私個人の考えで全カードに対して10段階評価を行っています(最新のカードは未定ですが)
ドミニオンカード評価 (fc2.com)
廃棄カードの相対的弱体化
カードを廃棄する効果はドミニオンの世界では強力です。そのため廃棄カードは基本的にその効果しかなかったり手札を廃棄して購入をパスしたりすることが多いです。
しかし令和ドミニオンではカードパワーやシナジーによるパワーに任せて廃棄しなくても引き切ったり、そもそもすぐにゲームが終わるため廃棄によるデッキ強化が不要だったりします。そのためわざわざ廃棄しかできないカードを買う必要がなく廃棄カードがかなり弱体化します。短いターンなのに購入パスターンを作ってしまうのも苦しいです。
昔はまず廃棄カードから買うのが定石に近かったのですが令和ドミニオンでは通用しません。廃棄によるデッキ強化はターン数を重ねれば重ねるほど強くなりますが、令和ドミニオンによるゲームスピードの高速化により以前ほどの強さはなくなりました。逆に屋敷を廃棄することによる失点が響くデメリットが顕在化するケースも見られます。
勿論令和ドミニオン以外では廃棄カードの強さは健在です。令和ドミニオンになるサプライは珍しく、2022年現在でも5%程度のサプライしか令和ドミニオンにならない(体感)なので残り95%の試合ではちゃんと強いです。
勝敗に運が絡みやすい
ドミニオンの試合に運はつきものですが令和ドミニオンになってこの運の要素が強くなったと思います。理由はゲームスピードの高速化とカードパワーの増加により一度の不運をプレイングで取り返す余地が減ったからです。
本来序盤の不運は中盤以降の運の振れ幅やそれに応じたプレイングでカバーできます。しかし令和ドミニオンは高速ゲームなので序盤がもう終盤であることも多く最初の不運を取り返すための時間が少ないです。
また1枚のカードパワーが高いということは使ったときと使えなかったときの差が大きいということ。一度でも底って使用が遅くなる&使用回数が減るとデッキパワーは大きく下がります。
これらの理由から不運だった時にプレイヤーの腕が試される場面が減りどうしても運ゲー感は強くなったと感じます。
一手のミスが命取り
ゲームスピードが早くなりカードパワーやシナジーによるパワーが上がったことで当然ですが1手ミスによる失速が大きくなりました。
ただでさえ複雑になっている令和ドミニオンにおいてミスをしないというのはかなり難しいです。事前知識やその場での想像力を駆使しなければ最適解は見出しにくいでしょう。そのくせミスが致命的なので令和ドミニオンはかなりタフなゲームになります。
屋敷を1枚廃棄したせいで負けたり、1ターン目の購入で隙を見せた結果使者で同じカードを配られ続けて負けたりが多発します。1ターン目からかなり深くまで読んでのプレイが求められます。
昨今のドミニオンでは1ターン目から色々な動きができることも増えました。1ターン目から4ターン目までの動きが大体決まっていた昔のドミニオンとは見える景色がかなり違います。しっかり適応していく必要があります。
まとめ
なんだか「令和ドミニオン怖い」的な内容になりましたが、令和ドミニオンのはちゃめちゃ感は私は割と好きです。特にカード間のシナジーでダイナミックなプレイができると感動します。確かに古き良き昔のドミニオンもよかったのですがそこからの一つの到達点として令和ドミニオンは歓迎されるべきです。
1枚1枚のカードのインフレには賛成しませんが色々なカードが出て色々なシナジーがある世界は好きなのでこれからもドミニオンが続いてくれると嬉しいな、と思います。
最後に断っておきますが令和ドミニオンは特殊なサプライでしか発生しません。どのサプライでも上記の事柄が当てはまるわけではないのでサプライをしっかり見てゲームスピードやカードの評価を行いましょう。
ここまで読んでいただきありがとうございます。ここからは有料部分です。ですが本記事の内容の補完などはありません。もし余裕のある方でおひねりを上げてもよいよ!という方向けに有料部分を設定しております。
ただ何もお返しがないのも心苦しいので記事の内容には関係のないドミニオンのことを書こうと思います。
サプライの画像を張りますので、有料部分にどのように考えてどのような試合展開にするか、私なりの答えを記述させていただきます。
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