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大地の芸術祭振り返り

今回、あれこれ観てみたいお目当てはあったのですが、いい意味で裏切られたのが「まつだい「農舞台」フィールドミュージアム」です。
恥ずかしながらノーマークでした。
唯一、イリヤ&エミリア・カバコフの「棚田」(サムネの作品です)だけはビジュアルを見たことがあるなぁ、程度の予備知識ほぼゼロのままバスツアーで訪問した感じです。

オランダの建築家グループ・MVRDVが設計した拠点施設、まつだい「農舞台」。この「まつだい『農舞台』」から山頂の「松代城」までの約2kmの里山に約40点の作品が点在しており、このエリア全体を”まつだい「農舞台」フィールドミュージアム”と呼んでいます。

https://www.echigo-tsumari.jp/travelinformation/nohbutai/

アートディレクターの北川フラムさんが書かれた説明も素敵なので、読んでみてください。

わたしはバスツアーで訪れたので、ゆっくり見て回ることはできなかったのですが、「棚田」は行ってみないと分からなかった良さがありました。松代の大地の豊かさと青と黄色の現代アートが調和して、心に訴えかけてくるものがありました。

作者のカバコフをわたしは初めて知りましたが、まつだい「農舞台」の中にはカバコフの展示が数多くあって、なんとなく人となりのイメージを掴むことができました。
個人的には「ドリーマー」の印象。でも、ただ夢見がちなだけではなくて、現実の辛さを夢に変換する能力と、夢を作品に落とし込む実行力を持つ人だったと思います。
夢見る力が半端ない(笑)。

「天使に会いたい男が、途轍もなく高い梯子に昇って自らを危険な状況に置くことで天使に迎えに来てもらおうとする計画」というプロジェクト。作品の一部です。
梯子の上から天使に手を伸ばす…

カバコフさんが、夢を形にする能力が優れている人で良かった。沢山のカラフルな作品を見ながら、同じロシアのシャガールを思い出しました。

松代とロシアは全く違う場所のようでいて、似たところもあるのかなと思います。
雪に閉じ込められてじっと待つ期間が長かったり、かえりみられなくても黙々と作物や作品を作り続けるところなど。
重たい雪の中で春を待ち、夢を持ち続ける強さみたいな共通点を感じました。

また、以前見た展覧会で「中井菜央 雪の刻(とき)」という、新潟県津南町の写真展がありました。アーティストトークにも参加して話を聞いたときの津南町(芸術祭の会場にもなっています)の印象が、今回の作品理解にとても役立っていました。前に見た展覧会がリンクすると、より作品鑑賞が深くなって新しい感想が生まれて楽しいです。

今日はこの辺で。それではまた。

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