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フジコ・ヘミングさんが亡くなった

ちょうど朝の支度をしていた時に、フジコ・ヘミングさんが亡くなったというニュースが流れていました。

(ああ、亡くなってしまったのか)
と思いました。


私が大人になって、またピアノへの情熱がふつふつと湧き起こるキッカケとなったのが、フジコのピアノだったように思います。

リストのラ・カンパネラは実はそんなに好きな曲ではなかった私にとって、フジコの揺らぐようなカンパネラは衝撃的でした。

フジコの演奏を聴いて、カンパネラがとても好きになったのです。

彼女の弾くリストはとても柔らかくて独特のリズムがあり、他の人が弾くリストとはまるで違う曲に聴こえます。

NHKのDVDも何度も観ました。

下北沢にあるフジコの家の内装はヨーロッパのようで、暗い照明の中静かにピアノを弾くその姿がとても印象的だったのを思い出します。

今から二十年近く前になりますが、一度だけフジコのソロリサイタルに行く機会がありました。

当時の会社の上司に「僕は行かれなくなったから」ともらったチケット。

ホールの中でフジコのピアノの音とリズムに包まれる感覚は非常に心地のよいもので、その時私は(おばあちゃんになっても、ずっとピアノは弾いていよう)と心に決めました。


ご冥福をお祈りします。

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