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ロンドン・ナショナル・ギャラリー展

 私は『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』に行ったはずなんですが、結果『ゴッホとゴーギャン展』でした。嘘じゃないです信じてください。

 最初の方は肖像画が流行ってたんですよ作品はこれです。卒業旅行でヴェネツィアに行って絵を買って帰るのがはやったんですよ作品はこれです。みたいな感じで、成り立ちごとに作品が別れていてなるほどなと思ってたんです。

 これが印象派ゾーンを通り抜け、最後に飾られていたゴッホの〈ひまわり〉の部屋に入ると一変。壁一面〈ひまわり〉の話ばかり。さっきまで見ていた『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』は!?

 不勉強で知らなかったんですが、ゴッホがアルルで描いた〈ひまわり〉のうち、サインが入ってるのはゴーギャンの部屋に飾る2枚だけだったんですね。特に4枚目の〈ひまわり〉(ナショナル・ギャラリーのやつ)については、ゴーギャンから「フィンセントの作風を本格的に表した完璧な一枚」と評価され、あんな別れ方をした後でも手元に置きたがったんですね。まだまだ知らない感情がここにある。

 音声ガイドではゴーギャンがタヒチで描いた〈肘掛け椅子のひまわり〉にも触れていたので実質『ゴッホとゴーギャン展』。実際『ゴッホとゴーギャン展』の図録に書かれていた講評が参考文献にあげられてたのでちょっと笑った。家に帰って確認したら、ゴーギャンのゴッホへの屈折した感情とタヒチで描いたひまわりについての講評でした。これ帰りの高速バスの中で読んで泣いたやつですね。喜んじゃった。

 今回の展示で〈ひまわり〉一枚あれば『ゴッホとゴーギャン展』が成り立つことが証明されてしまいました。事件ですよ、これは。

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