もりみつ

創作の記録と、心の支えとなってくれている音楽について。形を成すには不十分な、浮かんでは消える言葉たち。 イラスト・小説・ハンドメイド・写真・歌詞。一歩を踏み出すことができず趣味の範囲で制作中。日本の四季が好きです。時々 hoshioto・JOKAFES・machiotoスタッフ。

もりみつ

創作の記録と、心の支えとなってくれている音楽について。形を成すには不十分な、浮かんでは消える言葉たち。 イラスト・小説・ハンドメイド・写真・歌詞。一歩を踏み出すことができず趣味の範囲で制作中。日本の四季が好きです。時々 hoshioto・JOKAFES・machiotoスタッフ。

マガジン

  • ハンドメイド

    ハンドメイド作品の写真を載せています。宇宙、海、雪、猫、和のモチーフのアクセサリーが多めです。

  • 歌詞

    メロディーのついていない、曲になる手前の言葉たち。

  • 長編小説 結刃流花譚

  • 長編小説 シュネーシュメルツェの旋律

  • ライブの記録

    聴きに行った音楽のこと。観た景色、もらったもの。

最近の記事

レグルスの哀鳴

    話せないままだった  それで誰かが救われるならば  話さなくていいと思っていた    誰かの正義を守る為  演じ続けた悪役は  自分にとっての本当は  知られなくていいと口を閉ざした  語られなかった心の内  もう1つの真実を知りたかった    きっとどんな英雄も  誰かの物語では仇役  悪名高い盗っ人も  誰かにとっての大切な人    恐れられ厭われ受け入れた運命  完全悪にはなりきれなかった  気高き獅子の心の拍動  失われることのなかった誇り     数多の星

    • 夏の残り香

            無邪気に笑いあっていたあの頃にはもう  戻れるわけがないんだと  知っているのに探してた    受け入れてしまったふりをして  綺麗なままの思い出に  縋ることはやめられなかった    この手で掴めなかったものは  今もどこかで輝いていて  憧れのままだから まだ 眩しくて美しい  守りたいものは確かにあった  それに支えられていた        優しい灯り  夜道を照らす  まだ歩くことができるのは  きっとあの日の記憶のおかげ    失くしたくない痛みがあった

      • ハンドメイド2024 春

          まだ思うように作れない日々、時間をうまく作れない日々が続いておりますが、春の作品たちを。

        • 涙々雨唄

           「行かないでほしい」  独り善がりな言葉は飲み込んで  「どうか無事で」  その背中を見送った    笑みを作ることには慣れていた  殺した心が泣いていた  遠い記憶 儚く舞った花弁の中で  語った夢も 懐かしく痛む  あの頃のままではもう居られない    巡る季節 前を見て 歩んでいるふり  何も変われていなかった  変わらないことを望んでいた  微かな名残に縋っている    流れぬ涙 隠した本音  代わりに泣いてくれたのは空  滲んでいく  知りたくなかった温もりを

        マガジン

        • ハンドメイド
          6本
        • 歌詞
          10本
        • 長編小説 結刃流花譚
          9本
        • 長編小説 シュネーシュメルツェの旋律
          1本
        • ライブの記録
          15本
        • イラスト
          1本

        記事

          四季を彩る

              常に前を向いて生きていくことは  とてもできそうにはないから  たまに振り返ることを許してほしい  君が笑っていた 遠く儚いあの日のことを       迷ってばかりだった  立ち止まりながら見つけた景色に  大切な想い出が重なって       巡る季節の中で  重ねてきた掛け替えのない刹那  祈りの織りなす闇溶かす調べ       風光り芽吹く温もり  大切偲ぶ風鈴の音  夕日に輝く黄金色に感謝して  枯木星見上げ雪解けを待つ       もう隣にはいない その残り香

          四季を彩る

          結刃流花譚 第1章 ~残り香の調べ⑦ 願いの果て ~

              目に留めてくださりありがとうございます。読んでくださる方へ何かを届けることができると幸いです。     やめて、許して、どうして、置いていかないで、痛い、苦しい、助けて、嘘つき、見捨てないで、憎い、裏切り者、返して、許せない――――。     幾つもの感情が心に直接訴えかけてくる。東郷1人だけのものではない。誰の叫びかはわからないが、それらは強く哀しく心を疼かせる。個々の想いがそれに気付いてほしいと痛切に主張している。     無意識のうちに目を閉じていた。ここに

          結刃流花譚 第1章 ~残り香の調べ⑦ 願いの果て ~

          シュネーシュメルツェの旋律 第0楽章 ~ 天泣の遁走曲(フーガ) ① ~

            目に留めてくださり、ありがとうございます。これまでに書き始めては途中で諦めてしまってきた小説たちで表現したかったことを詰め込んだ話にできればと思い書き始めて随分経ちますが、ここで公開させていただければと思います。何かが伝わる文章となっていると幸いです。  澄み渡る空から舞い降りる風花が睫毛を濡らした。  車窓から眺める景色は穏やかで、この先に待つであろう悲しい光景など想像することもできない。それでもそのような光景に出会うであろうと予想できるのは、それと向き合うのが自分の

          シュネーシュメルツェの旋律 第0楽章 ~ 天泣の遁走曲(フーガ) ① ~

          2024.2.8

              AOI MOMENTとcry crow.のツアーを聴きに行きました。大阪公演のタイトル、“月灯りの袂で”という綺麗な言葉のように素敵な音楽が響いた日でした。     これまでも仕事の後で聴きに行く度に気持ちを少し軽くしてもらえていたAOI MOMENTの音楽、今年聴きに行けたのはこの日が初めてでした。積み重ねていく毎日の中で生まれる様々な感情に寄り添い続けてくれるようなAOI MOMENTの音楽に救われていることに感謝しながら、この先も聴き続けていきたいと感じます。

          奏でる

           遠き日に交わした言葉は  前を見て進むための  確かな道標となり  胸の奥 温かな場所で  今も鳴り響いていた    強く生きること 教えてくれた  傷付くことを厭わず 気高く  その真心を貫き通す君の姿が    残された香り 四季を奏でる  夢幻(ゆめまぼろし)ではなく  痛みを伴い 教えてくれるは自分の鼓動    まだ在りのままの姿で生きている  大切なもの見失わないでいられるのは  雪月花の如く清らかな 君の言葉があったから    巡る季節に重ねる旋律  守り続けた

          ハンドメイド 2023~2024冬①

           冬の間に作ったアクセサリーたちです。なかなか捗ってはいませんが、少しご紹介させていただきます。

          ハンドメイド 2023~2024冬①

          結刃流花譚 第1章 ~ 残り香の調べ⑥ 哀音 ~

              以前より読み続けてくださっている方も、初めて目に留めてくださった方も、この頁を開いてくださりありがとうございます。お時間が許されるようでしたら読んでみていただけると幸いです。         結界の中に入った瞬間、部屋中に蔓延し、建物の外にまで流れ出ていた禍々しさの出処がここであることが手に取るようにわかった。先程までと比較にならないほど空気は重く濃く、立っているだけで息苦しさを感じる。吸い込むと自分自身の心も侵食されていくのではないかと錯覚してしまう。一刻も早く

          結刃流花譚 第1章 ~ 残り香の調べ⑥ 哀音 ~

          2024.2.2

              CIVILIANの結成16周年記念、Billboardでのライブの大阪公演を聴きに行きました。アコースティックとピアノの編成の第1部、バンドセットでの第2部と分かれているうち、聴くことができたのは第2部のみでしたが、続いてきたこととこれからについて、たくさんの想いが詰まった時間だったと感じました。     Lyu:Lyuとして活動を始められてから今までの16年間を順に辿るような、丁寧な流れの印象的なライブでした。ひとつひとつが貴重で伝えてくださる言葉も選ばれた曲も噛

          Night Aquarium

                目を逸らしたくなる現実  隠したかった醜い心  溶けてしまいたい優しい暗闇  真夜中 月明かりも差し込まない世界  1人 迷い込んだように  立ち尽くして 息をする       上手くいかない毎日に  疲れることにも慣れてしまった悲しい心で見た景色  止まったように時間は流れ 輪郭は曖昧に  瞳に映し出されるは  淡き泡沫(ほうまつ) 青い揺らめき       夜を泳ぐ魚たち 見上げた景色の美しき  音なき音色 流れる旋律  こんな自分にも優しい時間 望んでしま

          2024.1.29

              ANTENAの渡辺さんのツアーの最後の日、温かくて穏やかな時間でした。     ライブハウスに入ってすぐ、いつ聴いてもどこまでも広がっていくような粟子さんの歌にとても優しい気持ちにさせてもらうことができ、いろんなことを迷いながらでも今日来ることができて良かったと感じました。ココロオークションの歌詞のひとつひとつが気付かせてくれる日常の景色に鏤められた煌めきを大切にしたいと感じます。線香花火は冬に聴いても儚くて綺麗でした。     Varrentiaの独奏形態でのラ

          2024.1.28

              今年もドラマチックアラスカの新年のライブを聴きに行くことができました。たくさんの曲があり、聴く人それぞれにきっといろいろな背景があり、それぞれ異なる思い入れのある曲がある中で、聴きに来た人が少しでも聴きたい曲が聴けるように――――、と考えて選んでくださった24曲だと考えると、聴くことのできた一曲一曲が特別なものだったと思えます。自分自身思い入れの強い曲を数曲聴くことができ、とても久々に聴けた曲もあり、曲が始まる度に何度も嬉しい気持ちになれました。この日に聴きに行くこと

          結刃流花譚 第1章 ~ 残り香の調べ⑤ 弱さを嘯く ~

              前から読み続けてくださっている方も初めて目に留めてくださった方も頁を開いてくださりありがとうございます。お時間の許す時に読んでみていただけると幸いです。 「待て!」     部屋の奥の方から太く明瞭な声が響いた。部屋の中と外で音が完全に遮断されていたわけではなかったらしい。それに反応し、庵はすぐさま動きを止める。しかし、率先して庵に続こうとしていた真光は咄嗟に自分の勢いを制止できず、顔面から庵にぶつかり、鈍い音と共に2人は転がるように部屋の中に入ってしまう。大きな

          結刃流花譚 第1章 ~ 残り香の調べ⑤ 弱さを嘯く ~