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海月

抜け殻みたいに毎日同じ日々を繰り返してる。寝て起きて、食べて寝る。美味しいものが大好きで食べることが生きがいだと思ってたのに、それさえ上手くできない。食べることは作業になってしまう。生きるための作業。あれが食べたいとか、今日はこれを作ろうとかそういう気分にもならない。自分のために何かしようって活動することもできなくて、家から出ずに自室とリビングを行ったり来たりして1日が終わる。

東京都は全店休業しているため埼玉県の店舗への出勤を頼まれた。家から店舗まで1時間45分。往復で3時間半。遠いし、雨だし、梅雨入り早いし、生理来そうだしとイライラしつつ出勤時間の45分前に着いた。久々に店舗に立つと自分は意外と接客好きなんじゃないかってやはり思う。接客が嫌いなんじゃなくて、嫌な客の対応や自分で捌ききれないほどのオペレーションや、他の従業員の大人と思えない当たり散らすだけのコミュニケーションが嫌いなんだよな。

今の私は何にもできない、漂ってるだけ。海月と同じだ。「クラゲって泳ぐ力がないから波に流されてるだけなんだって。」高校時代の友人が言っていた言葉を思い出した。自分でどこに行くかも決められない、何をしたいかもわからない。考えようともしない。力がないから。ただ、ゆらゆらと波に揺られて抗うこともなく流されていくだけ。

元恋人の写真をiPhoneのカメラロールから1枚残らず消した。130枚。そんなにたくさんあったんだ、1年しか付き合ってなかったのにな。LINEのトーク履歴も消した。どれだけもう大丈夫だって思っても、思い出すと涙が出る。はやくわたし海月じゃなくなりたい。消しても消しても残って消えないのはなんでだろう。