Franz Ferdinand Japan Tour 2022 @東京ガーデンシアターに行った

シガーロス以来、2~3ヶ月ぶりのガーデンシアター。ゆるめのグッズ欲しさに開場30分前ほどに到着。整理番号早めだったこともあり、無事に目当てのTシャツは買えた。客層は平均年齢30歳くらいで老若男女バランス良くという感じ。ロッカーが少ない&靴箱サイズの小ささで争奪戦になっていた。ギリギリラスト1個に滑り込めたが、キャパに対してあまりにも少なすぎる気がする。冬場は要注意。

全編通して驚いたのはボーカルのアレックスのショーマンとしての卓越したオーナーシップ。用意されたステージのせり出しまで頻繁に出てきては観客を見据えてキザな振りを決める、アンプの上にも何度も登ってはジャンプする、メンバー全員をフロントに並べてスポットライトを当てる、などなどあの手この手で印象的なショーを組み立てていた。そのどれにも少しのレトロなエッセンスやユーモアが含まれているのが彼らの音楽性とも共通しているように感じる。

開幕から『The Dark Of The Martinée』→『No You Girls』と目当てにしていたヒット曲2連打。ただ、序盤はバンドも会場も熱を高めるまでに少し時間を使った印象で、自分も身体は揺らしつつもまだ冷静さもあった。序盤には外連味満点の『Evil Eye』やムーディーに歌い上げる『Walk Away』なども演ったのが少し意外だったけれど、どちらもちゃんとベスト盤に収録されているんだな。ベスト盤収録の全20曲のうち、2ndの『The Fallen』と4thの『Stand On the Horizon』を除く18曲で構成された奉仕のセットリストだったらしい。振り返るとそもそも今回の中ではクセのあるラインナップを序盤に並べていたようにも思う。その中でもライブの演出で魅力が捉えられたと思ったのが『Glimpse Of Love』で、ミラーボールが回るダンスホールのような照明の中でクネクネ踊るアレックスの姿がファニーだったりセクシーだったりで魅力的だった。

1段ギアが上がったと感じたのが『Do You Want To』で、ドゥヤドゥヤのシーンではアリーナ全員のジャンプで床がたわんでいるんじゃないかというくらい揺れが激しかった。ここで一気に上げた火力のまま、以後はダンスフロアとして完全にビルドアップされた雰囲気だったし、自分もより大きく身体を動かすようになった。

『Take Me Out』では最初の1音が鳴った時点でウオワー!!と叫んでしまったが、意外に周囲で叫んでいる人が少なくて恥ずかしかった。イントロの最初のコードを伸ばしに伸ばして焦らされ、サビ前も更にもったりアレンジされ、満を持して解放されるフロアの熱気は凄まじいものがあった。死ぬまでに一度はナマで踊りたい曲の1つをクリアできて感慨深い。その後、『Ulysses』『Outsiders』と畳み掛ける第1部のフィナーレからは貫禄を感じた。

『Outsiders』ではメンバー全員がパーカッションを叩く演出があったが、なぜかアレックスが熊の被り物を装着していた。なんなんだ。

『Billy Goodbye』はアンコールにぴったりで、ショーの後半の寂しさを晴れやかに払うようなタイミングがなんとも粋。ラストの『This Fire』はあまりにも特盛アレンジで思わず笑いも出た。アレックスとディーノがギター弾きながら殺陣みたいな絡み方をしていたシーンが珍妙すぎた。ラストは観客のエネルギーを搾り取るように「Burn this city, burn this city」のコール・アンド・レスポンスを何十回と繰り返して〆。期待通りの享楽的な雰囲気を何十倍も濃度高く受け取った楽しい夜だった。これからもどこか愛嬌のあるイケおじでいてくれ。ベストモーメントは順当に『Take Me Out』か『Do You Want To』でのジャンプジャンプジャンプ。


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