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メープル道(ウェイ)

メープル味のお菓子をみるとついつい惹かれてしまう。

昔からケンタッキーのビスケットについてくる”あのシロップ”が大好きだった。出来る限りあの味を口いっぱいに楽しむために、最初は節約しながらちょひちょびかけて最後のひとくちでこぼれおちるほどのシロップをかけて食べていた。べたべたになった手の匂いをちょっと楽しむまでが私の思い出のケンタッキー。

大人になってメープル好きの自覚が芽生えた後、”あのシロップ”がメープルと知った時はそれはもう点と点がつながったような、カエデとカエデがつながったような、カーネルとサンダースがつながったような、そんな大発見だと喜んだ。

自分の今好きなものが昔の自分も実は好きだったなんて、当たり前かもしれないけどどこか不思議で。過去に戻って職人顔でつるつるピカピカの泥団子を作って卵のケースにコレクションしていた自分とハイタッチしたくなった。

振り返ると私は昔からあんまり変わっていない。
メープルが好きだし、お寿司ではサーモンが好きだし、パン屋さんになりたいし、一人でもくもくと作業する遊びが好きだし。

そりゃあもちろん、わさびをつけられるようになったり、バニラアイスと日本酒の組み合わせが美味しいと知ったり、体調が悪くてAIに判定してもらったら精神科の受診をすすめられたり、変化もたくさんあるけれど。

そりゃあもちろん、自分がそうなるなんて想像もしていなかったことにはいつも驚くけれど。

でも過去の私と今の私はメープルの一本道を歩いているから、
この先きな粉を頭からかぶってしまっても、ラム酒でおぼれても、仕事を休まなくてはならなくなっても、また私のメープル道(ウェイ)に戻ってこられる気がする。

戻ってこられるといいなあ。








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