中学校編

私の通っていた中学校は、周辺地域の3つの小学校から進学してくる生徒が多かった。学級崩壊が起こった小学校ということで噂が立っていたらしく、「○○小ってやばかったんでしょ、、、?」と恐る恐る尋ねられることもしばしばあった。学校側も徹底した対策を取っており、1年生の担任団として、厳しめの先生が集められた。その効果もあってか、割と落ち着いた学校生活が送れたと思う。部活や学校行事ではたくさんのいい思い出をつくれた。しかし悲しいかな、強く記憶に残っているのは先生に怒られた時のことだ。

中学3年生当時、とにかく明るい安村が世間を席巻していた。体育祭か合唱コンクールかは記憶が曖昧なのだが、クラスのスローガンとして「安心してください、勝ちますから!」というフレーズが採用された。それまでは良かったのだが、クラスのグループLINEである画像が配布された。スローガンと共に、安村さんの体に担任の顔写真が合成されたものが添えられていて、みんなでプロフィールのホーム画面にしようということだった。美学に反するが、同調圧力に屈して私も設定することにした。

そして数日後、グループLINEに入っている人たちがまとめて呼び出された。誰かのホーム画面を見た他クラスの人が先生に報告したようだった。すると学年主任と生活指導、担任の先生が待ち構えており、憤慨している様子だ。写真を合成しただけでなぜこんなに怒られるのか分からない。むしろ安村さんへの侮辱ではないかと思ったが、ここは大人しく受け入れるのが最短ルートの解放に繋がる。割と優等生と思われていた私と目が合った学年主任は、名指しで「お前もLINEのアイコンにしたのか?」と聞いてきたので、咄嗟に「アイコンじゃなくてホーム画面です。」と余計な指摘をしてしまった。しまった。すかさず生活指導の先生が「どっちも変わらないだろ!」と怒りのツッコミを入れてくる。いや、ホーム画面はプロフィールをクリックしないと表示されないのだから、アイコン安村合成罪よりホーム画面安村合成罪の方が罪状は軽いだろ。

そしてバトンは担任へと渡される。ネットリテラシーに関するスピーチを始め、お説教は終盤に差し掛かる。

「もしこんな画像がネットに拡散されたらと思うと、先生は安心できません!!」

!?!?

これはフリなのか?「安心してください」の「あ」の字まででかかったところで、周囲の緊迫した雰囲気を感じとる。そう、担任は普段から真面目で面白くないのだ。こんなところでふざけるはずがない。自然に出てきたフレーズなのだろう。これはダメなやつだ。下を向いて反省しているふりをして必死に笑いをこらえる。どうにかその場を切り抜け、教室から少し離れたところで友達と爆笑してしまった。

私も自然体でみんなに笑顔を届けられるようになりたいものだ。



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