幸せになれよ、翔平

参考 https://note.com/bobonbobob/n/n05bce5f4fa35?sub_rt=share_pw

忘れもしない2月29日。不動産屋からの帰り道、新宿駅前でスマートウォッチの振動がニュース速報を知らせる。画面には「大谷翔平結婚」の文字。何が起きたのか理解できず固まること数秒。5回ほど文字を読み返し、やっと脳が意味を認識した。思わず大声をあげる。

急に?え?マジで?なんで?

新宿という魔境を生き抜く人々はこれくらいのことには動じず、速足で私をよけて進んでゆく。その姿は翔平に取り残されどん底に沈んだ私の心そのものだった。

ふらふらと改札を抜け、電車に揺られながら結婚報告に添えられたデコピンの写真を見つめていた時、ある可能性に気が付いた。

結婚相手、私じゃね?

文章には「お相手は日本人女性です」、としか書かれていなかったのだ。この時点で私は完璧に条件に当てはまっている。もしかして翔平、私に内緒で婚姻届出しちゃったのかな?昔からいたずら好きだったけど、こんな大事なときくらいちゃんとしてよね、まったく。

そんな空想も虚しく、結婚相手は元バスケ選手の超絶キュートな高身長女性であることが判明した。さすがの私もすべてにおいて完敗なのでこれは認めざるを得ない。祝福ムードの中迎えたシーズン開幕、順調な滑り出しかのように思えたがまたも翔平界隈というか全世界に衝撃が走る。窃盗ギャンブラー一平である。もう訳が分からない。つよつよ主人公が公私ともに絶頂の時期に信頼していた相棒の裏切り。私たちは映画を見せられているのだろうか。まったく関係ない私がこれだけショックを受けているのだから、翔平本人への精神的な影響は計り知れない。しかし今日も翔平はゲームに出続けている。泣きそう。えらい。

手術を終えたばかりでもどかしい部分もあるだろうし、相棒が容疑者になってしまったし、本当に大変な時期を過ごしていると思う。もちろん新天地での活躍は見たいけど、一人の人間としてただ幸せでいてくれ、翔平。


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