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当たりは1点しかない!


 我らが曾根ちゃんがこんなツイートをしていました。

 このツイートがなされた経緯を簡単に説明すると、まず齋藤しょあという謎めいた美人が1点で13倍だかを厚張り的中(要出典)して、それを艇界のプリンスこと曾根ちゃんが「彼女はガチです。Twitterフォローよろしくお願いします」と宣伝し、まいまろ事件によって目の肥えたTwitterユーザーが反応、それに対するアンサーソングのひとつが上記のツイートというわけです。ちなみに件の美人はツイートを消して元気に自撮りをしています。
 その顛末の胡散臭さはとりあえず曾根ちゃんのバーカウンターに置いて、上のツイートにのみ焦点を当てて私見を述べたいと思います。

 私は以前『絞りの本質について』という長い無料記事を書いたくらいですので、できるだけ点数は絞るべきだというスタンスではあります。しかし、彼の書いているニュアンスとはチルト3度以上異なります。
 たしかに、ひとつのレースで出される結果は(同着を除いて)1点だけです。だからそれ以外の買い目には払戻がありません。国土交通省の役人が出てきて「うんうん、君は本当に惜しいところを買ってるね。よし、30%だけ払戻しましょう」なんていう篤志家のようなことは言ってくれないのです。役人に期待してはいけません。
 だからといって、正解がひとつであるというのは乱暴な帰結、論理の飛躍、定義不明瞭な発言です。このいい加減さは、レースの結果こそが「正解」である、という私とは異なる認識から生まれています。

 私は常に「長期的な勝利」のみを正解だと考えています。これは意見が分かれるところですし、押し付けるつもりはありません。単にそういう宗教なんだと思ってください。
 そういう信念を持っている人間からすると、そのレースで買うべき出目は、「近い未来に現実になりそうな1点」ではなく「期待値に溢れる(と推定できる)数点」になります。
 私も、期待値に溢れると推定できる目が1点しか思いつかなかったら1点買いをします。見つけられなかったら買いません。複数あったら全部買います。割とラフに「123-123-6」なんていうフォーメーションを組むことだってあります。それは、来そうだからではなく「来たときに回収率に正の影響を与えそうだから」買うのです。そういう意味で、私にとっての正解は1点だけとは限りません。極端な話、何かの優勝戦で6-5-4に6000億円張られていたら、そのほかの119点すべてにベットします。デフォルメされた冗談なので、冷静なツッコミはご容赦ください。特に黒猫さん。

 その宗教の人は、刀剣を持って私と斬り合うか、もしくはブラウザを戻ってリュウジのバズレシピとコレコレの暴露配信を観てください。

 さて、では「1点買い」が果たして「ダメな人間の張り方/一番負ける賭け方」なのかについても私見を述べておきます。
 これは単純明快で、絞って買う=的中率を下げるベッティングスタイルは、とてもシビアな資金管理が必要になる。これです。
 あなたがイーロンマスクでない限り、資金には限りがあります。いくら回収率が100%に近くても、的中率が低ければ回収する前に破綻することも多いです。
 あなたの破産確率は数学的に求められます。たとえば、あなたのポテンシャルが「回収率100%」だったとしましょう。優秀です。還元率75%のギャンブルで回収率が100%なのですから、大多数の人間に勝っていることになります。競艇に使える資金を10万円と仮定して、1レースに必ず3,000円張る。さて、的中率が32%(これも優秀!)ならどうなると思いますか?
 直感と異なった方は反省しましょう。破産する確率は約93%です。おお。これが毎月口座を空にする、そこそこ優秀だけど負けてしまうベッターの姿です。ちなみに同条件で回収率が108%(超優秀!)でも11%の確率で破産します。恐ろしいですね。

 もっと的中率が低い場合、当然もっとシビアな条件設定が求められます。レートを下げて、高回収率を維持し(つまり期待値の高い買い目だけをスナイプするロジックを持ち)、いかなるときも熱くならない。高い知性と鋼のようなメンタルが必要です。
 並の人間がやったら負けますよ、そりゃあ。資金が尽きたら元も子もないのがギャンブルです。あなたがベッターとして上位0.001%に入っている自信があるなら、甘い打ち方をしていても資金が尽きない可能性は高いでしょう。そうでないなら、まずは理論武装をするしかありません。

 問題の根幹が見えてきました。齋藤しょあなる女性の正体について、私はまったく知りませんし、他の方もそうでしょう。曾根ちゃんだってそうであるはずです。たまたま1点当てたくらいで「上位0.001%のベッター」だと断定できるはずもありません。1000レース、欲を言えば3000レースは回してもらう必要があります。
 そうでないなら、結果によって「彼女はガチ」だなんて口が裂けても言うべきではない。論理的な裏付けのないままに射幸心を煽っているようでは、界隈に居続ける資格がありません。ダメな人間の張り方だと嫌味のひとつも言われて当然です。ここまで書いてきたような冷静さを持って、せめて「彼女のリスクレートはこのくらいです」くらいの付記はできないもんですかね。

 できないかあ!! それなら評論家には向いていません。
 後続に屍の山を築きたくなければ、そう、ほんの少しの知性と誠実さがあるなら、真実を伝える努力をしましょう。私含めてちっぽけな個人にできることは、そのくらいなのですから。


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