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『ここらで広告コピーの本当の話をします。』 新卒はみんな読んだ方がいいと思う一冊。

これはコピーライティングの話だけど、プロモーションプランニングの基本手順が詰まってる本。

自分もこの本を片手に、提案書に考え方のアウトプットをひたすら練習してた時期あったなぁ。
本が地味にボロボロw

B to C企業の課題は、生活者の受け取ることと、企業の伝えたいことの間に生じるギャップにある。

だから、現状をファクトで整理・把握して、目指すべき姿とのギャップ( ≒ 課題)を埋めることがプロモーション、ソリューションになる。

マーケティングの3Cから

「この水のコピーを書いてください」という課題に対して、いきなりコピーを書きはじめるのはカテゴリーのコピーでありほぼほぼ大喜利。

「"これ"はどのような水なのか?」と商品の具体的な情報や競合との違い(競合優位性=USP)がわからない状態では商品のプロモーションはできない。

この部分を突き詰めて考えないと、新しい技術も発達し、機能での差別化ができないコモディティ化した日本社会では、オリジナリティや面白味のない提案になるし、訴求軸がぶれてしまうという経験は何度もしてきた。

そして、“この水”をわざわざお金を出して買ってくれる可能性のある人は誰なのかという「ターゲット」の概念。

今からプロモーションする”モノ”は何なのか。他の競合とどう違うのか。それを”どんなヒト”が買うのか。この基本的な型からすべての提案がはじまる。

価値とは、”モノ”と”ヒト”(の置かれた状態)の関係性で決まる。例えば、普段水道水は飲むときにお金を出しては買わないけど、砂漠で喉がカラカラの状態であれば1万円でも買うかもしれない。

USPとターゲットを理解し、どうやって”モノ”と”ヒト”との価値を創りそれを最大化するか。USPが変わればそれに伴って詳細ターゲットも変わるので常にセットで考えないといけない。

表現の仕方、伝え方

モノを表現するキャッチフレーズとタグラインの関係。広告コピーというと、イケてるちょっと気の利いたフレーズを考えないといけないと思いがちだけど、それよりもタグラインは「ベタで直球で価値がわかりやすいもの」で興味をひき、キャッチフレーズは「共感を得るもの」と考える。

この場合の「共感」は、その商品に絡んだ強い感情を思い出させる何か、普段から生活者が持つ欲求や不満、不安、それが満たされそうだと思えること。

たとえば、

・その商品がない状態での不満や不安のMAXを描く
・その商品を手に入れた状態での気持ち良さのMAXを描く

この2つの視点から表現すると共感を伴って伝わりやすい。

考えはじめに何をするか

1、まず競合を調べること
マーケティングの3CでいうCompanyを知ることが大切だけど、Competitorと比べた時の競合優位性(USP)を知る必要がある。
仮想敵を調べ、自社の強みを理解する。
価格や販売場所などではなく、商品特徴的な違い。

2、ターゲットインサイトを見つける
USPに価値を感じてくれるのは誰なのか?
ターゲットが秘めている本音、欲求、不安などの心情。
ポイントは、インサイトは想像で作るものではないので、しっかり調査をしてファクトから見つける必要があり、決めつけやこうだったらいいなという理想は危険。
Ex)グルインやターゲットに近い人を集めて話を聞くことが必要

3、何で共感させ、何でわかりやすく伝えるか
(キャッチコピーとタグラインの関係)

ブランドとは。

〇〇という中で思い浮かぶものを3つあげるとしたら?と聞かれた時に自分の中で頭に浮かぶ上位3つくらいのものをイメージすると、過去の体験と一緒に思い出されることがほとんど。

ブランド=気持ちいい記憶のこと。
ブランドロゴ=その気持ちを蘇らせるトリガー。

・この気持ちいい記憶の蓄積。
・その人がその瞬間に感じている課題や悩みとの関係の深さ。
・ブランドロゴを目にする頻度。

まさに通常プロモーションで考える、体験価値の蓄積によって記憶され、ニーズに対する効果の実感、フリークエンシーが記憶を蘇らせるトリガーをつくる。

このブランディングに必要なことは、その商品の体験した記憶を蓄積(できるだけいい記憶を)すること、擬似的な体験であってもそれを体験した偽の記憶を創り出すことが必要。

CMは単純に認知媒体として考えられがちだけど、このブランド体験を擬似的に体験させながら商品情報を伝えるものとなる。
このデジタル時代においてはターゲティングしながら動画をみせることも同じ役割(擬似体験を蓄積することでブランドの記憶を創ること)を持たせることができるようになってきている。

その時の表現のポイントが、、

1、ターゲットと同じ属性の人を起用する
2、シズル感を出す
3、ブランドロゴをしっかり見せる(トリガー)

このブランド体験によって、興味を喚起し、心が動いた時に、ブランドスイッチの決め手になるのがUSPの存在になる。

そして、認知、興味、理解の最終アクションである意思決定「何に対してお金を払うのか」という問いに対しては、”商品体験によって期待できるストーリー”に対して投資をする。

だからこそ、広告プロモーションやコピーは「この商品を買う、体験をすると、あなたの人生にこんなストーリーが生まれますよ」というものである必要がある。

最後に、最も大切な店頭(現場)。
自分もある商品をプロモーションする時は必ず、店頭に行って、商品の棚、競合との並び、客層、百貨店などでの接客の様子などを現地にいって見ることを意識している。

そして化粧品だろうがなんだろうが、使えるものは実際に買って自分で体験する。(使えないものは使用者の声を聞く。)その過程の中で思いつくものや、感じる違和感をヒントにプランニングを組み立てていく事が多い。

型となる基本の考え方、項目を押さえて、自分で体験したり、反復練習(アウトプット)したりすることで少しずつ実力が付いてくるのだと思う。

これまた最後に関係ないけど、数年ぶりに満開で迎えた地元の桜祭りです。


よろしくお願いします🙇‍♂️