見出し画像

『B革新』の制度が「目的」を達成できるかどうかを考察していく【ワイ氏のコラム】


どうも、Bリーグ界のラストリベリオンことカエ・ルーです。

「B革新」については、オフシーズンにたっぷり記事にしようと思ってたのですが、バイウィークが長いので、ワーワー言っていこうと思います。

○そもそも「B革新」の目的ってなんだっけ?

みんな忘れかけていると思うので、おさらいしていく。

これ、とても大事なことなのに、すごいわかりづらい。
ゴールポストを動かしやすいようにわざとわかりづらくしてない?

公式サイトの【VISION】によると、

[B.LEAGUEが創りたい世界]

・日本中がバスケで盛り上がっている
・多くのB.LEAGUEクラブ出身選手が世界の舞台で活躍している
・夢のアリーナを中心にたくさんの人が集まり、地域を活性化する
・バスケを通じて地域や社会の課題解決に寄与する

https://www.bleague.jp/new-bleague/vision/

というのが目的のようだ。

意味が重複している部分もあるので、まとめると
「バスケで地域を元気にすること」と「Bリーグ出身選手が世界で活躍できるようになること」
ということが目的と言えよう。

この記事では、「上記の目的+Bリーグからのこれまでの話」の具体度をちょっと上げて次のように言い換えることにする。

バスケで日本を元気にすること

①クラブの安定した経営を目指す
②戦力均衡させてエキサイティングな試合を届ける

Bリーグ出身選手が世界で活躍できるようになること

③競技レベルの向上

この記事では、上記①②③をB革新の目的とする。

○「B革新」することで、この目的を達成できるのか?

先日、制度概要が発表された。
(決定事項のように出されているが、選手会との話し合いはまだの模様。)

この制度が上記の「目的」を達成できるかを次の表にまとめた。

現行制度と比べて新制度が目的を達成できるか(ワイ氏の判定)○:改善、△:現状維持、×:悪化

うん・・・現行制度よりも悪化すると思う。

①サラリーキャップ(上限8億円、下限5億円、個人MAX1.5億円)

判定:×

総評:Bリーグのスポーツビジネス事情と噛み合っていない。

【クラブの安定経営に繋がるか:×】
上位クラブにとっては、経営の安定に繋がるが、下位クラブにとってはそうじゃなくなる。現状、下位クラブにとって選手の総年俸5億円は高すぎるからだ(かと言って、下に合わせるとプレミアの意味が無くなる)。5億を必ず払わなければならないルールなら、経営は破綻する。(ちな、5億の下限が無くなるとドラフト制度が破綻する)
現行の「売り上げの○%までチーム人件費にしていいよ」ルールの方が経営安定化に寄与している

【戦力均衡するのか:×】
しない。
そもそも今出ている上限8億円、下限5億円という設定は、普通に上と下の格差が大きい。
もし、数年後に全チームがサラリーを上限まで支払えるようになったとしよう。サラリーが同一になってしまうと、都市の魅力差というどうしようもない格差を浮き彫りになるから、戦力が均衡するとは思えない。また、都会でプレイするほど 個 人 ス ポ ン サ ー が付きやすいから、この観点からも地域格差は無くならない。(リーグもこの辺の事情はよくわかってるはず)
それなら、現行のサラリーキャップ無しの方が、年俸次第でスーパーチームを作れるので地方に強いチームができるリーグになる。(例:宇都宮、島根、三遠、長崎)

【競技レベルUPするのか:×】
しない。現行のサラリーキャップ無し方が、外国の選手に対して高年俸を提示できるからだ。
スター選手条項があるが、現状は国内で実績がある選手に対して使うのがセオリーになると思われる(いくら外国で実績のあるスーパースターだとしても、日本に適応できるかわからない選手に高年俸オファーはリスクが高すぎるため)。

【改善策】サラリーキャップを設けない。(現行のままでいい)

②オンザコート無制限(外国籍3人エントリー)

判定:×

総評:「外国籍酷使」「外国籍欠場すると塩試合になりやすい」という今の制度の悪い所が改善されるどころか悪化してる。

というか🤓(^^)/🙄何で2023年7月発表のものから外国籍エントリー人数が3人に減ってるのカナ?(/_;)💦🤣ナンチャッテ🤖🤖🤖

オンザコートルールの変遷

【クラブの安定経営に繋がるか:×】
オンザコートが無制限になると、外国籍選手が酷使されるので、怪我が増える。そしたら、新しい外国籍選手を獲得しないと戦えないので、そこに費用と人件費がかかってクラブ経営が安定しなくなる。

余談だが、その追加年俸が発生した際にサラリーキャップとの整合性を取れるかは不明。例外ルールができて、「ILループ」のような抜け穴を突かれる未来が見える。

【戦力均衡するのか:×】
シーズン通してみれば、チーム間の格差はこれまでと変わらないだろう。
ただし、「1試合で見たときにの両チームの戦力は均衡するのか?」と聞かれたら「NO」だ。上述の通り、外国籍選手の怪我は増える。今ですら多いのにさらに酷使されて増える。そして、オンザコート3が可能ということは、外国籍選手が一人でも欠場したら大きく不利になることを意味する。ON3対ON2ならON3が圧倒的に有利だ。
現行のルールであれば、外国籍2人しかいなくてもON2なのでちょっと酷使すればローテーションでごまかせるので外国籍選手が一人欠けても絶望的ではなかった。

【競技レベルUPするのか:×】
しない。
外国籍選手は酷使されるため、強度の低いプレイやファウルを恐れるプレイが増えることが予想される。
日本人選手はプレイタイムが減るので、日本人の強化には繋がらない。特に日本人ビッグマンがプレイタイムを得ることが難しいリーグになる。

【改善策】外国籍エントリー数を増やす。または、オンザコート1-2-1-2にする(これについては別に記事書くわ。)。

③選手流動性(ライトな契約ができるようになる)

判定:△

総評:プレミアのチームにとっては悪くはならないと思うが、Bワァンのチームは選手を取られる事態になったらかわいそう。

【クラブの安定経営に繋がるか:○】
短契約をはじめとする契約の自由度が上がるので、経営にとってはプラスだ。

【戦力均衡するか:△】
今と変わらん。

【競技レベルUPするのか:△】
今と変わらん。

【改善策】この新制度で良いと思う。問題があったときに変更できるタイプのルールだし。

④ドラフト

判定:×

総評:ファーーーー!!!!(訳:逆に、推進する理由を教えてください)

ここから先は

1,947字 / 1画像

限定記事が読めるよプラン

¥590 / 月
このメンバーシップの詳細

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?