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ドット絵描きの私が、配布するカレンダーの文字をドットにしないのは何故か解説してみる

いつも応援いただきありがとうございます。びねつです。

私ごとで恐縮ですが、毎月SNSでスマホ画面用カレンダーを公開しています。所々、途切れることがありながらもアカウントを開設したときからずっと続けている試みです。
続けてきたおかげか一定の需要とご好評をいただいており、創作のモチベーションを高める一因となっております。誠にありがとうございます。

そして今回、マシュマロでカレンダーに関する質問をいただいたので、カレンダー関連で疑問に思われている(だろうこと、過去の質問含む)ことについていくつかお答えしようと思います。
ほとんど私の自己満足なのでお時間を頂戴することが心苦しいのですが、読まれた方の何かの足しになれば嬉しいです。



カレンダーの文字をドットにしないのは何故か

まずはマシュマロからお返しします。

「カレンダーの文字をドットにしないのは何故か」といった内容です。
簡易的に識字性の乏しさが原因で採用してませんと答えていますが補足を入れます。

そもそも私の絵はドットを描画技法として採用しているだけで既存のゲームなどで採用されているドット絵のようには描かれていません。
具体的には同じ画面上で他のオブジェクトと共演できるような規則的に統一されたものではありません。なので平面感と規則性の強いドット文字との相性がそこまで良くないと認識しています。

チップチューンやゲームのイベントフライヤー等、絵と文字の双方にドットを採用するとイベントの趣旨とも合致しやすい場合には合わせることによるメリットがあります。
しかしカレンダーのような実用性とインテリア性が求められる場面では絵と文字、それぞれの機能を破綻させずトータルでも価値を発揮できるようにするために現在のような形に落ち着かざるを得ませんでした。

ドット文字を採用するとなるといろいろなところの整合性が取れず、「現地イラストレーターが作った本格インドラーメン(フランス風)」のようなめちゃくちゃなものが出来上がってしまいます(ものの例えです)。

以上がカレンダーにドット文字を用いない理由です。


現物のカレンダーを作らないのか

回答としてはまっとうな形では作りません。
やるための理由よりやらないための理由が多い(強い)からです。

やらない理由としては
・販売可能な期間が限られている→ 在庫リスクが高い
・最低発注数が多い→総原価が高く、その分販売価格に転化される→売れない
ことなどがあります

カレンダーは1月スタート、4月スタートにしろ、そのシーズンに入ってからは売りづらい商品です。そのためシーズン前に集中してイベントへ参加して売り切ることも対策として考えられますが、それだけイベントに参加するならもっと別のものをたくさん売りたい気持ちが勝ちます。
発注数についてもですが、需要が予想できない中でカレンダーに予算を突っ込めるほど潤沢な予算を個人である私は持っていません。

これは持論なのですが赤字が前提となる見立てで予定を立てるのは創作活動に対する無責任さの表れです。赤字は継続的な創作活動を難しくします。継続的な活動が見込めるからこそ創作物の影響に対する責任が持てる。責任が持てるからこそファンの方々は安心してご予算を私に割いてくれるのではないかと思います。

趣味にしろ職業にしろ、創作を個々人が思う現在の地位に留めるためには社会との関係にも注意を払わなくてはなりません。そのため採算の取れる予定が立たない限りは現物のカレンダーは作りません。

仮にもし作ることがあるとすれば、販売と購入のハードルが下がるような方法を取り入れる必要があります。

クラウドファンディングのように需要と供給が完全に把握できるものや、ポストカードの絵柄を各月のものとし、イベントでは直近何ヶ月分かを販売することで在庫リスクを低減する方法などがパッと考えつくところです。

ただいくら有用な方法が思いついてもカレンダーよりもっと売れる(から作りたい)ものはありますし、カレンダー作り(と販売)に力を入れる可能性はかなり低いです。

これは優先度の問題で、例えばラーメンすらまともに出てこない現状問題だらけのラーメン屋さんがラーメンの品質やラーメンに関するオペレーションを改善する前に、今までメニューになかったものの開発にリソースを割いていたら、そんなことより最低限ラーメンを安心して食べられるようなお店にしてほしい気持ちが湧いてくると思います(そんな店にそもそも行かないというのはさておき)。

お客様のご要望に応えられないことを恥じる気持ちは大事ですが、それよりも私は自分の作るものに無責任な人間にはなりたくありません。
それにお客様の言葉をそのまま反映させることが最善とも思いませんし、自分の責任の範囲で行動してもお客様を満足させることは可能です。

現物のカレンダーについては私が大手雑貨屋さんやキャラクターグッズを取り扱っている企業にお声がけいただけるその日までお待ちいただけるとありがたいです。


土日祝日の色を変えないのは何故か

私のカレンダーは土日祝日の色が変わっていることに利便性を感じる特定の方へ向けた物ではなく、万人に向けた物だからです。
めんどくさいこだわりも交えて説明すると、色が変わっていなくてもカレンダーの価値が大きく下がることはなく、色が変わっていることで特別強い価値生じることない。
それでいて作成の手間が2段階くらい増え、カレンダーの美しさが損なわれる(個人的には色が統一されているほうが美しい)と考えているからです。

卓上カレンダーなどでメモのスペースがある場合は土日祝日の色が変わっていると曜日感覚や予定までの日数が感じられやすくとても使い勝手が良くなるとは思います。
ただ今日の日付を表示してくれるわけでもなく、予定も書き込めないスマホの画面に表示する画像に機能性を追加しようと試行錯誤するのは、私のような作家が直接カレンダーを作成して配布する意義を薄めることになります。

実用性目的ならば大手メーカーの販売されているカレンダーや手帳などが良いでしょう。素晴らしい作品を身近に置いておきたいのなら複製原画やキャンバスプリントを買いましょう。

私のカレンダーは肩肘張らないで済む程度の作品をほんの少しの利便性を含めることで邪魔にならない場所に何とか置いてもらっている状態なので、大量生産の既製品と同じ土俵で真っ向勝負できるだけの力はありません。

それでも愛してくれる方々のために細々と作り続けていこうと考えています。いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。


〇月はカレンダー出ないのか

これは質問に対する回答ではないのですが、月末や月の初日に「〇月はカレンダー出ないんですか?」といった旨の質問がよく送られてきます。カレンダーを楽しみにされるお気持ちは大変ありがたいのですが、モチベーションが著しく損なわれるので送られる方は本当にやめてください。

カレンダーが勝手に出るものなら私もここまで神経質になっていないのですが、あまりにも送られてくることが多く、難儀しています。
本来必要だったはずの通知を覆い隠してしまいますし、それを確認するためにかなりの労力が持っていかれます。
その労力があれば質問に答える時間でカレンダーが作れます。この文を読まれた方はその質問をされる前と後で結果が変わるのか、また誰にとってどのように変わるのか考えた上で質問を送ってきてください。


質問しづらくなってしまったかもしれませんが、マシュマロはいつでも開いています。皆様からのメッセージをお待ちしています。Twitterでの回答はもちろん、内容によってはこちらのnoteのような形で返答いたします。

https://marshmallow-qa.com/bnt369?utm_medium=url_text&utm_source=promotion


最後まで読んでいただきありがとうございました。

びねつ

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普段は絵を描いてSNSで発信していますが、noteを通して言葉も発信していこうと考えています。今後も発信していくのでご興味あればフォローをお願いします。

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