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ブランド&マーケティングの教科書コラム

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ビジネスパーソンが知っておきたいブランドやマーケティングの一般知識、実務的な専門知識を月・水・金曜日にアップします。
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2024年4月の記事一覧

競争の激しい市場で新ブランドを売る

今回は「ブランドを売る」についてあらためて考えてみましょう。簡単に言うと、ブランドを売るとは「いままでにない新しさを認知させる」ことと説明できるかもしれません。先週の日経新聞で連載されていた「ユニクロ秘録」はとても面白い記事でした。そのなかにNYの繁華街ソーホーでユニクロが旗艦店を出した時の苦労話が書かれています。 『足元から頭の上まで1列を同じ色にそろえて服を積み上げる「ボリューム陳列」は、ユニクロが日本で始めた店舗デザインの基本だ。特に壁際は、タペストリーをイメージして

柔軟な新規事業戦略は「流れ」を掴む

新規事業の立ち上げを行っている部署でありながら「十分な成果が出ていない」と考えているビジネスパーソンは意外と多いのではないかと思います。ある調査によると「起業家が思い描いた当初の計画、新規事業の93%は不成功に終わる」というデータもありますから、100案件中1〜2件の成功だとしても仕方ないかもしれない。ただこれでは満足できないのが現実です。4月になって増えてきている問い合わせのいくつかにはこのような新規事業の相談が含まれています。なかには既に立派な製品ブランドを持っている企業

リーダーブランド失敗の舞台裏

リーダーブランドが市場地位を失う理由には、例えば市場の変化への適応のまずさがあります。顧客のニーズの変化、新たなトレンドや技術革新、競合他社の動きなどに対応できなかった結果、リーダーの地位を失う。これは頑張ったにもかかわらず市場の変化に適応できなかったことが原因のように見えますが、実際には「やってみたが対応がまずかった」が本当の理由ではないかと思います。なかには意図的に「対応しないという決断を下した」などもあります。そんな事例を見てみましょう。 ネットフリックスの台頭とブロ

日本企業の社長の夢

今週から新年度を迎える会社も多いと思います。新年度に際して、先日、日経新聞で「社長、夢は何ですか?」という記事を読み「とてもいいなぁ」と思いました。まるで入社式で新人に語るようでした。「夢は成長の原動力だ。社会を変え、世界市場を席巻し、常識に挑む。日本企業の社長の夢からは覚悟が透ける。停滞の30年で蓄えた人材や資金、技術を武器に世界で再び勝負する。(日経新聞4月1日)」。数えてみると117人の社長が登場しておられました。時間をかけて、すべてじっくり読みました。感じるところも大