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やっぱり、好奇心

インプロをやるにあたって、「何がいちばん大事ですか?」 と聞かれたとしたらなんと答えるか、考えてみました。

アドリブがうまくなりたい、とっさの返しがうまくなりたい、アクシデントに強くなりたい、などなど……という動機をもってインプロを始める方も多いと聞きます。私自身は、8年ほどインプロを続けていますが、アドリブがうまくなったか、とっさに反応できるかどうか、はわからないですが、アクシデントにはそれほどびっくりしなくなったかも、しれません。

とっさに、という部分でいうと、ずっと一緒にやってる仲間とのトレーニングでさえ、なかなか言葉や行動が出なかったりすることもあります。

ただ、「うまくやってやろう、おもしろいこと言ってやろう」みたいな気持ちがすべてを台無しにする、ということは経験から学びました。「がんばろう!」と思うほど、求めていることから遠ざかっていく感じがしています。

もちろん、インプロがうまくなりたい。でも、がんばればがんばるほど、そうじゃなくなる。じゃあ、どうしたらいいの? ってことなんですけど。

つらつら考えてみるに、「好奇心」に尽きるのかもしれないです。

打合せもなにもなくて、相手が何をするか、何を言うかまったくわからないなか、すべてをイエスで受け入れてアンドでアイデアを足していく。相手の思惑とはまったく違うことを言っちゃうかもしれない。私の一言で、このシーンを台無しにしてしまうかもしれない。私のやろうとしていることがまったく伝わらないかもしれない。

あるいは、もうほんとうに、何もアイデアが浮かばないときもあります。考えれば考えるほど、不安の方が大きくなってしまって、手も足も出なくなってしまう。もうこうなると「直感」すら働きません。

そこで、「好奇心」のフル稼働です。

いま目の前で何が起こっているのか、考えても理解できない(だって、即興でその場でできあがっていくことですから、辻褄合わないことだってたくさんあります)のならば、そこにあるなにかひとつを見つけて、そこに好奇心を働かせる。この場に何が出てきたらおもしろいか、好奇心を働かせる。

いずれにしても、「これが正解!」というものはないので、だったら、自分の好奇心に基づいてやってみることしかないんじゃないかな、と思うのです。自分の思惑とは違うように受け取られたとしても、そのことでさらにストーリーが発展していくことだって大いにあります。むしろそれがインプロの醍醐味です。

いろいろ考えるより、直感。それも働かなければ、好奇心。(「直感」より「好奇心」のほうが能動的ですもんね。意図的といってもいいのかもしれないです)それってなんだろう? とおもしろがれると、インプロも仕事も人生もおもしろがれるんじゃないかな、と思う夏の終わりです。










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