処刑少女の生きる道感想

『かつて日本から訪れ世界に大災害をもたらした《迷い人》。
彼らは過去に世界を滅ぼすほどの厄災をもたらしたことから「禁忌指定」となり、人知れず処刑する必要があった。
《迷い人》の処刑を生業とする《処刑人》のメノウは、ある日、日本人の少女・アカリと出会う。
いつものように任務を遂行しようとしたメノウだが、アカリの“とある能力”により失敗に終わってしまう。
アカリを確実に処刑するため、彼女を連れて、いかなる異世界人をも討滅可能な儀式場があるというガルムの大聖堂を目指すメノウ。
殺されるために旅をしているとは知らず純粋に楽しむアカリの姿に、メノウのなかで何かが変わり始めていた。
これは、
彼女が彼女を殺すための物語。』

https://virgin-road.com/story/より抜粋

本作は2022年の春アニメとして放送配信された作品だったが、放送開始時には変わったタイトルだと印象付けられた程度だったのが、最終話である12話を見終えた時には、
「今後の展開が気になる、メノウの生き方そのものだ」
と言う気持ちに変わっていた。

これまでのメノウは処刑人としてその役割をこなし、悪性の異分子を取り除く事をただ全うし続けただけの日々に、アカリと出会う事で処刑する以外にも生きていく道を見い出せる日が来るんじゃないか?と淡い期待を寄せるメノウの心情変化を興味深かった。

人間として生きる上で、自分に好意を持ってくれている事はきっと誰しもが嬉しく感じる事だと思うし、それが生き甲斐にもなる事だってあると思う。
原作ノベルは未読なので推察にしか過ぎないが、アカリはもう世界の顛末をもしかしたら見届けた上で、メノウにはこうあって欲しいと都度『能力』を使い続け、修正を施して来たんだと思っている。

処刑される身だと分かっているはずのアカリなのに、ここまでメノウに懐くのはアカリが過去にそうさせる理由が出来たから?それとも未来で何かを見て来たから?とまだ明かされていない部分が多いが、原作ではその先が描かれているものじゃないかと思う。
最終話でメノウの師匠である導師(マスター)が立ち上がり新たな展開があろう場面で終わっているので、まだまだ物語は終わらない。
むしろ、これからが本題なのだと言わんばかりの雰囲気を視聴者に感じさせて2022年春クールを終了させた演出がなかなかに憎い。
拙い文章ながら、是非とも「処刑少女の生きる道」をこの記事を読んだ貴方も見届けて欲しい。

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