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初心者がストVを遊んで心折れて挫折した話

※筆者の足跡。
ストVで(パッドで張り手が出せないので)連射コンで本田を遊び、上手い人の動画を真似しつつ荒らしながらぶっ続けで練習しつつ二週間くらいでウルトラゴールドにギリギリ到達。(開幕本田堕ちスタート)
同時期に始めた友人に「戦っていてつまらない」と非難され続け、自分自身「これはキャラやセットプレイで勝っている(対策を押し付けている)だけで自分が上達しているわけではないな」と確信したため、初心者向けであるというエドに転向。
案の定コマンドやコンボがうまく完走できず。Vトリガーや投げ関連のテクニック、多すぎるキャラ対策など覚えることが多すぎてスーパーブロンズ〜シルバーを行ったりきたりしていて、それ以上上達の兆しが見えず、掛かるストレスと得られる楽しみが釣り合わなくなったため四六時中ゲーム起動している状態からさらに三ヶ月程度で燃え尽きてゲームから距離を置いた。

・はじめに

ストリートファイターVを初心者が遊んだ結果、心が折れた。
筆者はスマブラ勢であり、(格闘ゲーマーというほどではないが)スマブラ以外にも遥か昔、他の格闘ゲーム自体をプレイしていて格ゲー経験はあったのだが、ストVは挫折して挫折して挫折しまくった。

ストVが初心者向けというのはある程度格ゲーをやりこんだ経験者の目線だと思う。何も知らない自分からするとぶっちゃけめちゃくちゃむずかった。

筆者は古今東西色んなゲームを遊んでいる。
それこそlolみたいなストレス値が高いゲームもやっているわけだけど、耐え切れずにアンインストールをしたのはストVが初めてだ。遊んでいる途中に蓄積されたイライラが余りにも抑えられきれない結果、ストレスを吐き出そうとして書かれたこの記事は20,000字を超えてしまった。

とにかく遊んでいてイライラしてばかりだった。ここまで自分がイライラするゲームを遊んだの初めてだと思う。(なぜ筆者がそうなってしまったのかは後述)

ただ、これは『ストVが誰にとってもクソゲーである!』と言っているわけではなく『こういう理由で自分は無理でした。駄目でした。続かなかったです』というだけの記事である。(実際、スマブラからストVやって結果を出したプレイヤーさんもいるらしいので)
この記事では局所的に良くない部分について取り上げているが、ゲームそのものをクソゲーであるという風に切り捨てて結論付けているわけではないのでご注意いただきたい。


むしろガチゲーとしての評価は逆で、後述させてもらうが、ストVは多分一定ラインまでゲームを遊べるように(ガチ勢に)なれさえすればとっても面白いゲームなのだろうなと思う。それは間違いない。ストVのプロの人の対戦動画は見ていて実際、かっこいいと思うし憧れる。(実際にやってみると難しすぎて、動画を見ればそれでいいやってなっちゃったけど……)

ストVはただただ、初心者が越えるべき壁が高いだけだ。(……それが自分にとっては問題となったわけだけど)

正直このゲーム、よく人口減らないでやっていってるなと感心するくらいにはとっつきづらいゲームだった。格ゲー経験がない状態でこのゲーム始めた人の9割は序盤で挫折すると思う。
知人や自分が辞めていく中で、ぶっちゃけストVというゲーム単体に問題があるのではなくて格闘ゲームというジャンルがもう限界なんじゃないかという結論に至った
遊んでいる人たちやゲームには何の罪もないのだけれど初心者的な目線だと多分、格ゲーは今後も流行らない気がする。

・遊ぶにあたって躓いた部分

①攻撃ボタンが6個もあるため思ったように技が出ない

「いきなりそこからかよ!」というツッコミが入ること間違いなし。

もちろん、これが昔から続くストリートファイターというゲームの魅力なのは重々承知なのだが、パンチボタン3個とキックボタン3個に必殺技がそれぞれ4種類ずつ複雑なシステムの同時押しコマンド多数キャラごとの特殊入力技多数というのは流石に選択肢が多すぎて難しすぎた。取れるアクションが多すぎて到底ついていけない。

ボロボロのロボットを操縦しているような気分だった。
コントローラーでやっていたのがよくなかったのかもしれないが、場所を取るアケコンをよっしゃ買うぜ!というほどの気力は、ゲームを始めたばかりの筆者にはなかった。
筆者は遥か昔、コントローラーでMELTY BLOODとか北斗の拳とか(お遊びで)やっていたが、ストVはこれらの格闘ゲームよりも明らかに攻撃ボタンの数が多くて、どこで何の技が出るのかを把握するのに多大な時間がかかってしまった。しかもゲーム性的に咄嗟に出す技のチョイスが大事なので(◯◯連打しとけみたいな大味なゲームではないので)状況に合わせて出したい技が咄嗟に出ず『どのボタンがどのモーションの技だっけ?』となり、これが終始フラストレーションだった。

遊んでいて気付いたのがパッドだと必殺技など上手く出ないキャラが存在しているということ、これだけやれることが多い割に十字キーなどにボタンを設定させてくれないというのも不親切に感じる。

ゲームセンター文化が昔よりも盛り上がっていない昨今で値段が高くて場所を取るアケコンをゲームの基準点にずっと据えている意味も正直よくわからなかった。



改めてスマブラの攻撃ボタン二種類制に感動した。

スマブラはコントローラーでやっていたら基本の(PSコンでいうところの○✖︎□△の)4ボタンのうち1ボタンが余るくらい簡単なのだ。

初心者にとって直感的な操作は正義だと思う。

スマブラは対して上手くなくても迫力あるプレイングができるけど、ストVはキャラの動きが単調な割に必要な入力が難しすぎる気がする
ストVはスティックを使っての基本的なキャラクターの移動ですら非直感的だ。とんだ後の空中ジャンプとかも基本ない。(めっちゃ硬派や……)


②コンボが難しい上に、キャラごとにトレモに深く潜る必要がある

格闘ゲームのコンボはスマブラとは違って直観的ではなくボタンの種類が多く正解も一種類しかない(その後の展開での誤魔化しが効かない)。

そんな中でも『ストVはコンボが繋がりやすいゲーム』と言われている。完全目押しのゲームやコンボゲーと言われている格闘ゲームと比べると、これはある意味で正しいのだと思う。実際、ストVはコンボの入力の難易度に相当の緩和を入れているようだ。

しかし少なくとも筆者の基準だとコンボを繋げるのが難しかった。

というのも今まで筆者がやってきた格闘ゲームはどの技もキャンセルのタイミングがほとんど同じだったため、ボタンを連打していたら簡単にコンボが繋がったのである。(北斗もバスケコンボなどは確かに難しいが、レシピさえ覚えてしまえば少なくとも基礎のコンボ自体ならそこまで難しくない。まあ、こちらもまともに戦えるようになるまでの敷居はストV以上だと思うし筆者はそこまでは行けなかったが……)

ストVは技ごとの硬直があるし連打をしてもつながらないし相手の攻撃に対する反確だって技によっては連打じゃ当たってくれない。それどころかキャラクターによっては連打用の技が暴発する。ストVプレイヤーに『その程度でめげるのか』と嘲笑されるやもしれないが、情けないことに筆者はいつまで経ってもいつまで経ってもどれだけ練習しても全然実戦でコンボが繋がらなかった。もう好きなだけ笑っていただきたい。(加えて①の6ボタン制に対する不慣れもコンボの習得難度に拍車をかけていた気がする。これでも一カ月はずっと練習していたと思うけどそれでも実戦で精度があがらずミスばかりしていて心底うんざりした)

しかもストVはキャンセルタイミングが技ごとに別々なので1キャラのコンボを覚えたとしても新しいキャラを使った時にそのキャラのコンボをゼロから練習しなければならない
(しかし全部の技のキャンセルが同じだったらガードに対する固めが強くなりすぎるしゲームとして成立しない。だから、キャンセルタイミングを全部統一しろとは到底言えない。ストVのコンボが難しいのは『そういうもの』なのだ)

遊んでいてキャラごとに操作の共通項みたいなのが見えづらく「このキャラしっくりこないからこっちのキャラをやってみよう」が気軽にできないのが個人的にストレスだった。

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※同時に色んなキャラをやってみようと訳が分からなくなって混乱する。

加えて状況別にコンボレシピが微妙に違っているのがさらに敷居を上げている気がする。

・弱攻撃コンボ(初心者が最初にレシピを見つけやすいとんでもない罠コンボ。詳しくは後述)

・遠距離で◯◯がヒットした時用

・中距離で◯◯がヒットした時用

・カウンターヒットした時用

・スタンした時用

等等。

これを6ボタンで特殊入力も混ぜながら最終的には繋げられるようにしなければいけない。しかもどれもこれも全然コンボレシピが違うので、キャラを満足に動かせるまでの道のりが遠すぎる。

また、コンボを調べる際に状況別の理想のレシピが大量にヒットしてしまい、初心者が実戦で使える実用的な基本コンボが検索しても簡単に見つからないのも辛かった。

大体の初心者がコンボを調べて羅列されているページで真っ先に目につくのが弱→弱→必殺技のコンボ。

これはwikiなどで始動技弱中強の順番にコンボが掲載されているが故のとんでもない罠でさほど使用頻度は高くないのに目につくせいで初心者が真っ先に練習することになり、全く繋がらなくて開幕萎える原因になる。


ストVのゲーム内のコンボ練習のトライアルもそれ誰がやるんだよという難易度のコンボばかりやらされて、こんなモードがあると逆に初心者が居なくなるのではないかとすら思う。
コンボの練習を始めて呪文みたいな長さのコマンドに挑んで成功率の低さにまず挫折するだろう。

(こ、こんな難しいことを安定させないといけないのかよ……)

そう考えるようになって、今後やっていける気がしなくなる。

これでも発売当初は「スト4と比べてコンボが簡単すぎる」と、一部のプレイヤーさんが騒いでいたらしい。いやいやそういうとこやぞ。プレイヤー人口を絶滅させたいんかーい!!(ガチンコの格ゲーマーのコンボに対する慣れっぷりは率直にすごいと思う)

正直にいうと、コンボ練習が必要というだけで、もうどんな格ゲーもやりたいと思わなくなってしまった。もしも初心者向けのワンボタンで繋がるお手軽コンボシステムがあろうと最終的に行き着くのが非直感的なパターンの決まりきったレシピのコンボ練習ならばやりたいと思わない。



③それ以前にコマンドが出ない(特に昇龍、真空、一回転コマンド)


コントローラーでやったのが良くなったのかもしれないが、咄嗟のコマンドが本当にうまく出ない。同じような理由で、実は筆者はスマブラでもリュウやケン、テリーを使うのが苦手だったりする。(特に苦なのが立ち回りで咄嗟に出すテリーの大Jパワーダンク)

今までやってきた格闘ゲームと比べてもストVはあらかじめ決まっている長いコンボの途中などではなく、見合っている咄嗟の状況からコマンド技を出す頻度が高いからなのかもしれない。コンボの途中や固めの途中でコマンドを入れる時もストVはコンボ自体があまりにも短すぎて(例えば弱弱とか弱中の2回しか猶予がない)ヒットかガードか確認するのに必死すぎてコマンドの入力がうまくいかないことが頻発した。
筆者は簡単だと言われているベガのタメ技コンボすら安定して出せなかった。お見合い状況でコマンドミスってジャンプ小パンが出たりしてその度にため息が出た。(ため技だけに)

ため技に関して具体的に何秒溜めればいいのかゲーム内に情報がないのもどうかしていると思う。

複雑なコマンド入力を要しない同時押しで戦えるキャラがいると知って喜んで早速使ってみようと思ったら、結局こちらもPボタン4連打とか要求してくる。(ボタン長押しじゃダメな理由がよくわからない)
実際本田の張り手の打ち分けなど、いつまで経ってもコントローラーでは連射を使わない限りうまく出すことができなかった。
ゲームを作っている人が、動かすために意地でもトレモで練習させたいのだなと感じたし。コマンドができない人の存在を最初から認知していないように感じる

対戦をやればやるほど惨めな思いをしたし、あまりにもうまくいかなすぎてゲームを作っている人達に馬鹿にされているような気分に陥った(追い詰められすぎ)。

④起き攻めにタイミングよく技や掴みを重ねられない


これもストV特有な気がする。今までやってきた格闘ゲームだと大体ダウンした相手に対して小技を連打していれば相手の起き攻めに技を重ねられてそこから固め展開になっていたのだが、ストVは起き上がりに技を連打すると攻撃がすり抜けるようになっているためちゃんと起き上がりをみて攻撃のフレームを重ねないといけない(ストVはこういう細かな部分に読み合いやテクニックを入れている。そこがゲームのこの魅力なのだろうけどそれができない人からすると『なぜこんな単純なことも簡単にやらせてくれないのだ』という気持ちになってしまう)。
展開によってはダウンに対してステップを合わせるのすら難しく、技ごとに重ねのタイミングが結構シビアで起き攻めがいつまで経ってもうまくいかずにやっていてかなりストレスを感じた。
初心者同士の対戦で、お互いが起き上がりに対して技をうまく重ねられずに起き上がった側の投げ抜け目的で入力した投げが逆に通りまくるという地獄のような光景が散見された。一体全体どういう経緯でこんな異常な難易度になっているのか説明してほしいくらい難しい。

ていうか、このゲーム受け身を二種類も用意しておく必要性を感じない。
起き上がりのモーションがキャラクターによっては非常に見づらいのも良くないと思う。

知人曰くこの『重ねが難しい問題』のせいで初心者帯ではダウンした側が起き上がりに暴れ択を連打するのが当たり前になっていて、ダウンさせた側はほとんど誰も起き攻めができないため『ダウンさせた側が有利』というゲームとしての前提が全く成立していないらしい。

重ね一つに練習をさせてくるのは流石にちょっと馬鹿げているんじゃないかなと思った。


⑤起き攻めの択が多すぎて意味不明

起き上がりのシーンでの投げとコマ投げと無敵技と打撃暴れと垂直ジャンプとガードの相関性がさっぱりわからない。普通に考えればどれが何に強いかなどわかりそうなものだが各種重ねがあまりにもうまくいかないせいでやっていて強弱を実感することが出来なかった
それに加えて下記の『遅らせ関連のテクニック』が入ってきて頭がこんがらがってくる。


⑥仕込み関連のテクニックが複雑すぎて混乱


まず、遅らせグラップで混乱した。

全キャラのコンボの固めのタイミングに合わせてグラップを遅れて入力というのがあまりにもシビアかつ難しすぎる。これができないと何が何だかわからないまま掴みで延々ハメ殺されるが、できないならできないで全てカウンターヒットになって死ぬ。投げ関連は初心者からすればわからん殺しされているだけでストレスしか溜まらなかった。

ガードやステップ中に投げや色んな行動を仕込めるようになっているのが全ての元凶な気がする。

このゲーム複数の攻撃択を潰せてしまう防御択が大量に存在している。

ガード中に投げを仕込んだり、ガード中にジャンプを仕込んだり、ガード中にステップを仕込んだり。(しかもこれ入力によっては同時に全部仕込めるらしい
コマ投げにジャンプを仕込んでそれをキャンセルしたり、ガードに攻撃を仕込んだり、ガードに遅らせて投げを仕込んだり、後ろ歩きガードに攻撃を仕込んだり、ガードにジャンプを仕込んだり、相手の置き攻めに遅れてガードを仕込んだり。
それを潰す選択肢をさらに潰すために『早め遅らせで掴みや攻撃を仕込んだり』一周回っていきなり投げてみたり。

いや、え何これ??????????????????????????

本当に何も知らない人からすると『???』だ。
このあたり、とにかく理解が難しく初心者にとって意味不明なことになっている。

ゲーム内の情報にはこんなテクニックの説明はどこにもなかったが、これは開発している人が意図している物なのだろうか?

特定の仕込み行動をすることで、複数の択潰しができるようになっているのは初心者が始めるゲームとしてハードルが高すぎるのではないかと思う。

できるかできないか、知っているか知らないかで差が出るようなテクニックはプレイヤーをわくわくさせる。
どのゲームにもそういうテクニックはあるが、流石にここまで複雑化してしまうと『知らない、知れない、できないプレイヤーからすればストレスでしかない』というデメリットをより感じやすくなる気がする。

こんな仕様の穴を突いているようなテクニックがこんなに大量に存在していて良いのだろうか?

それが影響しているのか定かじゃないが、このゲーム初心者帯では困ったらガード状況だろうが膠着状況だろうが起き上がりだろうが雑かつ適当なタイミングで投げを入れ込みまくるプレイヤーが沢山いて、初心者が丁寧に戦おうとすると本当の本当に嫌な思いしかしない
初心者同士の対戦では意図しない投げが通りまくってお互い首を傾げる光景が散見された。
この仕込み投げとにかく凶悪なのが、シチュエーションごとに狩るための行動が細かく違ってくるということ。
(筆者は投げの入れ込み癖を習得できなかったので出来ず終いだったが)投げを仕込む難易度と、投げ仕込みを狩る難易度が=じゃないため『とりあえず困ったら投げ仕込んでおこう』が初心者帯では余りにも安定すぎて崩そうとする側は投げが一生崩せずに投げられ続けて本当に嫌な思いをする
しかもこの投げ抜け入力のタイミングが相手依存で初心者だと入力タイミングを間違えて運ゲーになりやすく、読みは合っているのに相手のミスで投げ抜けが早め遅らせや投げ暴れのタイミングになってしまいこちらが投げられるというとてもとても不快な思いをすることになる。
起き上がりだろうが固めだろうがめくりだろうがいつもいつも仕掛けている側の自分が適当な相手の入力に投げられて本当に嫌な思いをした。
相手の雑な入力に対して、細かく考えて丁寧に頑張ろうとするのは間違っているのだと気づくのに時間がかかった。

しかも仕込み関連は難しすぎて大会などでは上級者が読み合いで何をやっているのかさっぱりだし読み合いの速度も早いから解説もされないし凄さや面白さがいまいち伝わってこない。

じゃんけんにウェイトが行っている格ゲーで全てのじゃんけんの択を知らない、実行すらできない人が大半というのがそもそも異常というか、上級者向けのゲームデザイン故か細かな部分が複雑怪奇になりすぎている節がある。これ多分グーチョキパーの種類を減らすか、(上級者からするとたまったものじゃないだろうけど)仕込みをやると特定の行動に化けるとかしてわかりやすくしないとほとんどの初心者はついてこれないと思う。

⑦対空ができない

加えて対空ができないのが本当にイライラした。飛びが見えてもボタンが押せない。押してもタイミングやそもそもの立ち位置が違うなど。いつまで経っても上達できている気がしない。
加えて筆者自身の無知さが泥沼の原因だった。

対空は意識を割いていないと落とせないという大前提を理解していなくてかなりの間、自分は反射神経が悪い人間なのだと思っていた。

しかもこのゲーム、飛びから落下を遅らせられるという択を持っている胡散臭いキャラクターが居るせいで、飛びの読みが決まって対空技の入力自体がきちんとできているのにこっちが負けることがある。こういうキャラには自キャラに優れた対空技が無いと弱などの空対空がせいぜいで、大したリターンが取れずに飛ばれ放題=攻められ放題で根本的な対策ができずに勝てても全く面白くなかった。割と本気でしょうもないと感じる。

⑧中足確認ができない


ワンヒットの中足を確認できるかできないかで強さが露骨に変わる。
このゲーム、プレイヤーの肉体性能や環境に依存しすぎだと思う。高HZモニター導入しないとできない中途半端なラインのアクションがあるのがおかしい話で、できる人はできるという入力があるのはゲームとして問題だと思う。(まあ、でもこれはゲームの問題じゃない気もする……)

⑨最低限対戦が成立するまでに必要な知識があまりにも多すぎる


ストVは普通に遊んでいると知識がないとゲームにならないような一方的な展開が頻繁に発生するようになっている。

例えば反撃確定行動だ。
このゲーム、反確のタイミングが余りにもよくわからない。相手の中足と大足の違いがよくわからないし、ガードしてから攻撃を返せるかどうかの判断があまりにもわかりづらいし、必殺技をガードした後の反撃フレームも遊んでいてさっぱりわからない。
攻撃をガードした後に『今のやっぱなし』みたいなキャンセルをしてくるキャラクターが余りにも多いし(実際にはターンが終わっているはずなのに)まだ攻撃が続きそうなわかりづらいモーションを持っているキャラや、必殺技の大中EXのガード差でできることが違ってきたりするようなキャラが大量にいる。
そもそも一部のキャラの大攻撃や必殺技はガードしてもこちらが不利背負ってるし、知識が無いと一生ぼったくられて一生画面端で固められて殺され続けるわけだけど、画面端ハメをやられるのがあまりにもストレスでこの部分だけは正直、フォロー無しで心底つまらないと感じた。
反確関連はキャラの数が多くなりすぎて到底覚えきれないが、覚えていないとそれだけで一方的な試合展開が一生続く。結果、上達以前にランクマで対戦する度にひたすら嫌な思いをすることになる。トレモで対策を覚える過程も正直面白くないし準備をするだけでも手間だし、キャラクターが沢山いるせいで練習しても実戦の機会がなかなかやってこない。

またストVは、『対策をしていなかったから負けた』ではなく、『対策を知っていないとゲーム自体が始まらないキャラ』も多数いる(ダルシムとかララとかバルログとか本田とかベガとか)。

上級者さんはこういった極端な動きをしてくるわからん殺しキャラに対して『わかれば普通に戦える(ゲームが始まる)』というけれど、それはつまり『たくさんの初心者がわかる前に必ず最低一回は全員が手も足も出ずに嫌な思いをするキャラ』ということでもある。
(特にダルシム、マジでダルシム。ちなみに上級者の方からは「こんなバカみたいなキャラ最初期からぶち込んでおいて何が格闘ゲームじゃい!」という超辛辣な意見を聞いた)

こういう極端なキャラはゲームに存在しているだけで人口を減らすだけなので最初からいない方が良いんじゃないかと思う。

こういうキャラは『勝てて嬉しい!』という気持ちが湧かなくて勝ったらため息が出て、負けたらイライラする

ストVはスマブラと比べるとキャラの座標の動きの選択肢が少ない分、状況の再現がしやすすぎるゲームだ。誤魔化しが効かないため、分からんキャラのわからんっぷりが本当に凄まじくわからないと同じ技を振り続けられてそのまま一方的にそれこそ無限に殺され続ける。(その代わり知識があると無理が少ない。スマブラは突き詰めると上級者同士でも相性的に無理なものが無理になりやすい)

向き合わないといけない技の知識が深く要される=『分からん殺し』にウェイトが置かれがちで、漫然と試合をしていても一生わからないままで、対戦とは別にトレモで勉強の時間をガッツリ取らなければいけないし、ゲームの基礎システムで自然と直感的に対処できる部分が少ない。

わからないとそれだけで一生殺されるし、最初はわからないと必ず殺される。わからん殺しの頻度が高いしキャラクターが多い上に、反確の時も述べたがこの最初にわからん殺される時のストレスが本当に甚大すぎる


わかりやすい共通システムを使っての(直観的で大雑把な)対処が不可能な技がキャラごとに多く設定されていて。対処をきちんと知らないとそれだけでゲームを畳まれて終わる。



これだけキャラが沢山居る現状でそれを全部覚えるのに、初心者は一体どれだけ嫌な思いをすることになるのだろうか。


(※これはストVに限った話ではなく、対戦ゲームではキャラクターが増えれば増えるほどに初心者が対処しなければいけないわからん殺しが増えていきがちだ。例えばストVではこのキャラのこのわからん殺しだけは気をつけろという簡易対策をまとめた動画の長さが120分程あった。初心者がこれについて行くのは正直困難だろう)

しかも、そういうわからん殺しキャラが多数いるせいで『二先を一回経て次は一方的に負けないにしよう』と思っていても次に戦った時には時間が経ちすぎて対策が頭から丸々すっぽ抜けている。結果、いつまで経っても身につかないでランクマをしているだけで定期的に嫌な思いをし続けることになる。

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(戦う空間に遊びが無さ過ぎて「これもうなんか読み合いとかじゃないよね。ゲームになってないんだけど。読み合いの土俵にすら立てなくてつまらないんだけど」という試合が頻発してしまう。当たり前の話で、今からゲームを新しく始めても到底覚えきれない)
荒らして勝つみたいなコンセプトのキャラが存在してしまっているのも初心者バイバイ要素
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(格闘ゲームってこういう物なのか……)

こんな状態で一人でゲームを始めてモチベーションが続く方が異常だ。対キャラがしたくてゲーム上のラウンジシステムで募集をしても望んでいる相手が来ないし練習できない。ロードも長いし解決策を見出すことができたとしても実戦でのトライアンドエラーがとてもやりづらい。

ずっと遊んでいて戦っていて自分がなぜ負けているかもさっぱりわからないままだった。わからないところがわからないみたいな勉強で躓いている人みたいになってしまっていた。

しかもトレモにもゲーム性がないし、一人用のゲームモードもシンプルにつまらないし、プレイヤーの躓きを自然に学ぶことができない。「わからん殺しで一方的に負けてもめげずに自分からトレーニングメニューを組んでちまちまと自助努力できる」ような物凄く意識の高い初心者しか生き残れない
一番最初の対戦回数を要する段階で、あまりにもキャラごとに壁を実感しやすくて漫然とゲームを遊ぶことができないのが辛かった。



⑩ランクマのブロンズがブロンズの強さじゃない

このゲームに真の意味での初心者はほとんどいない
こんなものはどんなゲームでも当たり前の話だが、ストリートファイターVは稼働してから5年も経っている。そのせいか異常にプレイヤーが強い昔やっていた人は格闘ゲームの洗礼を受けて挫折して引退した強くなっているかのどちらかのようで、全体のレベルがとても高い状態になっている。
そんな状態で、初心者がランクマをしたら何もわからないままボコボコにされるのは当たり前の状態だ。要は下手さの下限が滅茶苦茶高い。
(歴の長いプレイヤーはPS勢に多いらしいのでPC版ユーザーはPSプレイヤーとのマッチングを避けた方が良いらしい)

スマブラの逆vipと状態が同じというか、それよりも壁が高く感じる。このゲームに真の意味での初心者はほとんどいない。ルーキーを抜けた途端に一方的にボコられるようになる。加えてランクマは二本先取なので何もわからないまま(試行錯誤の余地がないまま)連戦を続けることになる。

知人に聞いてみたところ、このストVというゲームは読み合いに進めるまでの最低限の敷居があまりにも高すぎる上に試合をこなしてもゲームが自然に上達しない作りになっているため、自分で外部から情報を取り入れて学習できないプレイヤーは成長がずっと出来ずコンボだけは完走できる。乱暴な投げ仕込みだけは徹底している。荒らしやパナしだけは得意。というように局所的に強い部分を持ったまま上にいけなくなる初心者が大量にいるらしい。なので、初心者同士でも短時間(2先)の轢き殺しが起きやすくそれが原因で本当の初心者が辞めてしまうということがあるのだということだった。

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(※漫然と遊んでいて上達できるような作りではないため、大半のプレイヤーが思いついて実行しようとするのがコンボの練習となる。その結果、コンボだけは完璧かつ今日だけ勝てる荒らしのような戦法に偏るプレイヤーが後を絶たない。特に様々な行動の後隙を昇竜でひたすら誤魔化しまくって1試合をもぎ取ろうとするプレイヤーがあまりにも多すぎて、戦う側も苦痛だった)
↑荒らし筆頭のキャラクター、ケン。プレイヤー数も多い。
初心者帯では荒らした方が勝てるというか、ゲームが難しすぎて荒らさないとやってられないみたいな闇落ちしたプレイヤーがとても多く。初心者帯では荒らしに対抗するために初心者が荒らしプレイを覚えようとする負の再生産が日夜繰り返されている。



ちなみに上記の理由が原因で一人プレイヤーが引退する瞬間に立ち会った。
その人物は初心者向けということでリュウを選んで真面目に丁寧にキャラを動かせるように頑張っていたが、初心者帯のぶっパナしや、初見殺し技の連打や、起き上がりの暴れにボコボコにされて時間の無駄だと感じて引退してしまった。


「一日少しずつ上達できれば勝てなくても問題ないなんて言うのは上級者が高い場所に居るからこそ言える欺瞞みたいなもんじゃん。初心者からすれば全然勝てなきゃ面白くないよ」

そう言って彼は居なくなった。その人は他のゲームで実績を出していて、続けていれば強くなるだろうという確信があったほどにゲームセンスのあるプレイヤーさんなのだけど実際、見ていてモチベーションが続かないのは理解できるし引き留めようがない。

(知人曰く、このゲームの対戦環境で初心者がリュウを選んでしまうと自キャラの強みを押し付けることができず。相手の強みや40体近くいるキャラの強戦法に全て真正面から付き合わないといけない為、到底お勧めできるものではないらしい)

ダイヤモンドのユーザーさんに話を聞いたが、レートが上がったら上がったで地獄らしく。ダイヤモンドからは無差別に、最上位のプレイヤーともマッチするようになるらしい。それはもう最早ランクマッチではないのではないかと思う。この辺りの大雑把なマッチングシステムを聞いた時は割と正気を疑った。スマブラも上位層のマッチ幅の広さは割と大概だがストVはそれよりも酷い。

「普通に遊んでいるだけで成長の機会を奪ってくるゲーム。会社や学校に行く人は遊ぶ時間が有限なのに、頑張って成長した矢先に現実を犠牲にする覚悟を求められて、プロのゲーマーみたいな人に一方的に蹂躙されるのが理不尽すぎる」
「別にプロに勝てるゲームにしてほしいとかじゃない。きちんとゲームを学んで対策をしている人には勝てないのはわかるけど、なら知識が足りない者同士で遊ばせてほしい」
という滅茶苦茶厳しい言葉を放っていたのが印象的だった。


⑪カジュアルマッチとラウンジには初心者狩りが常駐している


今作のカジュアルマッチの仕様は滅茶苦茶だと思う。
サブアカウントなどでランクを上げずにカジュアルマッチで初心者狩りをしている勝率の高いプレイヤーが異常に多い。ファイタープロフィールを見れば一目瞭然だ。勝率90%の初心者狩りに異常な率で当たる。
他のゲームと違ってカジュアル用のレートが上下したりしないせいでランクマをやらないプレイヤーが普通に遊んでいるだけで格下狩りになる
ラウンジも全く同じでリーグ指定したらブロンズ~スーパーブロンズで勝率80%みたいなランク詐欺のプレイヤーが大量に入ってくるどころかブロンズで募集条件を絞っても普通にダイヤモンドのプレイヤーが入ってこれる仕様になっている。(ラウンジの募集条件がUIの関係で読みづらいのかリーグやキャラを指定しても、全くそれを読まずに入ってくるプレイヤーが後を立たず、望んだ対戦相手が全然入ってきてくれない)個人的にはキャラごとに個別の非表示内部レートを入れてほしかった。結局ランクマの方がまだまともな試合ができるがRPの上下を気にせず気軽に戦えるモードが実際存在していないようなものだ。

このゲーム。一体どこで対人練習をすればいいのだろうか?

⑫簡単なキャラクターとそうでないキャラクターの格差が酷い


このゲーム、簡単で強いキャラとそうじゃないキャラの格差がスマブラを超越している
初心者同士の対戦だと、ベガ バイソン ブランカ エドモンド本田 バーディ ダルシム等が猛威を奮いすぎてそれに並べるプレイヤーが存在しなくなる
(どちらかというと、こいつら以外のキャラの操作があまりにも難しすぎることの方が問題な気がする)

このゲームニュートラルなキャラクターと操作が簡単で強いキャラクターの落差が本当に酷くて初心者同士で考えなしにキャラクターを選ぶと大体一方的な試合展開になる。
これが死ぬほどつまらなくて、いつまで経っても勝敗が拮抗する気配がない。
一緒にゲームを始めたニュートラルなキャラクターを選んだ友達と足並みが全く揃わない状態が続いてどちらも嫌な思いをすることになった

しかもこいつら同士で戦ったらそれはそれで別種のワンサイドゲームになってしまうので割とどうにもならない。

これらのキャラクターは初心者救済だけど、同時に初心者を引退させるキャラでもあると思う。これらのキャラを選んでしまうと格闘ゲームを続ける最大のコツであるという『友達と一緒に始める』が瞬く間に成立しなくなる。

本田を使うと友達がいなくなるはマジだった。


加えて、こいつらをメインキャラにしてしまうと他キャラに比べてランクが上がってしまうので操作の難しいニュートラルなサブキャラを練習する場所がどこにも無くなってしまうという致命的な問題点もある。

というか、このゲーム(初心者狩り対策なのか)キャラごとにランクが分けられているわけではないので普通に遊んでいるとサブキャラを練習する場所がどこにも無い。ぶっちゃけ辛口だけど、ここのマッチングに関してだけは評判の悪いスマブラの対戦システム以下だと思う(※スマブラはキャラクターごとにレートが分かれている)。

(例えば、本田やバーディなどでゴールド帯に行った後にリュウなどを使うとランクがスーパーブロンズに落っこちる等。そして再び本田やバーディでランクマを遊べば自動で格下狩りになってしまう。このようなことを繰り返していたらナチュナルに格下狩りの常習犯になってしまうが、これは実際に遊んでいて起きた現象だったりする)


このゲームでサブキャラを遊べるのは無差別帯で何出しても戦えるような強者だけなのかもしれない……。

・プレイヤーが敗北を噛みしめる時間が長い&ロードが長い

これは格闘ゲームがどうこうということではないのだが、ストVを遊んでいると試合間のテンポの悪さが気になった。
2先の負けが確定した後に、負けた側が即座に次のマッチングに進めるようになっていない。勝利を噛みしめるのは勝った側だけで良いと思う。負けた側が『you lose』の表記を出された後に対戦相手のリザルトを見続ける時間が不要に感じる。
ゲームを起動するのにも時間がかかるし、遊べば遊ぶほどロードの時間もどんどん詰みあがっていくのが実感できてしまう

加えてゲーム全体の試合のロード時間が長く。試合が始まるまでの間にプレイヤーがゲームを操作できない時間があるのも気になった。おそらくロードが長いため広告を入れるようになったのかもしれないが、次回作はこんな広告を見ないで済むようにしてほしい。


・『わかっていてもキャラが思い通りに全く動かない』というのが一番のストレス。

対戦ゲームとして相手がやってくることがわかっているのに(飛びが予想できる。起き上がりの択が読めている、投げ抜けされるのがわかっている)キャラがその読みに対してうまく動いてくれないのがもう多大なストレスで、スマブラプレイヤーからすると四肢をもがれたマリオが病院のベッドの上でもがいているような気分に何度も陥った。

また、ストVはスマブラと違って戦う空間自体が狭くて、スマブラほど各種シチュエーションのアドリブ性が低く咄嗟の誤魔化しが効くゲーム性ではないため嫌でもテクニックやコンボなどのミスをしたことが実感できてしまうデザインになっている。(別にこれストVに限らずというか格闘ゲームが大体そうかも)

試合自体は勝ってもいたけど、挫折の原因は勝ち負けの問題ではなく、要所で自分の選んだキャラが思い通りに動いてくれないのが嫌でも実感できてしまうのがなによりもストレスだった。




今日勝ちたいというより、『今日動かしたい』。

なまじスマブラで読み合いを鍛えていたのが肉体と精神のズレを引き起こしてこれが挫折の原因となった。


共に分かち難く・・・(烈海王両手両足無しVerみたいな気分)



・(格闘ゲームの衰退論に対して)初心者の努力不足に問題がある?

「格闘ゲームは初心者お断りのゲームではない」。
「最初は上手く行かなくても、最低限の事から少しずつやっていけばよい」

そういった既プレイヤーの意見を見る度に、昨今のゲーム事情における初心者プレイヤーの持っている視点昔のゲーム初心者の視点とは違うのだということを理解するべきではないかと筆者は思ってしまう。

現代のゲーマーの初心者はゲームコントロールに対する前提のラインが高い

例えばApex Legendsなどではとりあえずアイテムを漁ってキャラを軽快に歩かせてアシストで照準を合わせて銃を撃つ
Moba系の(League of legends等)ゲームではキャラクターを移動させてQWERの四つのキーでスキルを撃つ
スマブラなどではキャラを自由に動かせて簡単操作で技を出す

といった具合にどのゲームも簡単にできる最低限のラインが高い(入力自体が簡単で、ある程度誰でもすぐ動かせるシステムになっている)。

こういうゲームを作る会社は商売という物をわかっている。当然ながら浅くて間口が広い方が人口は増えるし会社としての収益も見込める。

これらの中でも特にApexとスマブラの人気はすごい。身も蓋もないことを言ってしまうと日本では操作が簡単かつ『なんとなくのプレイング』でもそれっぽい試合を展開できるようなゲームが人気になりやすい。(インスタントな面白さ)


しかし、ストVなどの硬派な格闘ゲームはこれらのゲームとは明らかに違う

Youtubeにプレイ動画などが出回っている昨今ではプレイヤーのゲーム操作に対する期待値も高い。
レバーで移動、後ろでガード程度の操作は初心者にとっては何もできていない状態と同じであり、多くの初心者は自分の中の理想とギャップに打ちひしがれてそこで心が折れてしまう。流行の他のゲームと違って動画で簡単にできているようなことの真似事すらできないのだから。

そして、操作が簡単で面白さを感じやすく、なんとなくである程度勝ててしまうゲームがあるせいで『とにかくトレモで練習してみよう』『少しずつやっていけば良い』がアドバイスとして初心者には通じない。(どちらも他のゲームのそれと比べて格闘ゲームには不自由かつ辛い時間が長すぎる。上達の過程が他のゲームと比べると面白くない)

筆者の書いたこの記事自体が、その理想に打ちひしがれてできているようなものだ。

上手いプレイヤーが簡単にやっている『キャラを最低限動かす』ができないからこそ挫折を感じて記事が長くなっている節があることは否めない。
自分がスマブラforからスマブラを上達できたのは一番最初の段階でオンライン対戦で、何も考えずにキャラを漫然と時間を費やして動かして遊ぶことができたからだ。


同時期に始めた知り合いも、ゲームが面白いと感じる前に皆居なくなってしまった。
やっぱり格闘ゲームは、最低限キャラクターを動かすための練習の敷居が流行りのゲームと比べると高いのだと思う。全体レベルも高いし、わからんことばかり、そして弱ければただただ負けるだけだ。

練習の仕方がわからないわけでは無いけど、今時ゲームの入り口でいきなりトレモに潜りたいと思える人はそんなにいないんじゃないだろうか?

筆者もどうしても最近遊んだ他のゲームと比較してしまう。ひょっとすると、ゲームの経験が全くないプレイヤーなら割と違和感なくストVに没入できるのかもしれない。筆者も、対戦ゲームがストVしかない環境なら必死になって練習していたんじゃないかと思う。

しかし、ゲームアニメ漫画映画の娯楽コンテンツが溢れる昨今で、ちょっとやってみようという意気込みだと挫折すると思う。
とにかく上達の過程が他のゲームと比べるとしんどすぎる。漫然とやったら当然勝てないので面白さを感じられず続けるのは困難だ。



(特にスマブラと比べると)ストVは何をするにもトレモトレモで直感的に対戦をしながらキャラの動きを覚えるということもどうしても難しく。また、スマブラと違って一つのキャラクターを動かせるようになったらそれだけで他のキャラクターをある程度直感的に動かせるというようなこともない。
他のゲームはこの辺り直感的で、勝敗の原因はわかりづらいがただキャラクターを動かすだけなら物凄く簡単で1キャラある程度動かせたら大体どのキャラもそれなりに動かせるようになっている。
要はミクロではなくマクロを要求されるようになっていて、小手先での操作技量をそこまで(少なくとも格闘ゲームよりは)要しない作りになっているわけだ。

そういったゲームと比べるとストVのトレモはキャラを最低限動かすためのトレモであって、キャラを簡単に動かして楽しむトレモではない
キャラを動かすにあたって一々細かい部分で躓くので漫然とダラダラ続けるということができない上達の過程の『数をこなす段階』で既に苦痛を感じてしまう。
キャラを最低限動かすというスタートラインに立つ名目の為だけに何日も何日も何日も何日もトレモに潜って寝て、起きて、寝ての時間が掛かり過ぎてモチベーションが続かないのが苦しすぎる。

また、格闘ゲームはスマブラと比べると戦う空間に遊びが無くて強戦法という名の壁にぶち当たるのがいくら何でも早すぎる

まだまともに自分のキャラクターを動かせていない段階なのに対戦でキャラ対策という勉強の時間が始まってしまうのはゲームとして敷居が高すぎるしストレスを感じる。(だけど今日勝てるキャラを選ぶと友達と一緒に遊べない。簡単で強いキャラが居るということは当然その簡単キャラの被害者が存在するということになるのだ。正直、もう少し操作の難しいキャラは簡単にして良いと思う)

『お前は格ゲーでその程度の努力もできないのか!?』と言われる方もいるかもしれないが、ごめんなさい……実際筆者にはその最低限の努力すらできませんでした。ゲームを始めてまず人相手の対戦がやりたいのに、満足に対戦する前にやるべきことが多すぎると感じてしまった。

流行りの他のゲームと比べても流石にちょっとキャラを動かすまでの敷居が高く感じられてしまった。

何よりも、コンボやコマンドの精度を上げても今後超肝心なシーンで操作をミスしてため息が出るんだろうなという未来が見えてしまう。(勝ち負けが決するシーンで「やってない!」「入れたじゃん!」って叫びたくない……)

・ゲーム内で説明がなく情報収集をするのが大変。


Gamewithなどの検索妨害してくる企業が出張っているわけでもないのに、ストVでは知りたい情報に対してGoogleが全く仕事をしていない
わからないことが余りにも多すぎるのに、歴史が長い為情報が断片的かつ膨大すぎてもはや何が何だかさっぱりわからない。
シミ―って何? クラカンって何? コンボのレシピが多すぎてどれから練習すれば良いのかわからない? 

ゲーム内ではコンボの説明はあるが、詳しいテクニックなどの説明などほとんどない。

しかも今はyoutube動画時代動画ですら初心者講座の数が多すぎて何を見れば良いのかさっぱりわからない。情報量が多すぎる故に、情報の統合がされておらずその都度ネットの海を右往左往することになる。

知識が頻繁に要されるゲームなのに躓くたびに答えがパッと出てこないためそこにフラストレーションを感じた。

すぐに壁にぶつかってランクマで投げられ続けたりフレームの知識が足りずにボコボコにされて、その都度調べてわからなくてネットの海を彷徨って、答えがはっきりしないままトレモに潜って。動画でテクニックの投稿をしているプレイヤーさんのブログにまで行って質問をして。またトレモで潜って潜って、でも、上手くいっている気がしないし対策を覚えきれず練習したことが何一つ実戦できない。
(それがこのゲームの魅力なのは理解できるのだけど)あまりにも多数の細かな部分に練習が必要で、練習しても練習してもいつまで経ってもキャラクターは自由に動いてくれない。



他にもすぐにキャラクターを動かせる楽しいゲームは沢山あるのに、自分は一体何をやっているのだろう?



面白さを頭で理解できるが、いつまで経っても実感ができない状態が続いた。

・初心者にとって上手い人の動画が上達の上で参考にならない(あまりにも凄すぎて逆に何がどうすごいのかすらわからない)


このゲームの上位層は当たり前にキャラを動かしているのは当然として、仕込み行動がとても多く、余りにも行っている小手先のテクニックが細かすぎて難しすぎるため参考にならない。行っている読み合いを真似する以前に理解することが実質不可能で、一周回って初心者帯では全くやらないだろうという動きが多くて試合を見ていてもあまり参考にならない。ミクロのテクニックが多い為か、やっているゲームが違いすぎるし何が凄いのかも見ていてよくわからない

この、見ていて何をやっているのかよくわからないというのは大会の盛り上がりなどに直結しているような気がして地味に致命的な気がする。実況の人の解説もゲームのスピードに追いついていないのでスローモーションで捉えている別の解説動画を見ないと理解ができない。

・それ以前に日本ではゲームをスポーツとして見る風潮が根付かない

格闘ゲームはスポーツのようなストイックな練習を要するが、人口の数に対して娯楽が過剰にあふれる日本ではゲームは娯楽の一種でありスポーツのようにゲームを遊ぶこと自体が世間的に容認されていない。

ここの認識が変わらない限り上手い=憧れにならないためプレイ人口の増加も見込めない気がする以前に、他の記事でも紹介させてもらったが日本ではゲーマーの総人口自体が少ないせいでライト層を取り込めないと一定のムーブメントが起こせない。

他のe-sports系のゲームの全てが日本で流行らない一番の理由が確実にこれだと思う。日本の人口規模で一つのタイトルにプロゲーマーが集まっても小さくまとまって終わってしまう。

全体人口の多い海外ではガチ勢が集まってある程度の規模のコミュニティを構築してそこから大きなムーブメントが起こせるけど、日本では人口割合的に活性化できるほどのプレイヤーが集まらない。

しかし、娯楽の種類自体はめちゃくちゃ多いので少ない人口をタイトルごとに奪い合うことになる。
それこそ格ゲーで数億円の金額が動く市場があってそこで日本のプレイヤーが優勝できれば可能性はあるだろうが、現行ではそのようなタイトルも存在していない。

・初心者が求めているのは『本当の本当に操作が簡単なキャラクター』

ストリートファイターというゲームは歴史が長すぎてコマンド入力というデザインを変えることはできないのだろう。

スクリューパイルドライバーはいつまで経っても一回転だし、波動拳は236p、昇竜拳は相手に前進する入力を要するし、ソニックブームは溜めと切り離せない。

それでも必殺技は全部特定のボタン+方向キーとかワンボタン長押しして離すとかにするだけにして欲しいと思う。

正直簡単だと言われているエドすらボタンの押し間違えが発生するし連打もできないので、同時押し関連や連打も入力をもっと直感的かつ簡単にして欲しい。

入力が簡単と言われているエドはコマンド入力自体は簡単だけど、全然『簡単なキャラ』じゃない。
空中コンボの使い分けが難しく、サイコライジングは対空で出すか地上で出すか、次に何の技を出すかでコンボを繋げるタイミングが毎度毎度違うためすっぽ抜けやコンボミスが頻繁に起こる。(アッパー〆とかがボタン連打では繋がらないようになっているのは個人的には意味不明。アンカー〆も画面端だとやたら難しかったりサイコウィングはタイミングが他の〆技とタイミングが違っていたりともうわけがわからない)。
相手をガードさせた状態からできる選択肢が多くて定まっていないし中距離での固めの択がわかりづらい。対空技も前進する物ばかりでしっかり使い分けができないと簡単にめくられてしまう。
意図的にそういうデザインになっているのだろうけど中距離で攻めを継続していくのがものすごく大変で、やることが難しいし肝心の崩しのための投げも初心者帯では全く入らない。
Vトリガーの用途も幅広くて使うタイミングに凄く困るし、中段技もないしシミ―だって難しい。勝ち筋が明確に定まっていなくて立ち回りも難しいし何よりシンプルに強いキャラ相手に一方的にわからん殺されるしコンボをつなげようとボタンを連打すると普段でないフリッカーが暴発する。とどめになぜかCAだけが真空コマンドで、これが肝心な時に全然でない

(個人的な話だけど、初心者にエドやリュウをお勧めしているネットの記事や動画は信用しない方がいい。今どきの『初心者』だとこれらのキャラをおすすめしても絶対に続かないと思う)

画像6

(プレイヤーのスタートカーソルが初心者にお勧めできないキャラ
対戦相手のスタートカーソルがトレモ相手にお勧めできないキャラ
特にリュウは主人公かつビジュアルが良いという理由で多くの初心者が手を出してストリートファイターVの罠に引っかかって引退していく)


新しく追加されたキャラクターらしいが、このゲームを作っている人は初心者を育てる気が無いのだとすら思う。
むしろエドは格ゲーが上手いプレイヤーが道楽で転がすキャラという印象を受けた(スマブラでいうところのカムイ辺り?)


初心者に必要なのは使うボタン数の減少であったり、技ごとの制約はそのままにやりやすいように入力方法を設定できる自由度だと思う。
このゲーム、読み合いまで行けたら面白いとよく言われているので後は不要な難しさを極力減らすだけで初心者は今よりさらに増える気がする。
それと、アーケードコントローラーを基準に据える必要性はないと思う。

初心者の身になって困ったことと言えばストVのコンボには共通の規則性といったものがなくキャンセルタイミングもバラバラであるという点だ。

例えばMelty Bloodなどの格闘ゲームはエリアル→中強中強投げといったコンボ部分はいろんなキャラで共通している。(一部例外もあるし難しいコンボも存在しているが)

『実用的なコンボルールの統一』という要素は初心者にとってコンボを覚える手間を省いてくれる。(また、もしもそういったキャラクターが複数いる場合、キャラクター変更も容易になる。もちろん別ゲーになる恐れもあるため似たコンボの複数のキャラクター実装はまた別の問題を孕んでいる

では、果たしてどんなキャラが本当の意味で初心者向けなのだろう?
具体的に言えば――


①実用的なコンボ(理論値コンボ)のレシピがわかりきっていて実行が簡単(レシピ自体が短かったり先行入力が効いていたり、技のヒットモーションが長かったり、弱→中→強→何らかの技(技選択の必要なし)で繋がるといったように『キャラ内で全て繋がるコンボのルールが統一されている』等)

②ワンボタンで必殺技や特殊技を出せる(最低でも昇龍や連打技やスクリューや真空コマンドやため技は絶対にない等。連打ではなくボタン長押しにしたり、必殺技も『↓↓+技』程度なら流石に簡単なのではないかと思う。

画像1

(※同時押しコマンドでの必殺技に関してだが本作はシステムで同時押しを多用しているため、多すぎると混乱する可能性がある。↑は実際に同時押しを多様化したゲームだ。筆者的にはわけがわからない

③重ねやシミーなどのシステム的に理解や練習が複雑な行動を『わかりやすく簡単に実行して読み合える』工夫がされている

じゃんけんの択を実行しやすいということが大事で、『難しいことをやればもっと火力が出る』という概念が存在しないのが好ましい。読みが通った場合そのまま最大火力が取れるようになっていなければならない。

④必殺技、Vトリガー技やVスキルの用途が一目で理解しやすい

⑤仕様の穴をついた入力が複雑な固有テクニックが存在しえない(後から偶然見つかるなどのこともない)

もちろんこういうキャラクターを主流にしろと言ってるわけではなくこういうキャラクターが一体くらい存在していても良いのではないかとは思う。

初心者が求めているのは技が強い大雑把なキャラなどではなく、極力少ない練習で格闘ゲームの醍醐味である読み合いを体感させられるキャラだと思う。(正直キャラのクソムーブで相手を押し込んで勝っても何も面白くない)

そして、この基準だと(あくまでガチ系格ゲー初心者の筆者の主観ではあるが)エドというキャラクターは①〜⑤までの全ての面でやや深すぎるキャラな気がする。よく言えばやり込み甲斐があるとも言えるけど悪く言えば今時の初心者向けではない。


多分、CA含むコマンド入力を簡単にして、コンボをシンプルにして、ヒット確認が長めの耐久ノーマルの豪鬼みたいなキャラが初心者にとって最適なんだと思う。特に、ワンボタンで投げシケ狩りができる技が存在している辺りが初心者にとってじゃんけんの択の理解と実行をわかりやすくしている。

相手ができる選択肢の多さに対してきちんとじゃんけんをしつつ、択が理解しやすく簡単な行動で最大取れるというのが大事な気がする。(その理屈で行くとコマ投げキャラなどはコマ投げが状況によって最大でもなかったりし相手のじゃんけんの択の数自体を減らしていたりするのでまた違う気がする)


・(ストVとは無関係の余談)格ゲー開発者の考えている簡易コマンド、簡易入力はポンコツ以下

簡易入力は格ゲーの歴史で何度も導入されたらしいが、昔からコンボしかりコマンドしかり簡易入力という概念を盛大に勘違いしている格ゲーがあまりにも多すぎる。

簡易入力を導入している格闘ゲームのほとんどが『最終的には簡易入力をしないほうが(きちんと難しい操作を入力できた方が)強い』という風になってしまっていて『そのまま簡易入力で戦えるバランスになっていない』(最近でも盛大にやらかしているゲームはある気がする)

ゲームを作っている人間が難しい入力に価値を見出してしまっている状態は最悪だと思う。操作入力の難しさをプレイヤーの技量と捉える必要性自体がない。

商業的に言えば直感的な操作性は何にも勝るし、工夫次第でゲームを自体を深く深く面白くすることは可能ではないだろうか?

対戦ゲームというものは上達に回数をこなすことが必要だ。キャラをある程度自由に動かせるならまだしも格闘ゲームはロクにキャラクターを動かせない状態で長時間遊ぶことをどんなプレイヤーにも強いている。

この敷居の高さ自体が時代にあっていないのだから、簡易入力をゲーム内に実装するなら最初にやるべき練習の辛さをそのまま解消できてそのまま戦える直観的なシステムにしないと大体の初心者はやめると思う。それどころか移動などの基本的な部分から操作を直感的にしないとおそらく人が増えない。その点に関してだけはスマブラなどを見習っても良いんじゃないかと思う。

上位勢の動画などが出回っている昨今、最低限の動きができなければ真似事にもならない=つまらないと感じるプレイヤーは多いだろう。

結局、上達にあたってある程度漫然とゲーム続けることができなければどんなプレイヤーも辞めるのだ。


しかし……




・操作が簡単でシステムが理解しやすく読み合いが実行しやすい格闘ゲームが果たして面白いのか?



同時にこういう問題も出てくる。


商業的に言えば直感的な操作性は何にも勝るし、工夫次第でゲームを自体を深く深く面白くすることは可能ではないだろうか?

と先ほど言った矢先に真逆の意見を飛ばすのもアレだが、格闘ゲームが時勢的に初心者お断りになってしまうのは、格闘ゲームというゲームのジャンルの限界ではないかという考え方だ

例えば、初心者が挫折して瞬く間にいなくなっていくコンボは格闘ゲームにおいて華のようなもので、それを簡単にできるようにして読み合いの最低限のラインを底上げしたらそれはそれで味気なくなってしまう可能性がある。(だから簡易入力コンボの威力を弱めにしていたりするのかもしれないが、筆者的にはこのタイプの簡易入力は本当に不要だと思っている。本当に辞めて欲しい)

人口の確保という意味では難しいコンボやコマンド、仕込みなどのテクニックを理解して使いこなす=強い(上手い)というゲームデザイン自体がもう不要だが、コンボやコマンドの入力や、仕込みを無くしたら魅力も無くなるというのならそれはもう格ゲーというゲームジャンル自体が限界集落ということになる。

例えばコンボを簡単にしてコマンドも簡単にして仕込み関連のテクニックを軒並みできなくして、読み合いはそのままに、じゃんけんのグーチョキパーの種類だけを減らしたら(ガード硬直中に投げや攻撃仕込むと攻撃喰らうとか)どうなるのだろう。


多分新規のプレイヤーは増えるけど上級者からすると果てしなくつまらないゲームになるのではないだろうか?

画像5

※対空技としての昇龍拳は、まさにこの問題を孕んでいる。
この技を対空で咄嗟に出せなくて初期位置にいる罠キャラのリュウからゲームを始めようとした初心者は躓いてゲームを離れていくが、前入力&コマンドというリスキーで難しいことをやらせる代償として強い対空が出るというデザインになっているので、改善のしようがない。
スクリューパイルドライバーをワンボタンで撃てたら初心者帯が地獄と化すだろう。(そもザンギエフなんていう個性的過ぎるデザインのキャラはダルシムやアビゲイル共々ゲームから完全に消滅してしまった方が良いとすら思うが)

簡単に入力できてはゲームとして成立しないだろう。戦う空間が狭いが故か、難しい入力ができる=強いとなってしまうのは格闘ゲームの宿命なのかもしれない。(一番良い落とし所は前進 or コマンド+前進のどちらかを最低限の要件と定義してプレイヤーごとに入力方法を自由に設定できるようにするとかその辺りだろうか? どのあたりが落とし所なのかは開発者のみぞ知るところだが……)

じゃんけんの択に関しても同じでわかりやすさのために択を減らすということをやってしまうと上級者からすれば圧倒的につまらないだろうし、最悪運ゲーになりかねない。



間口が広く上級者も楽しめる格闘ゲームなどひょっとしたら存在しえないのかもしれない。


・スマブラは敷居の低さと間口の広さでは最強。(しかしやり込むとなるとぶっちゃけ穴だらけ)


スマブラの直観的な操作から来る敷居の低さと間口の広さは最強だ。それは認める。
しかし筆者はスマブラを神格化しているわけではない。正直、スマブラが対戦ゲームとして強いのは間口の広さだけだと思う。結局あれは大衆に向けて構築されたビジネススタイルを取っているパーティゲームで細やかなバランス調整はストVの足元にも及ばない
(個人的に、Vシフトという新システムをアップデートで堂々と追加するなんてカプコンはとっても大胆だなと感じた)

他の記事でも紹介しているが、スマブラSPはガチ対戦ゲームとしての穴が多く(パーティゲームという面や、Nintendo switch onlineというネットワークの問題もあるのだが)格闘ゲームと比べるとガチなプレイヤーが軽視されているようなバランスになっている。(仕方ないんだけどね。ごく一部の上位層のためにゲームバランス調整のための開発リソース割いてもしょうがないし、任天堂という会社はやり込むプレイヤー向けのビジネススタイルを最初から構築するつもりがないというだけの話だ)

例えば――

・Nintendo switch onlineに遅延が存在しているためオンラインとオフラインでゲーム性が全く違う。(オンでは4Fの遅延がある。観戦者がいると5Fになる。なので、遅延があるオンラインはゲームとして成立しているか怪しいほどシステムが噛み合っていない状態になっている)

・キャラの強みを雑に出しすぎて対戦バランスが滅茶苦茶。(あまりにも特定の技が強くて、戦法どころか技と戦っている気分になる)

・キャラの数が多すぎて調整が不可能な状態に(著名なキャラクター85体は客寄せとしては最強だが、対戦ゲームとしては当然ながらバランスが滅茶苦茶になってしまう。ぶっちゃけスマブラに格ゲーキャラが大量に参戦しているのはゲームをやり込みたいプレイヤーからすれば本末転倒だろう)

・先行入力が効きすぎて誤爆行動によって復帰ができずに死ぬことが稀にある。(結局スマブラでも発生頻度が低いだけで『やってない!』は存在するんだよなあ……)

・プレイヤーの肉体やコントローラーに過度な負担をかける不要なシステムが大量に存在している(レバガチャ、ヒットストップずらし等。正直これは本当に誰得なので要らないと思う)

・デザインのコンセプトから崩壊しているキャラクターが参戦している。(2キャラを同時操作。地上戦しかできない。掃除機で吸い込まれたらキャラによってはほぼ即死。食らい判定の無い腕を伸ばしているだけで相手が近づけずに詰む。謎の専用ゲージがある。全ての技がどれも似たり寄ったりで何の技を当ててもバーストする雑なキャラ――などなど。これは個性的な原作が存在していて、それをスマブラという全く違うゲームに落とし込んでしまうため起こるキャラゲー特有の問題だ。だから仕方ないのだ……)

・ユーザーインターフェースがひどい。(これは本当にどうしてこんなことに……)

・ランクマのルールが滅茶苦茶(四人対戦とタイマン希望者が同時にマッチする。ストックの数も固定ではない。マッチングやレートシステムも機能不全を起こしている)

・トレモがトレモとして機能していない。(パーティゲームだし…)

・長ったらしい確定コンボだらけ。(キャラの組み合わせによってはひどいとそのままコンボから相手が死ぬ。色んなゲームをやってきたが、筆者は最近どんなゲームでも確定で繋がる難しいコンボはいらないという考えに至っている。読み合いで展開繋げるならまだしも、確定コンボを繋げる技量なんて対戦ツールに必要ないと思うし、食らった側が暇になることがほとんどだからだ)

また、ストVと違ってスマブラには大会などで公式(オフィシャル)の支援がない。
加えて、数多く存在する格闘ゲームと違ってスマブラはスマブラがあまりにも覇権を握りすぎて同列のゲームが台頭できなかったためスマブラ最新作の出来が酷くてもプロのプレイヤーはそれをオフィシャルの支援なしでやり続けなければいけないという問題も発生している。(どんなにスマブラのバランスが酷くても他のゲームに避難できない。


『スマブラは真剣に遊ぶことできるゲーム』であって、『真剣に遊ぶプレイヤーのためのゲーム』ではない。

この二つには大きな違いがある。
だからある程度のバランス調整は多少はされるけど本腰を入れた深い調整はされない。スマブラで上を目指そうした時点でゲーム開発者が想定している主流の客層ではなくなってしまうわけだ。

ストVは逆だ。確かに間口は狭いけどガチで、やっているプレイヤーさんは楽しそうに見える。
おそらく、何らかの形で(昔のシリーズにハマって、そこからずっと続けているなど)熱中することができた人のためのゲームなのだろう。(……その理屈でいくと、今後は人口とか先細りしそうな気がするけど息は長い。イライラしてばかりの筆者と違って、楽しく根気よくゲーム続けられる初心者さんがきちんといるからこそ、しっかり界隈が続いているのだろう)

自分という個人が出した結論は、格ゲーは楽しんでいる人たちを動画で見るのが結局一番楽しいというものだったしこれからもそういう楽しみ方は続けていくのだと思う。


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