ギターアンプにはアースは必須

実は、先般こんな事件がありました。

正直、これからギターをやろうとしている人間にとっては、かなり驚きの、かつ残念な事件だったと思います。
ただ、私としては「その原因は何だったんだ?」というところ、(最近はブリッジに手首などが当たるとビリっとくるのもあって)「漏電」の一言で片付けられるのがなんかスッキリしなかったので、すこしその原因も含め、いろいろちょっとためしてみようと、検電ドライバーを購入して、色々チェックし、考察することにしました。

今回、検電ドライバーはこれを使いました。
VesselのLED式のものです。
検電ドライバーを使うのは、実はもう40年以上ぶりなので、使い方を確認したところ、LED式とネオン式ではちょっと使い方が違うようで。
ネオンタイプは検電時ドライバーの「おしり」、つまりグリップ側先端の金属部分に触れることで検電するんですが、LED式は触れません(というか感電するので触れてはいけない)。
あとLED式は簡易導通チェッカーにもなるみたいです。

今回のテストに使用した機材は以下のとおりです
ギター
Yamaha Pacifica 611HFM
アンプ
Hughes & kettner tubemeister 5
Hughes & kettner Edition Blue 60DFX
Fernandes FS-10
Yamaha THR-10(Ⅰ型)
シールド 
KANARE

自作アーシングボックス(これの詳細はまた別記事で書きます)

まず、電源を入れず(コンセントに電源プラグを挿した状態で)

1)素の状態で検電ドライバーをブリッジにつけると明るく点灯
2)電源コンセントをひっくり返してつけても同様
3)あまり良いとは言えないがアンプのアース線を触った状態で検電ドライバーをブリッジにつけると消灯(THR除く)
※弦をさわってみたりいろいろしましたがこれは変わりませんでした
※THRの場合は、アースポイントなどがないので、シールドのマイナスとかを含めた本体金属部分などを触ると消灯しました
これはすべてのアンプで同じでした。

この段階で、アースは非常に有効だというのがわかりました
が、
4)ギターのブリッジ、ハムバッカーPUを拭いて清掃し、1,2同様のことをするとLEDは点灯したもののかなり暗かった(ただし一時的)

正直驚いたのが、
・THR10でも同様に症状が出る
ということでした
THRは他のアンプと違い、ACアダプターでアンプ本体に電力を供給します。
最初私は仮説として、電源トランスでの誘導で漏電しそれが問題なのではないかと思っていました。
実際そう書いてあるサイトもあります。
ところがそれが電源トランスを使わないスイッチング電源をつかった、かつACアダプタなTHRでもでたことで、その仮説は成立しないことになります。

というわけで、早速電圧を測ってみることに。

機材のアース(もしくはそことつながっているギターのブリッジ部分)と、自分の体の電位差を計測してみます。
モードはAC電圧で。

アースしてないとエレキギターの金属部分と人体の電位差はこうなることもあります

いや~びっくりしました。
こんなに電位差あるの?
そりゃACだから余計にピリッて来るの当たり前だよね
さらにびっくりしたのはどのアンプもだいたいこれぐらいありました

ブリッジやハムバッカーの金属部分を清掃したことでLEDが暗くなったのは、清掃することで帯電するホコリを減らして電位差を下げる効果が一時的ではあれあったと思われます。

念の為ですが、アースと人体の電位差も測りました。
もう少し電位差あるかなと思ったのですが、ほぼ無いに等しい値でした。
なんかめちゃくちゃおもしろいなあと

意外に人体とアースって電位差ないんですね・・・

2024/08/13追記
実は、壁のコンセントが届かない場合延長タップを使用していることもあると思いますが、そのタップの種類によっては、なぜか機材のアースと人体の電位差が上下する場合があります。
ーーー



人体は電圧よりも電流で死ぬ確率が高いと言われています。
このことから考えるに、冒頭に書いた「事件」の原因は、ちゃんとアースを取ってなかった(もしくはアースが不完全だった)ためにアースが浮いてしまい、電位差が何らかの原因で発生し、服などが汗もしくは雨などで濡れていたために導電率?が良くなって思いっきり電流が流れてしまったと推測できます。(もし本当にそうだとしたら、ある意味人災といえなくはないですね)

というわけで、こんなものを作ってみました
アーシングボックスです
前述の通り詳細は別記事で書きますが、簡単な話シールドケーブルのマイナス(コールド/アース)側をアースに落とすためのものです。
上についてるのはアース線を取り付けるための端子です

アーシングボックスです。ちょっとかっこいい?デザインにしてみました

またアース工事は別途正式に工事屋さんにお願いするとして、とりあえず仮アースでアーシングボックス経由でアースに落としてみました

そして再度、ブリッジと体の電位差を計測しました

38V弱→1.7V弱まで下がってるのすごすぎる

まぁ当たり前っちゃー当たり前ですが、めちゃくちゃ下がってます。
これでエレキ練習してますがピリッとこなくなりました。
もちろん検電ドライバーも点灯しなくなりました。
あと、ノイズがめちゃくちゃ減りました。

エレキギター、ベースも含め、アースはぜひおすすめします。
手軽に、という点ではむずかしいかもですが。

あと、ライブハウスの方々、イベントで設営する方々も、ぜひなんとかアースはお願いしたいものです。

2024/08/13追記
アース工事は資格のある方にお願いすることをおすすめします
ただ、最近の家だとどこかにアースポイントがあるので、そこから線を引っ張ってくるのはOKみたいです。
わたしも有資格者がやらなきゃいけない部分はお願いしました(外のアース工事はすでにやってあったのを流用しました)

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