TikTok法案に注意

TikTokという動画サイトがあります。
みなさんも知っておられるでしょうし、使っておられる方もお見えになると思います(私は使ってません)。
今現在、それに関する規制法案、いわゆる「TikTok法案」が米議会に提出され、下院で可決されたのをご存知でしょうか?
今回はその法案の背景と、現状について簡単に(雑に?)書いていきます。

TikTokという企業

もともとここは、ニュース配信サイトから始まった企業です。
そこからMusic.lyと合併し、ショート動画という新しいジャンルを開拓し、それで大人気になりました。また「投げ銭」と一般的に呼ばれるシステムも導入して、人気TikTokerが出てくるようになりました。
人気の要因として、スマホにいち早く対応したことでしょう。
またショート動画が多く作りやすいというのも人気の一つです。

中国系は多くに中国共産党絡みがある可能性がある(中国系企業の黒い噂)

今回の規制法案のバックグラウンドとして、中国共産党を理解しておく必要があります。
実は最近DJIのドローンも色々ドローン業界では問題視されているのですが、それはDJIが中国系企業ということが根幹になっています。
(それもあって最近米軍はDJI製ドローン、もしくはコントローラーにDJI性のものを使っているドローンを使わなくなったようです)
中国国内法ではいろいろな情報が飛び交っており(恐ろしいのはそれが中国系の海外企業にも適用されるとのこと)、たとえば企業は顧客(国内国外問わず)を中国共産党に提出しなければならないとか、政治工作員が潜んでいる(特に海外の中国系企業)とか言う噂もでてきています。
そういうこともあり、各国警戒をしていますが、ある意味人気であるTikTokですから、国民への影響は絶大です。そうなると国家安全保障の観点からTikTokはじめ中国系企業の運営するアプリの利用に関する懸念でてくるのもしかたのないことだと思います。

TikTok法案の内容

法案的には、簡単に言えば「中国人の会社への関与を禁ずる」内容です。
これは前述の「黒い噂」についての海外の認識(無論日本も含まれます)が悪化の一途である、危険な内容であると理解しているからでしょう。
ですので、もしこの法案が残りの上院で成立した場合、即時に「中国以外の人間が会社の経営陣を占める」、つまり中国系以外の会社(特に米国系の会社)が買収すること以外に、現状を維持する方法は有りません。

現在の法案の状況

現在は上院での審議待ちの様ですが、上院ではこのままの可決にはかなり慎重な模様(ソース:ロイター)。可決する方向では動きそうですが、すぐに、というわけではなさそうです。
とはいえ、動き出すとサクッと動くのが米議会なので、動向に注目はしたほうが良さそうです。
米国でNGとなると、他の国際系動画サイトにも大きく影響してくる可能性があります。

無論中国系社長がいるTikTok側、及び中国はこれに反発しています。
ことTikTok側がこれで法的対抗手段をとるとも言っているので、法的対抗が実際に行使された場合、法廷でその法案の正当性が問われることになります。その間は法廷が優先される(=施行は保留)のか、行政が優先される(=一時的の可能性もあるが施行)のかは私はわかってません。
多分日本で言うところの「仮処分」申請も同時にされると思いますので、保留の可能性はあります。

法案可決、そして施行された場合の影響

まず、TikTok禁止となると・・・

各放送局で一部の楽曲ベストテン番組でTikTokランキングを採用しているところが方針を変更せざるを得なくなります。
ヨーロッパ方面は(使われているかどうかは?ですが)まだ規制が及んでいないので問題はないでしょうが、アメリカの音楽動向が当然反映されなくなるので参考にするランキングとしてどうなのよ?って話になりかねません。
よって参考にするランキングの根本を見直すことになる可能性があります。
そうなると、TikTokランキング採用時と禁止後では大きく曲のランクが変わる可能性があります。

また動画も国際的に出しているところではアメリカが禁止になるので、ユーザー数は間違いなくガタ落ちします。
それすなわち閲覧数が減る、ということになりますから、広告などのビュー数も当然減ります。
広告メインで成り立っているTikTokからすれば大打撃です。広告主としては当然広告みてもらって認知してもらう(よければ買ってもらう)のが目的ですから、それの全体数が減るというのは広告先としての価値が落ちるのは確実です。

アメリカがこの法案を可決しいよいよ施行するとなると、各国が追随する可能性があります。
またこうなると、中国と米国(及び追随した各国)の国際関係も悪化することとなり、さらなる緊張状態になってくると予想されます。

私自身は、「中国系は利用はするが信用はしない」立場です。
ですから買うにしても少額にしています。

不思議なこと

私はこれについてすごく不思議だなーと思うことがあります。
中国人の関連することで、悪いことに対して(特に企業系)は、なぜか中国の共産党も反発するんですよね。
裏を返せば、中国はこういうことを政治的に利用したいわけで、前述の黒い噂も「海外警察」問題も含めこういうことばかりやっていればしかたないと私は思っています。
もう少し言うなら、もう少し語気を弱め、「それは誤解であり、今後も理解してもらうよう務める」という内容であれば、まぁどこの国でもやってるから納得できるんですけどね。

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