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1.02 アロマセラピー概論

このノートには1990年代後半のイギリスで学んだプロフェッショナルアロマセラピストのトレーニング内容を主観や考察、雑談も交えながら解説します。

前回の記事はこちらからどうぞ 1.01 アロマセラピー概論 はじめに

アロマセラピーは…

ホリスティックセラピーであり、
代替療法・補完療法とも言われます。また、
バイブレーショナルエネルギーを利用しているとも言われています。
  結果的に健康を害した状態になるのを予防し健康維持に貢献します。
  特に、ストレスに関連する問題への対処に有用です。


1.ホリスティックセラピーとしてのアロマセラピー

ホリスティックは全体・全人

ホリスティックの意味としては「holistic」(形容詞)または「holism」(名詞)はギリシャ語の「holos」 を起源として「全体的」や「完全」と訳すことができます。意味は「ものや人を部分で捉えるだけでなく、全体として捉える」というものです。また、「自然界の全てのものはどこかでつながっているという概念がベースになっています。

ホリスティックの概念をベースにしているのは、補完療法や代替医療、民間療法でそこにアロマセラピーも含まれています。鍼灸・リフレクソロジーも同様です。対極の対症療法の例に挙げられるのが西洋医学です。

対症療法とは「病気の原因を取り除くのではなく,病気によって起きている症状を和らげたり,なくしたりする治療法」です。
出展:「病院の言葉」を分かりやすくする提案

自己治癒力による回復だけでは改善がみこまれない深刻な怪我や病気、または、緊急性を要する局面では絶対的に必要となります。物的・精神的・身体的な障壁の多い日本・欧米の文化では主になっている療法です。

対症療法である西洋医学にも、ホリスティックの概念は存在します。西洋医学の医師によって1987年に設立されたホリスティック医学協会では西洋医学におけるホリスティックの概念が解説されています。

特に終末期医療において、痛みの緩和と同時にスピリチュアルケアには欠かせない概念です。スピリチュアルケアとはがん患者さんが終末期に感じる体の痛みを緩和ケアで軽減させた後に感じる精神的な苦痛に対するケアのことです。

私も5年以上ホスピスでのアロマセラピーの施術ボランティアに携わらせていただき、ホリスティックセラピーとしてアロマセラピーを提供させていただきました。その際、医師・看護師の皆さんの中にしっかりとホリスティックの概念が根付いていることを感じました。

一般的にホリスティックの概念はこのような図に表すことができます。

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ホリスティックアプローチ

アロマセラピーではホリスティックの観点からクライアントにアプローチします。

ホリスティックアプローチではクライアントの体・心・スピリットを考慮して施術を行います。「体」はまさにクライアントの肉体、体に現れた情報やその状態、「心」は知的な部分や感情であったり想像性、気持ちと捉えられるかもしれません。この2つについては私たち日本人にも比較的理解されやすいのだと思いますが、Spiritについては魂・精神と直訳してしまうと少し難しいいかもしれません。

というのはホリスティックの概念はヨーロッパの人々の宗教観がベースになっていると考えられ、日本人にはあまり馴染みのない言葉だからです。しかし、ホリスティックを理解する上ではここは避けて通れません。

spiritを考える

自分にとっての「Spirit」とは?一度自分に問うてみてください。今すぐ答えられなくてもじっくりと考えて自分なりの答えをみつけてください。
もし、わからなければ、時間をかけて、自分なりのSpiritを考えてみてください。普段気にかけているとふとした時に答えが見つかります。

私自身もイギリスでホリスティックについて学んだ時、spiritを理解するのに時間がかかりました。同級生に聞いてみたり、先生に質問するのですが、英語の理解力の問題もあり、どうも、分かりません。ですが、学校を卒業して、色々なワークショップに参加してなんとなく理解できました。帰国して、実際にアロマセラピストとして施術をしてみてやっと身についたというところです。

2.ホリスティックセラピーで考慮すべきその他

・ライフスタイル(生活様式) 
食事、運動、睡眠、リラクゼーション、仕事、娯楽、創造性各々のバランスをとることは、生きることそのものに滋養をもたらし、様々なレベルの成長に役立ちます。

・家族の影響  親・兄弟・パートナー・子供
家族との関係性は社会での人との関わりのコアとなり、愛情表現や愛情の受容は健康保持に大きな役割を果たします。

・社会的・文化的な影響 
社会的地位、経済状況、文化的伝統、行動パターン、仲間、集団における・への期待や規範は、支えとなり、成長を助ける場合もあるが、成長の妨害になることもあります。

・環境的な影響 
直接的 → 全体的 → 世界的 → 地球的
磁気、静電気、重力やもっと微細なサトルレベルのエネルギー・フィールドは人間の身体の中の類似したエネルギーレベルと影響し合います。

3.クライアントに適した精油を選択する

アロマセラピストはホリスティックアプローチとして、病気・症状だけを診るのではなく、環境も含めたその人全体を診て、施術を行います。

具体的には、アロマセラピーの施術では、初回の問診(コンサルテーション)に時間をかけます。クライアントの生活環境や、生活習慣、嗜好、病歴など、多方面の情報を得ます。

クライアント自身が困っている症状、心理的なストレスについて伺い、そのような状態になった原因を「こころ、身体、精神面」の情報からアセスメントします。そして、その原因について本人が気づいていないことも多いのです。アロマセラピストがそれを掘り起こし、本人に気づいてもらう。トリートメントはそこからスタートします。次回はそのあたりもう少し深く掘り下げましょう。

そしてセラピストは、クライアントに最も必要な精油を選択して、施術します。その際、緊急性がある場合又はクライアントに最も有益だと考えた場合は、症状に直接アプローチする精油を選ぶ場合もあります。

二ゲラカモミール

まとめ
☆ホリスティックとはギリシャ語を起源とする「全体」をあらわす言葉
☆クライアントの体・心・精神を考慮したアプローチはホリスティックアプローチ
☆特にスピリッツについて自分なりに考えてみよう。

*トラッド・アロマセラピートレーニングコースの内容がこのnoteの作成時の最新の情報ではありません。約20年前のイギリスで用いられていたアロマセラピーの情報です。ご理解の上ご拝読ください。


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