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1.01 アロマセラピーの基本理念 はじめに

このノートには1990年代後半のイギリスで学んだプロフェッショナルアロマセラピストのトレーニング内容を主観や考察、雑談も交えながら解説します。

トラッド・アロマセラピートレーニングコースの全体像

伝統的なアロマセラピーの内容は理論と実技に分かれています。実技を効率よく習得するために理論が必要であり、その逆も同様で、平行しながら学習するために構成されています。
ですが、このノートではひとまず理論を記録していきます。実技を理論的に解説する部分もありますが、実技の部分はどんな風にお伝えするか…書きながら考えてみます。また、植物の歴史やアロマセラピーの発展について知ることでテーマそのものを知り、そこから新たな興味が広がることもあります。想像力を働かせながら読み進んでください。

トラッド・アロマセラピー受講者の目的

私がトラッド・アロマセラピーのコースを受講した時の同級生は6名のイギリス人、それぞれに目的を持って少人数で学習をすすめていました。

元ナースの50歳代後半の女性、子育ても仕事も一段落して、ナースの視点をいかしてアロマセラピストとして人生の次のステージをめざしていました。会社員の30歳代の女性、仕事をしながら資格をとって開業をめざしていました。
ソーシャルワーカーの女性、仕事に活かすか転職するか明確に聞いたことはないですが、私がその後、福祉現場でのアロマセラピーに興味を持ったのもこの女性の影響です。
設計士の男性、サロン開業をして多くの人の助けになりたいとおっしゃってました。一児の父でしたが、勇気あるなあと、当時思ったものです。

20年前イギリスでこのコースを受講される方はサロン開業を目指す方がほとんどだったのです。最近の日本では、アロマサロンに勤務するとか、教室を開くというのもありますが、個人サロンを開業するというのがメジャーでした。

将来の目標がしっかりある方はそれを踏まえて課題をこなしますが、実際にサロンを運営するとなると、経営をするという視点で、コースとは別に起業に向けての準備も早い段階でスタートが必要です。

1.アロマセラピーの基本理念

1.1 アロマセラピーの定義

「アロマセラピーとは植物からの抽出物“精油”を利用した療法です。」

アロマ(aroma)は香り、匂いのことです。セラピー(therapy)は療法や治療法ですので、香りを使った療法、芳香療法と翻訳されています。ロバート・ティッセランド氏か著した「The art of aromatherapy」は高山林太郎氏により翻訳され「アロマテラピー―〈芳香療法〉の理論と実際」とされています。このあたりは歴史で触れましょう。

精油は植物、特にハーブと呼ばれる植物から主に水蒸気蒸留法で抽出された有機化合物です。細かく言うと精油はエッセンシャルオイル、エッセンスとも呼ばれます。更に大きな枠組みではアブソリュートも精油と呼ぶ人がいるかもしれません。そのあたりも精油の理論のところでお話します。

英国や日本のアロマセラピストの多くは精油をキャリアオイルにブレンドしてボディーマッサージに使用します。さらに、クライアントへのホリスティックなアプローチを行います。

キャリアオイル(塗布したい部位に精油を広い範囲に運ぶ)とは植物油のことベースオイル(溶媒となるオイル)とも言われます。キャリアオイルに一定の濃度で精油を混ぜてボディーマッサージを行います。植物油以外の溶媒を利用する場合もあります。

アロマセラピーでクライアントに精油を使用して働きかけることをトリートメントと言いますが、トリートメントとは日本語で「取り扱い、待遇、治療」という意味があり働きかける方法と考えてください。アロママッサージも主要なトリートメントの一つです。

1.2 クライアントが得る恩恵

・マッサージやブレンドオイルの皮膚への塗布で皮膚を通して精油が吸収され、途中で揮発した精油が呼吸器から吸収される。

・芳香浴などマッサージ以外のトリートメントによってやはり揮発した精油が吸入され、嗅覚を刺激します。

1.3 ホームケアの重要性

アロマサロンでマッサージトリートメントを受けて帰宅したクライアントにその効果を持続させるためにセラピストは自宅での精油の使用を推奨する場合があります。特にストレス性の症状が強いクライアントにです。精油の吸入、精油の局所的な塗布や入浴時の使用です。精油は吸入するだけでも呼吸器への作用や心身への効果が認められます。その理由は後述する嗅覚の特性にあります。

足縮小

まとめ

☆トラッド・アロマセラピー受講者は目的を明確に受講されていました。基本的には自分でサロンを開業するレベルまで到達するのがトラッド・アロマセラピートレーニングコースです。
☆アロマセラピーの基本理念について芳香療法とは香りを使ってクライアントにトリートメントを行うことです。皮膚からの吸収と呼吸器からの吸入がポイントでサロンでのトリートメント後、ホームケアで利用を勧める場合もあります。

*トラッド・アロマセラピートレーニングコースの内容がこのnoteの作成時の最新の情報ではありません。約20年前のイギリスで用いられていたアロマセラピーの情報です。ご理解の上ご拝読ください。

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