[第22回] 終点のダンス

 一か月かけて「星空の16進数」という小説を読み終えました。

 この「終点」というのは「生者の更新」で乗ったバスがたどり着いた先のことだそうです。この流れ好きです。歌詞としては「生者の更新」で抱えていた悩みを解決することはできず自暴自棄になった、といったところでしょうか。イメージとしては夕焼けの砂浜で一人踊り狂っている「自分」とそれを見て微笑んでいる「君」がいるっていう感じです。こういったシーンってどこかで見たことがあるようなないような感じで好きです。

 「黙るしか」を理性的な怒りとするならばこの「終点のダンス」は感情的な怒りになると思います。僕はよく何か嫌なことがある度に「黙るしか」を聞き、そのあとに「終点のダンス」を聞いてストレスを発散しています。どちらも大切な曲です。自分が間違えているのは十分分かっているけど、それはもともとはお前らのせいじゃねえか、と他人のせいにしたいときにこの曲たちを聞いています。

「彼らにとって僕らがどんなに間違った生き物で
 この世界の熱も嘘も本当も全部誤魔化されてしまったら
 どうだろう それでも生きるんだろう?
 そうして僕らどこまでもただ間違い続けていく」

 駄目な人間です。でもこの間違いを認めたくない時間って言うのはどうしても僕にとって次に進むためには必要なんです。だからこそその時間を共有してくれる感傷ベクトルの曲は僕にとって大切な存在です。

 良い感じに伝えたいことが伝えられたので今回はここまでにします。次回は「人魚姫」です。


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