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私の『新時代』

遠方個サポの私が藤枝サポになっていく記録(という名目の怪文書)。
殴り書きのような雑な文章で読み物とは程遠いけど、情熱だけは込めているつもり。

人生初noteは自分語りで5,500文字オーバー。ただでさえ暑い夏をさらに暑く感じさせてしまうようなものになりそう。
また、初めのほうはほぼ移動歴しか書いていない上にお題からかなり外れているため、もし読んでいただけるのであれば、サラッと流し読み程度で…

1.A Rising Star - そもそも

気がついたら、直線距離で約500km離れた静岡まで5回遠征していた。
もはや盲目的にまでなりながら藤枝へ通い続けるきっかけとなったのは、とある選手の移籍だった。

今季加入した、新井泰貴選手(藤枝MYFC#6)である。

2022.10.30 H藤枝戦@エキサイティングシート

載せる写真を選ぶときに気づいたんだけど、これ藤枝戦だったんだね。
久保選手(現名古屋)と競っているシーンと、後ろには小笠原選手。しっかり画角に収めていたことにおったまげた。

それはさておき。

新井選手は鳥取でのデビュー戦から3年間ほぼフル出場を果たし、多くの勝利に貢献。
強烈なミドルを打てる左脚、素早く切り込むドリブル、献身的な守備、終盤でも駆け上がっていくスタミナ…挙げればキリがないほどたくさんの強みがある選手。
鳥取に在籍していた期間でみるみるうちにプレーの虜になった、いわば"推し"。

すっかり鳥取のキーマンとなっていた新井選手は翌年、藤枝MYFCと共に初のJ2へ挑戦することを発表。

リリースを見たとき、国内なら応援行きやすいのでは?!とまず交通手段を確認したことを覚えている。
個人昇格はもちろん嬉しいし鳥取を去るのももちろん寂しい。けどそれは頭の隅っこへ一旦置いといて、【鳥取から静岡 JR】【鳥取から静岡 バス】とかもうありとあらゆるワードで検索した。あのときほど夢中で何かを調べたことってあっただろうか。

数年前に連れてっていただいたっきりの藤枝に乗り換えも知らない私が、1人で。
自分でホテルや交通手段を調べて遠征するなんて全くしてこなかったことだけれど、応援に行きたくて。
不安は一握りまで抑えて、ユニとゲーフラと抱えきれないほどの期待とワクワクを携えて。
山陰の外に出ることが年1回程度だった私の、山あり谷あり遠征ライフの始まりである!



2.Arrival - 観戦履歴

・Realize - H栃木戦

遠征の神様は、初手から試練を山のように課す。

初めての藤枝1人遠征は、米子→名古屋(夜行バス)、名古屋→静岡(新幹線)、静岡→藤枝(JR)の乗り継ぎを計画。
名古屋着は7:00過ぎ。そこまで着いてさえしまえば数本逃しても14:00の試合開始には間に合うスケジュール。

しかし鳥取を発つ数日前から、東海地方周辺への記録的な大雨による被害が多発していた。
遠征を延期することが賢明であったはずだが、時刻通りに来た夜行バスに乗り込んだ。

翌朝、明らかに様子が違う名古屋駅に到着した。
駅の中だけで鳥取県の全人口ほどいるんじゃないか?と思うほどの大混雑。
どこを見ても運休、運休、運休。線路が冠水していたらしい。
しかしここまで来たので西へ戻る考えは完全に取っ払ってしまっておいた。

少しでも静岡へ近づこうとレンタカーを借りるも、道路浸水のため動けず。引き返すのにも時間がかかり、気がついたらキックオフ時刻の14:00を過ぎていた。
休憩のために寄ったコンビニで約4時間ぶりにスマホを持ち、後半だけでもどうにかならんかと爆速で情報収集。そこでキックオフ時刻繰り下げと新幹線・JR運行再開の報を知る。
これはまだ間に合いそう!即座にレンタカーを返却し最寄駅へ。

愛知県内から藤枝駅まで移動開始。
浜松駅に着いたときには既に16:30。キックオフ時刻は17:00まで繰り下げられていたから、後半だけでも見られそう!座席で改めてスタメン諸々の情報収集をしているところに、まさかのニュースが。

いやいやいやいやいやいやいや、そんなことある?
しかも16:30までって。たった今終わったじゃん。











しばらく呆然。開いた口が塞がらないとはまさにこのことか、マスクしててよかった。
しかしやはり向かわない選択肢はない。もはや意地。

藤枝駅に着いたのは17:50。この時間になるとシャトルバスは運行していなかったので、停まっていたタクシーに乗車。
運転手さんの「今からサッカー観戦ですか?」の問いかけに「はい…」としか応えられなかった。いや、ここまでの道中とか話し始めるとドン引きされそうだったので、それに留めた。なんにせよ変な客で申し訳ない。

約20分後、数年ぶりの藤枝総合運動公園サッカー場へ到着。いや〜〜〜まずここまででだいぶ頑張った!!
スタジアム内に鳴り響く手拍子とチャント。これも現地観戦の素晴らしいところ。自分が応援されているわけでもないのにめちゃくちゃ元気出た。

階段を上りコンコースを抜け、ようやく着席。

着席直後の1枚

先制されていた。

前々節のH徳島戦で達成したJ通算100試合出場達成の記念セレモニーもなかったそう。そもそもリリースもなかったし。しゃーなし。

後に山田選手のゴールが決まり1-1で引き分けるのだが、この写真を撮ってからの記憶がほぼない。疲れてたんだろうね。
結局、新井選手の姿も藤枝のサッカーもまともに見ることができないまま終わった。復路は往路とは違い滞りなく進み無事鳥取へ帰ったのだが、遠征デビューはかなり苦いものとなった。


・Alike - H熊本戦

今回の遠征は2泊3日。2月から計画していたプチ旅行で、新井選手の誕生日直近の(個人的な)大一番!ハイテンション!
もちろん2週間前の出来事を忘れてしまったわけではない。でも苦い記憶を楽しい思い出に昇華できるのは自分だけ。グダグダになってしまったものの、1人で藤枝までたどり着けたのは事実。

今回は初の飛行機移動。ひとしきり調べたところ、出雲⇔静岡の飛行機移動が1番早くて楽らしいという結論に至り、2月中に早速予約。空港から藤枝駅までのバスがあるのも遠征初心者には大助かり。
最大の関門としていた手荷物検査が終わってからは無敵になっていた。実際スムーズに藤枝のホテルまで到着。
慢心はしないほうがいいけれど、単独行動に対して程よい自信すらも持っていなかった私にとっては大きな進歩。

1泊して迎えた試合当日。今回はシャトルバス内で情報収集。ドキドキしながらもタイムラインを更新する指は止まらない。繰り返しているといきなり藤色のスタメン発表画像が現れた。更新しているのは自分なのに、毎回この瞬間にはびっくりして目を細めてしまう。
MFが多い中央の行から、1選手1選手を確認。


残念ながら、この日もベンチ外。

(前回はサイン会に行けなかったことに引っ張られすぎて薄れていたけれど、)毎試合絶対に出られる選手なんていない、出られることが当たり前だなんて思っていない。それを分かっている上で応援に来てるんだ。とはいえ、悔しさはどんどん込み上げてくる。

が、この悔しさはこの試合の前後で異なる意味を持つものへと変化していった。

試合前の整列と集合写真に姿がないことは相変わらず悔しかったが、今は須藤監督と作り上げる藤枝MYFCのサッカーを観よう。前回と違って体調も万全だしね。現地で真剣に観るのは、個人的には2018年後季の鳥取時代以来である。

時刻通りにキックオフ。
横山選手のスルーパスやFK、美しすぎる…
渡邉選手(現C大阪)にボールが渡ったときのワクワク感たるや!
川島選手や久富選手の積極的な攻撃参加!
鳥取で指揮を執られていたときもこれくらい攻め攻めのサッカーをしてたなあ、HTで選手交代をする早めの判断もされてたなあ。
久保選手、その位置からもゴール狙えるの?!
榎本選手、終了間際なのになぜそのスピードが出せるの?!
あ、ファウル。監督の大振りのアピールも懐かしい。

これらは全て頭の中での感想のはずだけれど、気づかぬうちに声に出てたかもしれない。それほどまでに興奮しっぱなしの試合だった。

遠征1日目でお世話になった
『ペンギン村』さんのコーヒー🫶
残念ながら完敗

失点を重ね続けてしまったが、誰1人諦めているようには見えなかった。1点を取りに行こうと攻め続ける1人1人の姿が、強烈なほど印象に残った。

苦悶の表情を浮かべながら客席へ挨拶をする選手を見送り、すぐに飛行機の予約。それはもう慣れた手つきで。
なんと私はこの悔しさをH山口戦に行くことで晴らそうとする。

新井選手がプレーしてる姿を観られるように、(いつ開催されるかは分からないけれど)セレモニーを観られるように、というのももちろん根底にはある。
こんなに全力で駆け回っている選手がいるクラブを応援したくて、勝って喜んでいる姿が見たくて仕方がなくなっていた。

『新井選手の応援に行きたい』から『新井選手がいる藤枝の応援に行きたい』。自称していいものかどうかは微妙だが、小笠原選手が仰るところの『ファン』が『サポーター』となった瞬間であった。そのためにここまで動けるようになった自分に驚いた。この試合がエンターテイメントサッカーに魅了されるきっかけとなった。



・Come Alive - H山口戦

滅多に訪れることはないだろうからと山ほど写真を撮っていた藤枝駅構内も、3回目ともなると見慣れた景色と化す。2週間に1回のペースで来てるもんね。
いつものホテルでチェックインを済ませ、スタジアムまでのシャトルバスに乗り込む。これらも慣れた。

しかしキックオフの約2時間前だけは幾度となく経験してきても緊張する。
移動中にまたひたすらスマホとにらめっこ。無心でスクロール。前回同様、目を細めて画像の中央行から確認。

いた〜〜〜〜〜!!!!!

ついに!待ちに待った!スタメン!!!
座席の前後左右を見る前に思わずガッツポーズしてた。周り空いててよかった。

新井選手があの熱いプレーをするチームの中で、躍動する姿を観ることができるのか……と試合前から感動していた。手の震えが止まらない。

そして迎えた、選手入場。

☺️💐
76分まで出場した新井選手(画質悪いのはデフォ)

うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!

これらをな、どうしても観たかったんです……

無事に開かれた念願のセレモニー。1つ1つ丁寧に重ねてきた実績、弛まぬ努力の結晶。
一生に一度しかない大切な機会をついに観られて、目の前でお祝いできて本当によかった。

プレーを観られたのは鳥取時代以来。約半年ぶり。
SA席からでも走り方で分かった。アップのときでさえも。
私が引き込まれた鳥取時代の姿勢と変わらなくて、それでいて体格差のある選手にも当たり負けしてなかった。走力だって落ちない。ボール奪取も切り込みもキレが増して見えた。
J2の舞台で何倍にもパワーアップしてた。進化が止まらない!!!

しかしまあ3回目の現地応援ともなると、チャントに合わせて自然と手拍子まで打てるようになっちゃうね。
新井選手のもの目当てでたくさん買ったネームタオル柄アクリルキーホルダーも、どれを開封したって名前を見たらすぐ顔が思い浮かぶほどまでに。

藤枝のサッカー、選手、サポーター、スタジアム、雰囲気。何もかもをあっという間に好きになっていた。

スコアレスドローに終わったものの、結果よりも幸せな記憶のほうが強く残った特別な遠征となった。



・Alight With Laughter - A岡山戦

鳥取県民としては最も近場でありがたい岡山での試合。
岡山までの移動は自走を選択。そこまで運転するのは初めてだったが、この日初めて藤枝の試合観戦についてきてくれた相棒の的確なナビのおかげで無事到着。感謝。

スタグルの列に並び始めたあたりで、ちょうどキックオフ2時間前。またまたタイムライン更新タイム。

いや〜〜〜素晴らしい。2試合連続スタメン。

勝利✌️

現地で観られてよかった〜〜〜〜〜!!!!!

岩渕選手の後半から更にギアを上げるぞ、と言わんばかりの追加点、数的不利になってからも貪欲に攻め続ける藤枝のスタイル。それが功を奏した久保選手のビューティフルゴール。鳥肌立ちまくり。
とにかく最後まで目が離せない。まさにエンターテイメントサッカー。

平日の夜に駆けつけた精鋭部隊の熱狂的な声援もあってこそ。アウェイの地での勝利に、選手もサポーターも眩しいほどの笑顔を浮かべ喜び合う。これぞ『一体感』

そして最後ね。まさかのサプライズ(?)
ホーム席への挨拶にいらっしゃったとき、相棒のカメラにお気づきになった3選手からのファンサービスをいただく。こんな場面でも周りをよく見ておられる…

写真は相棒提供

勝利からくる安堵と解放感が含まれているようにも見える笑顔。最後まで走り抜けたからこそ得られた勝ち点3。試合前に降っていた雨もいつのまにか止んでいた。

初めて現地で観た藤枝の勝ち試合は、これ以上ないほどに素晴らしい試合だった。

さて、人間とは恐ろしいもので、こんなに素晴らしい経験をした後でもどんどん欲が出てきてしまうんですね。
試合後に寄ったファミレスで、H群馬戦のための飛行機を予約。完全に藤枝のサッカーにハマったのだ。



3.Ally - これからも

これ以降にも2度藤枝へ遠征するが、なんせあまりにも遅筆であったためここでは割愛する。期限はかなり前もって提示していただいていたのにね…

ポエムじみた初回noteは、ここで筆を置く。
これから先を書くとは言っていない。人に伝えたいことを言語・文章化することがいかに難しいかを体感したからだ。
企画に参加しなければ、はたまた企画自体が無かったら、このことに気がつくこともなかっただろう。
発案していただいた小笠原選手、ありがとうございました。

……お気づきの方もおられるかもしれないが、見出しや小見出しの英語をぜひ声に出して読んでみてほしい。
ちゃんと意味と内容は繋がっているはず。個人的には凝ったつもりだけれど、気持ち悪さが勝る気がしないでもない。




輝く舞台を自分の力で変え、今も進化を続ける人と。

環境、出会い、街、景色、ご飯、価値観。
たくさんの新しい思い出ができた藤枝と。


私の『新時代』は、ここで歩んでいきたい。

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