見出し画像

アルバム紹介2.KIling is my business...and busines is good-Megadeth

こんにちは、如何お過ごしでしょうか。

今日はアルバム紹介第二弾ということで、アメリカのスラッシュメタルバンドMegadethの1stアルバム「KIling is my business...and busines is good」を取り上げたいと思います。

まずはバンドの概要から。


メガデス(英語: Megadeth)は、アメリカ合衆国出身のヘヴィメタル・バンド。同時期にデビューした「メタリカ」「スレイヤー」「アンスラックス」と並び、スラッシュメタル"BIG4"と形容された一角に君臨。テクニカルな曲構成を展開し、同ジャンルの発展に大きく貢献した。2017年度『グラミー賞』受賞。メタルシーンを代表するバンドである。
デビュー前に「メタリカ」を解雇されたデイヴ・ムステインを中心に1983年に結成。現在まで15枚のスタジオ・アルバムと5枚のライヴ・アルバムを発表。5000万枚を超えるセールスと、グラミー賞のノミネート12回を数える。2002年に一度解散したが、2004年に再始動した。 ーWikipediaより


スラッシュメタルのみならず、メタルというジャンルにおいて頂点に君臨するメタリカでリードギタリストを務めていたものの、ドラッグ癖や素行の悪さが理由でバンドを追い出されたデイヴ・ムステインが、打倒メタリカを掲げ、当時アパートの上の階に住んでいたデイヴィッド・エレフソンと共に結成したバンドがメガデスなのですが、今回ご紹介する1stアルバムはそんなデイヴの復讐心がヒシヒシと感じられる、複雑難解なギターリフが嵐のように繰り出される、超攻撃的なアルバムとなっています。

では、今回も個人的に好きな曲をいくつかピックアップしたいと思います。

Lineup

Dave Mustaine -Rhythm guitar/Read guitar/Read vocal
David Ellefson -Bass guitar/Backing vocal
Chris Poland -Read guitar/Rhythm guitar
Gar Samuelson -Drums


#1 Last rites/Loved to death

ピアノによる旋律から静かに始まり、超高速ギターリフで一気にテンションアップする、メガデスの進撃の幕開けを飾るにふさわしい複雑・攻撃的な曲。中盤のデイヴによるギターソロは、かつてメタリカでリードギタリストを務めただけあり終始速弾きのテクニカルなものとなっており、ピックアップをフレット代わりに使うというユニークなプレイも聴くことができる。歌詞は「愛する女性を自分のものにできず、その女性を殺し自分も死ぬことで結ばれようとする」といった、どこか三島由紀夫の金閣寺に通ずるラブソングとなっている。個人的には、Metallicaの1stアルバムの一曲目のイントロが「一度静かになりアグレッシブなギターリフで再び始まるという2部構成」「シャウトと共に全楽器が演奏を始め曲に突入していく」という点で当楽曲と似ているのが、両バンドの因縁を感じるようで非常に興味深い。因みに、2002年のリマスター盤に収録されているデモバージョンが、より刹那的な雰囲気を醸し出しているためお勧めである。このアルバムで一番好き。

#2 Killing is mu business...and business is good

 タイトルトラック。一曲目と同様、複雑で攻撃的なリフの応酬となっているが、何処かメロディックさも感じる。ガル・サミュエルソンの前のめり且つテクニカルなドラムワークも光る。また、ボーカルトラックが特徴的で、当時ガンズアンドローゼスがよく用いていたという、1オクターブ離れたメロディをユニゾンさせるという手法が取られている。最近のバンドだと、Disturbedがこの手法をよく用いているイメージがある。

#4 Rattlehead

速い。兎に角速い。高速で16分のオルタネイトピッキングで開放と押弦を繰り返すフレーズ(AC/DCのThunderstruckのイントロを超高速にしたようなイメージ。メガデスの楽曲では、後にBack in the day 等で同じ手法のリフが使われる。)を中心に、少しのスローダウン部を挟んでまた加速する、ジェットコースターのような曲。また、中盤のクリスポーランドのソロが、いかにもクリスポーランドと言わんばかに特徴的。


#5 Looking down the cross

このアルバムの中では最もスピード感を押さえられた部類(遅いとは言っていない)部類の曲で、比較的激しくない(激しくないとは言っていない)曲。作詞者のデイヴ曰く、「磔にされるキリストの気持ちになって歌詞を書いてみた」ということらしい。

#7(2002年リマスター盤では#8) These boots

ナンシー・シナトラの同名の曲のカバー。こちらは原曲がよくわからないレベルでぶっ飛んだアレンジが施されており、曲調は比較にならないレベルでハイスピード、歌詞に関しても原曲から大幅に卑猥なものにアレンジして収録されており、それが原因でちょっとしたいわくつきの曲となっている。というのも、このアルバムは2002年にリマスター盤が発売されるのだが、オリジナル盤の発売から2002年に至る間にデイヴがクリスチャンとなり、信教に反するとしてこの曲の歌詞の半分以上が規制音(ピー音)で修正されてしまっているのだ(因みに、さらに後に発売されるリマスター盤”Final kill”では原曲通りの歌詞に戻し再録されている。また、サビ終わりの「Walk all over you」の部分だけオリジナルのボーカルトラックを使っていると思われる)。当然この処置には一定数のファンから「歌詞が聞こえないじゃないか」「ピー音で気が散る」「Distopia最高やったわ。キコもようやっとる。」「ハーマン・リはイケメン」といった意見が噴出した。私個人としてはピー音アリの方が好きである。なんというか、規制音のおかげで狂気を感じるのである。初めてこのアルバムを聞いた時も、一番度肝を抜かれたのはリマスター盤のこの曲であった。

#8(2002年リマスター盤では#7) Mechanix

この記事を読んでくださっているメタリカ、或いはメガデスのファンの方ならおそらくご存じであろう、この曲もまたいわくつきの曲である。メタリカの1stアルバムの2曲目、デイヴがメタリカ在籍時に書いた曲 The four horseman と基本的には同じ曲で、大きな違いとしてはメガデス版は歌詞が違い、テンポが速く、メインのギターリフでブリッジミュートしていない、メタリカ版にある中盤部(中盤部後半はレイナード・スキナードのSweet home Alabamaのオマージュであるとして有名)を取り払っている、といったものがある。メタリカ版とメガデス版で甲乙つけがたい良曲である。因みに、デイヴがメタリカを解雇される際「俺の曲はアルバムに入れるな」とメンバーに伝えたにもかかわらず、その後メタリカのアルバムに何度かデイヴの曲が収録されることになる。これがいわくつきの所以。


アルバム制作費の半分がドラッグに消えたという逸話もあるように、あまり音質の良いアルバムとは言えませんが、この時点でメガデスのメガデスたる所以をひしひしと感じる素晴らしいアルバムであることは確かで、非常ウニエネルギッシュな曲が連なっていると思います。また、Final kill盤は音質が劇的に改善され非常にクリア且つ各楽器の音が分離された素晴らしいアルバムとなっているため、興味がある方はこのバージョンを聴いてみることをお勧めします。


今回はここまで。次回の投稿をお楽しみに。

いいなと思ったら応援しよう!