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浜田真理子(Vo,Pf)〜南青山MANDALA 30th anniversary〜 2024.3.20.

満員。客席がぎっしり埋まったMANDALAにいるだけで、開演前からわくわくした。

Sold out !! の看板が眩しい

「THE CROW」で幕が開いた。以前もこの曲がオープニングのライヴを体験しているが、1stアルバムの1曲目がオープニング・ナンバーというのは、ファンにとってはなかなか強烈である。CDやレコードをかけて、まず最初に聴こえてくる曲だし、しかもそれが1stアルバムともなれば、ファンそれぞれのそれであっても思い入れ度も高いだろうからだ。実際、イントロを聴いた瞬間に心の中だけれど身体が浮く。かっこいい。

続いて歌われたのは「愛の風」。4thアルバム『うたかた』に収録されている彼女らしいラヴ・ソングだが、僕は聴きながらこの曲が新曲として紹介されたライヴを思い出していた。曲に浸りながら、自分と浜田真理子の歴史を重ね合わせて聴いた贅沢な1曲だった。ちなみに新曲として聴いたライヴを帰宅してから調べたら、2007年10月の神奈川県立音楽堂だった。" あなたの目が私を見て愛が始まった " 。こういったストレートで迫力のある彼女のラヴ・ソングは魅力的だ。囁くようでいて実は力強いヴォーカルだし、誰もがどこかで聴いたことがあるようで初めてふれるメロディなので、彼女の歌は新曲であっても一発でココロの奥深くにまで届く。きっとそのときの印象が強かったのだろう。普段は隠れているそれが、この日、この曲を聴いたことで顔を出したのだろう。

Marino(Sax)が登場してからは、現在の二人による安定・鉄壁のコンビネーションで、オリジナルとカヴァーが演奏されていく。常々思っていることだが、Marinoは無駄な音を全く出さないよなぁ。これ以上吹いたら…というギリギリのところではなく、余裕を持ったところで音を止めているように聴こえるけれど、それは、もうそれしかない音として鳴るのだ。それでいて浜田真理子を表現するために必要な音が鳴らされるのだから最高である。今回、二人の音を変な装飾なく自然に出していた南青山MANDALAという会場だからこそ、あらためてこのことがよくわかった。

そうそう、本編途中で「胸の小箱」が歌われたのだが、これは珍しいのではないか。この曲で終わる浜田真理子のライヴが僕は大好きなのだが、だからこそ新鮮で、いつもとは異なる表情を見せていて聴きものだった。

直前のライヴが体調不良で延期になり、心配だったが杞憂。超満員ぎっしりのライヴハウスこそ浜田真理子に相応しい。

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