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CHABOのKing Biscuit Time DJ 南青山MANDALA 2024.1.25.

" 冬 " というテーマはあったけれど、いつものようにそれに縛られることなく、チャボのフィーリングで取りあげられた曲が並んだが、この日はかかった曲やそれにまつわることではなく、お客さんからの質問への回答、そしてそこから広がって語られた興味深い話に惹かれた。

4枚の浅川マキのジャケットが並んだ

ステージに飾られたジャケットから予想できた浅川マキの話。マキさんがチャボのライヴに飛び入りしたエピソードの流れから、さりげなく出たのが、 " マキさんにいつか曲をつけてと書いてくれた長い詩がある " という話。" つけられないまま、マキさんはいなくなっちゃった " とも言っていたが、そんな詩が存在することはもちろん、マキさん直筆なのか、そしてどんな内容なのか、さらに将来チャボが曲をつけることがあるのかなど、考えるだけで興味は尽きない。

キンクスについて聞かれたチャボが燃えたのも楽しかった。" 音楽しかない " チャボにふれるには、DJは最適な場である。ただでさえ曲の合間に挟まれるトークからそれは感じられるのだが、そこに外から燃料を投下するとどうなるかがわかった。キンクスの話が進むにつれて、チャボらしくいつの間にかそれが象徴としての視点で語られていくから、結果としてキンクスだけではなく音楽を語るチャボに僕たちはふれることができる。だから感動するのである。

この話と共に、アニマルズの「悲しき願い」とゾンビーズの「テル・ハー・ノー」をかけてくれたときに感じたことがある。

2008年に発表されたミニ・アルバム『Poetry』に収録された「太陽に歌って(戸山ハイツ)」のチャボが語るパートには、" キンクス! 「オール・オブ・ザ・ナイト」「ユー・リアリー・ガット・ミー」。ゾンビーズ「テル・ハー・ノー」" というくだりがある。

「太陽に歌って(戸山ハイツ)」

「太陽に歌って(戸山ハイツ)」は、歌詞、ギター、メロディー、ヴォーカル、それらすべてがこれしかないというところに収まっており、僕自身、チャボのポエトリーとしてはある意味で完成形のひとつじゃないかと思っている曲だ。さらに素晴らしいのが、歌われている内容がLove Songs Of Music…音楽へのラヴ・ソングということである。キンクスやホリーズにふれ、アニマルズやマンフレッド・マンなどリバプール・サウンドをバックに語るチャボから「太陽に歌って(戸山ハイツ)」を思い浮かべた。僕があの場で感じたのは、強烈な音楽への愛である。これだけでも、僕にとっては価値がある夜だった。

PLAY LIST

  1. Walk Out to Winter / Aztec Camera

  2. Push come to shove / Bruce Cockburn

  3. Snow / Jesse Winchester

  4. The Hills Of Woodstock / Tom Pacheco

  5. Choo Choo Ch'Boogie / Clarence "Gatemouth" Brown

  6. トラブル・イン・マインド / 浅川マキ

  7. Don't Let Me Be Misunderstood / The Animals

  8. Tell Her No / The Zombies

  9. Lover Man / Billie Holiday

  10. Long Tall Sally / Little Richard

  11. Old Friends / Simon & Garfunkel

  12. 遠いシャララ / 仲井戸麗市

リトル・リチャードのオリジナルをかける前に、さわりだけビートルズのカヴァーを聴かせてくれた。


最後に「新宿を語る・冬」を生歌で披露してくれた。


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