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亀戸・歌の市2024 リクオと真理子 カメリアホール 2024.2.17.

リクオと浜田真理子の共演を観るのは2016年に南青山MANDALAで『HOBO CONNECTION 2016 鍵盤男女』とタイトルされたライヴ以来。そのときにした僕のツイートは " 音楽が好きでよかった " 。

そして真理子さんがしたツイートが " 音楽をやっていてよかった "。

どちらもよく目にする表現だし、誰もが簡単に使う言葉だけれど、音楽を聴き続けてきた人、音楽をやり続けてきた人にしか言えないことでもある。音楽をやっていてよかった人の音を聴いた僕が音楽を好きでよかったと感じるのは当然だったのだ。

これ以外も共演の様子は耳にしていたし、2021年の京都・磔磔公演は配信で視聴した。もちろんよい話しか伝わってこない二人なので、この日は楽しみにしていた。

本日の催し

お互いのソロ・パートが前半で、後半はセッションという構成。まずは浜田真理子のステージ。「しゃれこうべと大砲」で始まり「恋ごころ」「静寂」「夢の中で泣いた」と、初めて観る人にも、短い時間ではあったが今のハマダマリコが伝わるメニューだったと思う。Marinoとのコンビネーションも揺るぎない。安定の出来。

シンプルなステージ

リクオは2022年のJIROKICHIで観た『JIROKICHI HOBO CONNECTION 2days ~ 第2夜 CRAZY PIANO』以来。今回は坂田学のドラムと井上陽介のベースとのトリオ編成。シンプルだが、やはりバンドだと弾き語りとは異なる魅力。いきなりの井上陽水「氷の世界」がかっこよかった。忌野清志郎の日本語詞で歌われた「イマジン」も、曲のメッセージ性は抜きにして、リクオ・アレンジのジョン・レノンの名曲として楽しめた。締めくくりの「パラダイス」には引き込まれた。

セッション・パートは、坂田学と井上陽介のリズム隊が入った浜田真理子の「あしくび」が白眉。彼女がこの曲で表現したかったのはこのカタチだったのではないか…と思わせてくれたような、オリジナルの弾き語りヴァージョンとはまったく異なる曲の表情に驚いた。この日のMCでも登場したナイトクラブで歌う彼女が浮かぶ色っぽさ。素晴らしかった。

全員をバックに堂々たるヴォーカルを聴かせてくれた「Mariko’s BLUES」もしびれた。曲調からして浜田真理子のレパートリーの中では数少ないセッションしやすい曲だと思うけれど、実際に取りあげられると聴き応えがあるものになることが多いのではないか。余談だが、2018年、晴れたら空に豆まいてで観た鈴木茂(G)、林立夫(D)、田中章弘(B)をバックにして歌われた「Mariko's BLUES」を思い出した。全編にわたり鈴木茂が遠慮なくスライド・ギターを炸裂(本当に炸裂!)させた音に負けじと声を張りあげて浜田真理子がブルースをぶつける。本当に貴重ですごいセッションだった。

今では他人とのセッションを当たり前のようにこなしているが、決して得意としていたわけではない浜田真理子。そんな中でもリクオとの共演は相性の良さを感じる。また観たい。

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