Radial BT-Pro V2
ラディアルから「Bluetoothワイヤレスレシーバー/DI」という、聞き馴じみのないカテゴリーの新製品がリリースされました。
その名のとおり「ダイレクトボックスの形をしたBluetoothレシーバー」なんですが、「なぜ、こんなモノ(製品)がリリースされるのか? どこに需要があるのか?」という素朴な疑問を思い浮かべる方は少なくないでしょう。
通常、PA現場では「無線システムはトラブルが多い」ことから「なるべく使わない」というケースが大半だと思われる一方、最近はiPhone等を使ってオケ出しをする機会が多いこと、また、物理フェーダーを装備しない「ラック型デジタルミキサー」をステージ側に設置し、PA席ではタブレット端末で遠隔操作する、という現場が増えています。
従来、PA現場でBGMを出すときは、客席に設置したPAブースにミキサーと周辺機器を置き、CDプレーヤー等をミキサーに接続することが一般的でした。
しかし、最近では前述のとおり、客席側ではなくステージ側に「ラック型デジタルミキサー」を設置するケースが増えたことにより、「BGM再生機器をどこに置いて、どうやって操作するか?」が新たな問題となってきていました。
すなわち、「ラック型デジタルミキサー」を使用することの最大メリットは「ステージ側のマイク類をマルチケーブルを使用することなく、直接、ミキサーのインプットに接続することができる」ことなんですが、「BGM出し用に据置型のCDプレーヤーを使う」場合、客席側に設置すると、音声信号をDIを使ってバランス変換し、10m超の長いXLRケーブルでステージ側まで引っ張らなければならず、「何のためにラック型デジタルミキサーを導入したのか」、本末転倒となってしまうワケです。
なので、客席側のPA席から無線(Bluetooth)を使ってステージ側にBGM音声を送ることが(無線トラブルのリスクはつきまといますが)ベターといえます。
では、どうやってBGM音声をBluetoothで送り、受信すればいいのか?
送信に関してはiPhone等の対応機器を使うことでクリアでき、受信に関しても民生用Bluetoothレシーバーを使えば事足りるワケですが、もしミキサー側のインプットがXLR端子限定だった場合はダイレクトボックスが必要になってきます。
というワケで、今回リリースされる「バランス(XLR)端子装備のダイレクトボックス型Bluetoothレシーバー」という製品の需要が生まれる、というワケですな。
とはいえ、ハッキリ言ってこのような需要はかなり限定的であり、ニッチな市場と言わざるを得ません。
まさかアマチュアPA屋が勇んで購入するとも思えませんし。
ま、あっしには関わりのねえことでござんす。
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▼IMFORMATION
● 月イチ定例やまぼうしライブ
※2020年4月から当分の間、中止とします
会場 コーヒー&ギャラリー やまぼうし
住所 静岡市葵区辰起町8-17 電話054ー271ー1602
料金 500円 (ワンドリンク付き)
▼参考リンク
BLUES和也のSoundCloud
GarageMihoのYouTubeチャンネル
旧ブログ「だからPA屋なんですってば」のアーカイヴ
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