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「フォーク」から「ロックンロール」へのボーダーライン

みなさんは「ロックンロール」という単語からどんな「こと」や「もの」を想像するでしょーか?
人によっては「人生を生きていく上でのスピリッツ」だったり、「フォークソングよりもノリの良い音楽一般」のことをイメージしたりするのではないでしょーか?

オイラの場合もそのようなイメージがないワケではありませんが、オイラが第一に連想するのは「狭義の音楽ジャンルのひとつ」としてのロックンロールです。

自称ミュージシャンのオイラにとっての「ロックンロール」とは、
①原則として12小節が一区切りとして構成されていて
②原則として [Ⅰ7 → Ⅴ7 → Ⅰ7 → Ⅴ7 → Ⅳ7 → Ⅰ7] という進行で
概ねテンポ=120以上のエイトビート、もしくはシャッフルビートで
主旋律にブルーノートが含まれる音楽のジャンル
のことだと把握しております。
(①②④だけ見ると、ほぼほぼ「ブルース」とおんなじですな。)

特にオイラのように、フォークソングから音楽を始めた人種にとって、主要三和音(スリーコード=Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ)のすべてに「短7度」のセブンスノートを付加する、という発想はまったくないので、理屈として理解するには相当の時間がかかったモンです。
そもそもダイアトニックコードの原則が成立していないワケだから・・・

極論を言わせてもらうなら、オイラにとって「ロックンロール」とは「民謡のひとつ」なんです。
たとえば、フォークソングというか、通常のポピュラーミュージックにおいて「A」から始まる音階、ダイアトニックコードといえば、

Ⅰ=A(△7)、Ⅱ=Bm(7)、Ⅲ=C♯m(7)、Ⅳ=D(△7)、
Ⅴ=E(7)、Ⅵ=F♯m(7)、Ⅶ=G♯m-5(7)

となるはずなのに、ロックンロールの場合は、トニック(Ⅰ)とサブドミナント(Ⅳ)のコードが「メジャー7th」ではなく「ただの7th」ときたもんだ。あり得ないっ!

さらに、ポピュラーミュージックの場合、Key=Aメジャーの音階は、

ラ ・ シ ・ド♯ ・レ ・ ミ ・ ファ♯ ・ソ♯ 

となるはずですが、ロックンロールでは、

ラ ・ シ ・ド ・レ ・ ミ ・ ファ♯ ・ソ 

という音階を使います(原則として)。なんで?

この「なんで?」を理屈ではなく、音楽感覚として消化できない限り、なかなか「フォーク体質」を「ロック体質」に改造するのは難しいと言わざるを得ません。オイラがそうでした。

理屈はとりあえず横に置いといて、ロックンロールの世界では、コードとしては「A7」を弾くのに、音階としては「Am」の構成音を弾くことで「ロックらしさ」を醸成していると言えます。

繰り返しになりますが、フォーク体質の方がロック体質に馴染むには、アタマで理解できなくても、ロックンロールとはそーゆーものだ!と「受け入れる」以外に先に進む手立てはないと思います。

逆を言えば、どんなに演者が「次の曲はロックンロールだぜ!」と主張しても、セブンス系コードが使われていない楽曲は、オイラ的には「ロックンロールには聴こえない」となってしまうワケです。

たまにフォーク系のアマチュアミュージシャンが「ロックンロール」と称したオリジナル曲を歌っているのを聴きますが、「Ⅰ7・Ⅳ7・Ⅴ7」ではなく、「Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ7」のまま、トニックとサブドミナントに「セブンス」を付加しないコードのままだったりするケースが少なくなく、「おいおい、それはロックンロールではなく、ロックンロールっぽさをまとったフォークソングだよ」とツッコミたくなります。(大きなお世話で申し訳ないっ)

とにもかくにも、この「フォークソング脳」では理解困難な「ロックンロールのボーダーライン」を、越えるか、越えられないか、が、その後の音楽人生の岐路となる、とオイラは思っていますが、みなさんのご意見やいかに?

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▼IMFORMATION

● 月イチ定例やまぼうしライブ
  ※2020年4月から当分の間、中止とします

会場 コーヒー&ギャラリー やまぼうし   
住所 静岡市葵区辰起町8-17 電話054ー271ー1602
料金 500円 (ワンドリンク付き)

▼参考リンク
BLUES和也のSoundCloud
GarageMihoのYouTubeチャンネル
旧ブログ「だからPA屋なんですってば」のアーカイヴ


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