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ギター上達のための練習方法・・・ツー・ファイブを理解する!

ギター上達方法というよりは、オリジナル曲づくりや編曲の際に役立つアイディアとして、「ツー・ファイブ」を理解することは、すっげー大事です。

「ツー・ファイブ」とは読んで字の如し[Ⅱm7→Ⅴ7]というコード進行のことです。
Key=Cメジャーなら「Dm7→G7」、Key=Gメジャーなら「Am7→D7」となります。

ただそれだけのこと・・・ではもちろんありません。

このコード進行は[Ⅳ→Ⅴ]の代用であり、ツーファイブの後にはトニック[Ⅰ]に解決する、というのがチョー超定番のコード進行です。
・・・が、その進行を短縮したり、構成音を変化させたりすることにより、数多くのバリエーションを創り出すことができます。

その代表的なテクニックのひとつが
「セカンダリードミナントモーション」

ツーファイブの後にくるコードをターゲット(=トニック)に見立てて、ツーファイブに相当するコードを逆算する、というワザです。

たとえばKey=Cメジャーの曲にこんなコード進行があったとします。
[C → Am → F → C]

2つ目のコード「Am」を「Ⅰ」に見立てた場合、Key=Aマイナーのツーファイブは「Bm7-5 → E7」となるので、「Am」の前に一拍(4分音符)ずつこのコードを挿入できます。

また、3つ目のコード「F」を「Ⅰ」に見立てた場合、Key=Fメジャーのツーファイブは「Gm7-5 → C7」となるので、「F」の前にも一拍(4分音符)ずつこのコードを挿入できます。

実はこの
[C → Bm7-5 → E7 → Am → Gm7-5 → C7 → F → C]
というコード進行、「ハナミズキ」のサビの前半なんですねえ~。(原曲はKey=Eメジャーですが)

また、オイラが師匠と崇める大滝詠一仙人もツーファイブの応用編を必殺技にしています。

次のコード進行は「白い港」という曲のブリッジ部分です。

[D♯m7 → G♯7 → C♯ →
 C♯m7 → F♯7 → B →
 Fm7 → B♭7 → E♭ →
 Em7 → A7 → D]

1~4行目それぞれに3つずつコードを表記してありますが、そのすべてが
[Ⅱm7→Ⅴ7→Ⅰ]
となっていることがわかりますでしょーか?
ただし、次の行のツーファイブに移行する「ルール」をその都度、変化させているのがミソ。

1~2行目は、トニックの「C♯」を同ルートのマイナーコード(=C♯m7)に変形させることにより、ツーファイブの「Ⅱm7」を生成しています。
2~3行目は、前後の繋がりを無視して唐突な「Ⅱm7」(=Fm7)から始まるツーファイブを登場させています。
3~4行目は、前段のツーファイブ進行をそのまま半音下げたツーファイブを生成しています。

よーするに、いったん[Ⅱm7→Ⅴ→Ⅰ]でコードの流れを完結させてしまえば、その次にどんな変態チックなキーに移調しても、ツーファイブ進行を繰り返す限り、なんとなく曲として成立してしまう、ということです。

とはいえ、やはり緻密な計算に基づくツーファイブ進行の応用は、間違いなく「美しい響き」なので、安易に「奇抜なツーファイブ」を繰り出すのは邪道です。
前述の大滝仙人の曲のように「作曲の途中で転調ワザを繰り出したものの元のキーに戻るのが困難」といった場合にエマージェンシーとして使用するのがよろしいかと思います。

というように、ネタに困ったらツーファイブの応用ワザを使う、というのが古今東西のポピュラー音楽のセオリーだったりするので、知識として身に付けておくにこしたことはありません。

なんてな。

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▼IMFORMATION

● 月イチ定例やまぼうしライブ
  ※2020年4月から当分の間、中止とします

会場 コーヒー&ギャラリー やまぼうし   
住所 静岡市葵区辰起町8-17 電話054ー271ー1602
料金 500円 (ワンドリンク付き)

▼参考リンク
BLUES和也のSoundCloud
GarageMihoのYouTubeチャンネル
旧ブログ「だからPA屋なんですってば」のアーカイヴ


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